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書き込み者の「2chのどこかに貴様等に関する重大な情報を書きこんでやった」は、どのスレッドであるのか不明である。 書き込み内容はガセリークであった可能性が高い。 また、「先輩はいい人だ」以降の書き込みは確認されていない。 220 名前: 少年法により名無し [sage] 投稿日: 2007/09/24(月) 17 37 50 0 加害者どもに眠れぬ夜を過ごさせるため2chのどこかに 貴様等に関する重大な情報を書きこんでやったぞ。 誰かに見つかる前に削除依頼出さないと大変な事になるんじゃないか? 頑張って見つけろよw 222 名前: 少年法により名無し 投稿日: 2007/09/24(月) 17 41 27 0 220 お金あげるから教えて?☆ 770 名前: 少年法により名無し 投稿日: 2007/09/25(火) 20 09 29 0 764 222 それもただの精液じゃないから悪質だ。大体こんな感じ。 被害者・・・・神戸大学マジ行ける成績で生徒会長立候補出来る軽音ボーカル。後輩談・あの明るい先輩が自殺ア リエナイ。 最初の逮捕者・・・・・高二時点では被害者と成績争い一緒に生徒会立候補したライバル。 こいつに、被害者の弁当に射精させた。DQN軍団は命じた。 『お前、この写真でチンポ立てて射精しろや』 その写真は被害者の写真、出会い系を使った非常に悪質ないたずら写真、 と新聞で報道されたそのもの。 被害者両親が共働きなので昼間家に上がりこんだDQN達が被害者の下半身の体毛を 剃って被害者自宅の住所、実名、携帯メール入りでホモ売春を持ちかける為に さらした写真。 775 名前: 少年法により名無し 投稿日: 2007/09/25(火) 20 24 15 0 ピカァはケツウラが怖かった。廊下でフットサルをしながら壁をへこまそうが ガラスを割ろうが何のお咎めもなしの滝川の教師陣は生徒を護るつもりが そもそもないし、 、廊下で肩が触れただけで、無抵抗なひ弱いオタク生徒にのみ全力パンチを顔面に 叩き込み大出血(洗面器一杯位の面積の血が出た)させる、 自分より弱い相手には世界最強のこのサル顔が怖かった。 その横にはこのサル顔のキツネに、上手く操られるトラもいた。 時速143Kmの球を投げる180cm、滝川始まって以来の甲子園出場を 叶える理事会校長期待の星 堤・毛(ていもう)だ。 (学園モノではこういう奴は、止める役じゃねーかよ・・・) クラスの皆が心のうちでツッコむ脳味噌筋肉君だ。 彼の知性には皆が度肝を抜かれる。 初手から悪人ではないが、サルキツネにうまくのせられ、おだてられ、 気が付いたら法に触れる行為をいくつもやって しまい前科物という、 暴力団等によくいる野球ドロップアウターの卵だ。 とはいえ、他のクラスに乗り込んで暴れることもしばしばある、 理由をつけたら凶暴性を発揮する奴ではある。 野球部は夜練習の照明代だけで毎日何万円もつかって許される高校の別格王子だ。 とくに今年は、堤毛の存在によって、切山校長が大興奮していた。 「君は滝川第二(母体一緒の別高校。常に校長が比較される査定ライバル)をさしおいて この私を、違、わが校を甲子園に連れて行くのだ!」「ザス。」 とりあえずこいつを味方につければ滝川じゃ王様だ。 778 名前: 少年法により名無し 投稿日: 2007/09/25(火) 20 29 34 0 このDQNグループは、滝川の進学実績を構成する ひ弱い連中の多いクラスを狙って大声で威嚇し、日常殴りつけている。 他人の首が折れるくらい『タッチだうーん』とどやしつけておいて 相手が抵抗すると「あ?ジョーダンやろが!切れんぞゴルァダヴォ!」の 大学アメフト推薦決定済みの嫌摩河も怖かった。 連中は弱い子を見つけては球技のボールのように思いっきりなぶる。 それは柔道部や少林寺や空手部の連中とは完全に異質の怖さだった。 加えて連中が凶悪になってきた事情があった。それは金だ。 高二ごろから女が出来た連中は、関西槍万が基本的にブランド物を身に着け テレビに出てくるホストみたいな髪とピアス、格好をしたヤンキーを 「イケメン」と定義する。ホステスみたいな格好をした女を「美女」と定義する おっさんの性別逆バージョンだ。だからイケメンを維持するには どんなことをしても金が必要だった。だが、カツアゲは無理だった。 三宮でそんなことをしようものなら、なまじ坊ちゃん学校のチャラ男で 顔を売ってる分、ムラ高等の本当に気合の入った連中に、まともに殺される。 滝川DQNsは、無抵抗の相手にはベラボウに強いが、 強い奴には無茶苦茶に弱いという特性だ。 とにかくハートが弱く対等な喧嘩は一切しないのだ。 身体能力なら実は堤毛は県内最強クラスだろうが基本的に高校球児だ。 外部でカツアゲは無理。東京や大阪、名古屋や福岡の リアルイケメン不良のように、女に貢いでもらえるほどのスペックも無い。 悪事は内側へ内側へ向かった。 782 名前: 少年法により名無し 投稿日: 2007/09/25(火) 20 34 11 0 ピカァは「せやなwおもろい。俺射精やるわ。」 「やりよった!お前ら親友やったんちゃうんか!」 「でや、ライバルに勝った感想は」 勝つもなにも無い。すでに被害者は、四月から 全く勉強など出来る状態ではなかった。もう勝負はないのだ。 「あいつの成績からなにから、全部目茶目茶にしてやるんや」 「理由?そんなもんあるかィ!弱い奴を廃人にすることで俺らの強さを 周りに見セルンはセオリーやんけ。廊下フットサルで壁穴空けて ガラス割るのも一緒や。まともにいったら勝てん カクトウギとかやってる奴らをコレでびびらスンや。せやないと 二千人もおる学校で、睨み効かんやろが!」 「それに、あいつ半キチガイにして売春さしたら、どうなると思う? ホモ少年て、一ヶ月に100万円くらい行くらしいぞ?夏休みまでにそこへ、な?」 784 名前: 少年法により名無し 投稿日: 2007/09/25(火) 20 36 11 0 スパルタ父親に幼児から仕込まれた野球、勉強、女、いろんなもので挫折してる ケツウラの歪んだサル顔がさらに歪む。 どうも笑顔のようだ。 (やっぱり!!!)ピカァの全身に鳥肌が立つ。 「焼きそばパン買うて来い!いうたやろがぃ!」「でもカツサンドって・・・」 「お前またウソついたな!はい、罰金加算!」この調子でバイトまで強要し 放課後も家に入り浸られて、勉強できる受験生がいるはずが無い。 さいごの抵抗心は、両親がいない間に上がりこんだ筋肉DQN軍団が 「お前のかわいい妹、無事で卒業できるとええな」と脅して奪ったという。 この連中は、脅すとき相手の家へ複数で直接押しかける。 それが毎度のことだという事実があった。 もし抵抗でもしたら、俺の家にでもこいつらは来る。ピカァはマジでビビった。 797 名前: 少年法により名無し [sage] 投稿日: 2007/09/25(火) 21 00 19 0 スパルタ父親に幼児から仕込まれた野球、勉強、女、いろんなもので挫折してる ケツウラの歪んだサル顔がさらに歪む。 どうも笑顔のようだ。 (やっぱり!!!)ピカァの全身に鳥肌が立つ。 「焼きそばパン買うて来い!いうたやろがぃ!」「でもカツサンドって・・・」 「お前またウソついたな!はい、罰金加算!」この調子でバイトまで強要し 放課後も家に入り浸られて、勉強できる受験生がいるはずが無い。 さいごの抵抗心は、両親がいない間に上がりこんだ筋肉DQN軍団が 「お前のかわいい妹、無事で卒業できるとええな」と脅して奪ったという。 この連中は、脅すとき相手の家へ複数で直接押しかける。 それが毎度のことだという事実があった。 もし抵抗でもしたら、俺の家にでもこいつらは来る。ピカァはマジでビビった。 テメェは,泣いたっても許さなぇぇ!!!!!!!! 805 名前: 少年法により名無し 投稿日: 2007/09/25(火) 21 18 03 0 高校生男子が同級生に命じられて元親友の、母親の手作り弁当に射精する。 しかも、その友人が全裸で撮られたホモ風写真を握って。 このハードルの高さは、同級生に命じられて母親手作りの弁当に大便するに等しい。 ピカァも既に廃人にされていたといえる。 俺ら捕まりたくないからお前が回収せーや。でないと・・・・ ピカァは思った。(・・・・・俺こそが、本当の人間の屑だ・・・・・) 半分自棄になったピカァは、そのストレスをしかし、お人よしの被害者のみに向けた。 被害者が幼少からのお年玉等を含めた貯金を、とっくに全額使い果たしていたのは知っていたし 介護の仕事をしながらも子供達に手作りの弁当を欠かさない彼の母親のことも二年の時から知っていた。 かわいがっているずーっと年下のとてもかわいい妹のことも知っていた。 その家にDQN連中と上がりこんでいたのだ。 その被害者に、何十回も「カネをだせ!お前どうなるかわからんぞ!」とメールした。 820 名前: 少年法により名無し 投稿日: 2007/09/25(火) 21 32 22 0 被害者は自殺した。 午後の授業はとりやめになり、DQN連中は三時間後にはカラオケボックスで警察の捜査対策会議を急遽スタートした。 堤毛は『俺の甲子園が!』とビビりまくって年長情婦まで呼んだが、方針はシンプルだった。 とにかく作戦はシンプルに。『知らぬ、存ぜぬ、遊びだった』でとおすことだった。 カネは受け取ってない、恐喝は冗談だったで済ますことだった。 オドシ文句に関しては、一切合財「あいつ(被害者)が嘘ついたんちゃいますか!」で済ますことだった。 誰かが落ちても「奴だけがやった。嘘ついたんちゃいますか!」で逃げ切ることだった。 で、裏切り者は5年後でも10年後でも、どんなことしても復讐するからな!と互いにカマシた。 甲子園の掛かった堤毛を、退職金かかった担任を護ったろうやないか!な? (またそれかよお前・・・・)皆がそう思ったのだが、尻裏は全員で一番の小悪党だ。 実際その路線が、学校も仲間も暗黙の了解で最強にまとまるのは自明だった。 829 名前: 少年法により名無し 投稿日: 2007/09/25(火) 21 37 53 0 取材、調査、警察の捜査に関しては、基本は『逆切れ』の方針もこのとき決定した。 『俺はとりあえず毎日真面目にやっとるという雰囲気のブログ書くわ。 無関係路線で。嘘ばっかりの。おまえらもそうせい。少年犯罪のキホンに忠実に(ワラ 自信なかったら事件はスルーして ひたすら日常を日常で書くことや。」 『やっぱり人殺したあとは自分が幸せに生きてこそ完璧やろが(ケラケラ。俺そう書くわ」 さらに、尻裏は予防策を張った。眠れないからと、精神科を受診したのだ。 リタやハルをもらえるかもしれないし、いざとなったらこの受信暦が 保身に役立つかもしれないという作戦だ。 さ らに『俺は精神科かよっとるから、お前らぶっ殺しても楽勝やぞ』という オドシ文句を造るためだ。 九月の誕生日で18歳になったが故に、少年法が身から離れた境遇では、保身はマジ最優先だった。 886 名前: 少年法により名無し 投稿日: 2007/09/25(火) 22 17 59 0 被害者のお通夜の日に、十歳になったケツウラ弟には、これ以上舐められたくない。 先日も甲子園市内の少年野球大会で優勝したチームに所属する父と弟。 完全プロ志望の弟は、野球を辞めてチンピラになった兄を完全に軽蔑している。 勉強も野球もスゴイお兄ちゃんは、いまや遠い過去の存在だ。 逮捕されたら、今でも家庭でリタイア気味の俺は、完璧に居場所が消滅する。 『闘志無き者は去れ!』そういう家庭だった。 勉強もそれなりにはした。自分の資質では限界までやった。 アタマだってかなりいいほうだと自信はある。 だが高校受験はスポーツと勉強の二兎を追って失敗した。 学がない親父の言うとおりにしたのが根本的な失敗やったと、思う。 バレーは野球で在学中にレギュラーは不可能とわかった自分の もてあました身体能力の行き先としては割と楽しかった。 ジャンプ、アタック、身体能力自体では、バレー部の誰にも負けないからだ。 だが、しょせん途中参加者。バレーという競技に最適化された 『バレー脳』が無かった。野球だったら甲子園。バレーでもインターハイという 成果至上主義の父親からは、実績を無視された。10歳近く歳の離れた弟も残酷だった。 サッカーもさらに困難。暇つぶしでドロップアウターの多いといわれるフットサルに 先輩に誘われて参加した。先輩はいい人だ
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テーマ:いじめ問題について 進行役:ミナコ♂(22歳、研究生という名の浪人生) ※放送内で出たコメントは全て『』で、進行役の解説や注釈については()で統一しております。 ※進行役・参加者のコメントの誤字・脱字等は極力修正しております。 ★テーマ説明 今回のテーマ:いじめの現状・いじめの原因・いじめ対策 対象者:小中学生 論争の前提:いじめは絶対になくならない・いじめは(考え方の程度こそあれ)「よくないもの」である 論争に先立って、前もって論争用の資料をNNDCコミュの掲示板に掲載した 以下、資料一覧(↓) Wikipediaより、いじめ、ネットいじめに関する簡単な概説 http //ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%84%E3%81%98%E3%82%81 http //ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E3%81%84%E3%81%98%E3%82%81 文部科学省、平成19年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」報告書 http //www.mext.go.jp/b_menu/houdou/20/11/08111707/002.pdf 文部科学省、平成20年発表「ネット上のいじめ」に関する対応マニュアル(学校・教員向け) http //www.mext.go.jp/b_menu/houdou/20/11/08111701/001.pdf いじめ問題に取り組んでいるNPO2団体(具体的な実態・解決策などの参照) http //mamoro.org/index.html http //ijime-0.com/ 奈良教育大学の先行研究「いじめ問題解決への教育的支援」 http //www.nara-edu.ac.jp/CERT/April07/html/index.html 教育再生会議有識者一同による「いじめ問題への緊急提言」 http //www.kantei.go.jp/jp/singi/kyouiku/houkoku/siryou1129.pdf ★いじめの現状(1) まず、先に挙げた資料(平成19年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」報告書)を用いて、昨今のいじめの数的な現状を説明した いじめの発生件数は、平成17年度では小学校で5,087件だったのが、平成18年度では60,897件と激増している これは、平成18年度から調査方法を改めたこと、及び、発生件数ではなく認知件数として数字を出していることが原因であると考えられる しかし、この調査方法に関しては、文部科学省側では「情報の漏洩」を理由に回答を拒否している このことに関し、参加者からいくつかの意見が寄せられた 『なーんか急速に跳ね上がってるね。』 『真実を表してはいないのだろうね。』 『いじめの隠蔽してたけど隠し切れなくなったと見る』 『たぶんなその(資料上のいじめの発生件数が)少ない時期…学校の隠蔽工作が横行した年だぞ』 『(激増の理由は)調べ方が変わったのと隠蔽工作の両方だな』 『発生件数と認知件数の換算がわからないと、どうにもならないね。』 『いじめ自体が主観的な感覚だから完璧な客観的データにするのは難しいだろうな』 と、このように激増に関して関心寄せる参加者・発生件数の少ない時期の隠蔽を示唆する参加者・データ自体の信頼性の立証の困難さを指摘する参加者と、3通りの意見が主だったものとしてここでは挙げられる ★いじめの現状(2) 次に、「現代のいじめは昔と違い陰湿である」という推測を提示した上で、現代のいじめに関するイメージを参加者に尋ねる試みを行った 結果、以下のような意見が返ってきた 『ネットいじめは最近だね』 『学校裏サイトか!』 『(今と昔で)変わらんのと違うか?(いじめの)陰湿さ』 『ネットいじめがオンタイムじゃなくてよかった』 『手段はネットが増えたくらいであんまりかわらんだろうな』 『やることがきたない』 『最近のいじめは、いじめ以前に「犯罪」であることが多い。逮捕しろよ』 『知らないだけで昔も陰湿なのあったろ』 『うちの頃は学内だけど、今はネットがあると広がるぞ』 『本人の前で直接やらずに裏でコソコソやるような奴が多い』 『「なんとなく」とか「存在がうざいとか」でいじめられた中学生のころ』 『中傷サイトを作ってる話を聞いたことがある』 このように、インターネットの普及によってネットいじめは発生したが、それ以外はある程度の陰湿さこそあるものの、昔と変わらないような印象を受ける意見が目立った ここで、いくつかいじめの定義についての質問が出たので、文部科学省の定義(1985年のものと、1995年のもの)を紹介した 1985年の定義 1.自分よりも弱いものに対して一方的に、 2.身体的・心理的な攻撃を継続的に加え、 3.相手が深刻な苦痛を感じているもの。 4.“学校としてその事実を認識しているもの” 1995年の定義 1.自分よりも弱いものに対して一方的に、 2.身体的・心理的な攻撃を継続的に加え、 3.相手が深刻な苦痛を感じているもの。 4.個々の行為がいじめに当たるか否かの判断を表面的・形式的に行うことなく、いじめられている児童生徒の立場に立って行う。 上記2つの定義を比較すると、1~3までは同じだが、4が明確に違っている 具体的には、前者はいじめの判断を行うのは「学校」だが、後者では「当事者である児童生徒」となっている点である これは、過去のいじめ隠蔽(学校ないし担任が黙認した)問題が起こったことを考慮して、いじめの判断をいじめられている側に委ねた、ということであると考えられる これに関しての意見が、以下である 『4wwwww』 『「自分よりも弱いもの」ってどう定義するのさ』 『出る杭は打たれるという日本に特有な幼稚な国民性』 『その4がさっきの「発生」という意味なのか』 『1~4全部曖昧やなw』 『出る杭だけでないのが今の現状』 『言ったもん勝ちかよ』 『いじめの定義なんて曖昧でないといけない』 『なんかいじめられてる側の感覚無視して国もてきとーだよね』 『個別の定義は難しいから、定義を広く取ってもいいと思うけどね』 『(定義が)完璧になってしまったらそれをはずれたものがいじめでなくなってしまう』 ある程度の予想はしていたが、やはり定義自体の曖昧さや、後者の定義の「極端に言えば言ったもの勝ち」の内容に違和感を覚える参加者が多かった また、ここでいじめの原因に関するやり取りが目立ちだしたので、議題の変更を行った ★今のいじめの原因って? 『いじめより面白い遊びがないから』 『(いじめる相手の)容姿』 『俺の場合対象者がウザったい、団体じゃなくて個人だが』 『イジメは暇つぶしに過ぎません』 『学校での閉鎖的空間の個性の弾圧』 『ちゃんと親に愛されてこなかった』 『いじめする本人が何かしらのストレスをかかえてる』 『空気読めない、とか』 『授業のストレスとかじゃないかな』 『ストレス発散程度の意識しかないと思う』 『優越感の暴走です』 『やっぱり親のしつけもある』 『心体的に幼いんだろう』 『変化のための通過儀礼』 『人をいじめることで、自分の位置を見出すんかな』 『コミュニュケーションが重要視されすぎる特殊な環境』 『学校という空間の密室の中のカオス』 『いじめは、性欲的なものサディステック的なもの』 『スクールカーストの形成とかかね』 『いじめられる方が原因もあると被害者は認識しなければならない』 このように、多数の意見が寄せられたが、これらを吟味していくと、大別して4つのパターンに分類が出来る ①些細な理由(暇潰し・なんとなく・ストレス発散) ②いじめる側の環境の不満に対するはけ口(家庭・学校etc) ③いじめられる側に原因がある ④その他(スクールカースト・性的サディズム) ここで、両者(いじめる側・いじめられる側)比較を行う為、議題を変更した ★今のいじめ「られる」原因は? 『異端者』 『顔』 『身の程しらずかな』 『やりかえさないから』 『オタク』 『場に水を差す』 『容姿です』 『理由はなんでもいい』 『性格が悪いから』 『気持ち悪いから』 『空気をよめるかどうか』 『(いじめ発生)初期にやめろと(いじめられた側が)言わないからエスカレートする』 『顔・勉学・スポーツ・性格・長所が無い』 『今も昔もかわらん、弱いものを叩くことで身を守る』 『へたれがいじめられるよね』 『反発ができない、しない』 『協調性の無さ』 『そうそう理由はなんでもいいんだよ』 『貧乏な人』 『理由なんてしようもないことなんじゃないかな』 『実際いじめられる性質のやつって居るんだよね』 『性格・コミュ力も無く行動がうざったい』 『容姿の捉え方は人それぞれだから、それも「なんとなく」に還元されるんじゃない?』(この解釈は個々人に委ねられる) 先程と同様に、これらの意見も吟味すると大別が可能である ①個人の形質(中でも容姿・挙動・趣味など) ②抵抗の無さ ③弱者 ④「なんとなく」という無作為(いじめられやすさに関係?) 上記のうち、①~③までは明確な原因であると言えると考えられる そこで、④に着目し、いじめられやすさ、及びその反対のいじめにくさについて議論を進めることにした ★いじめやすい・いじめにくいはある? いじめやすさについての意見 『いじめられる奴は、おおむね弱い!』 『弱い奴はいじめやすい』 『大人しい子』 『反抗しない』 『消極的な人』 『反応がわかりやすい』 『仲間が少ない子』 『当たり前のことが出来ない』 『人気者になる武器を何ももってないやつ』 『子供の時苛められたけどナゼか未だにわからない』 いじめにくさについての意見 『でかい・つよい・こわい、いじめられないと思う』 『加害者は被害者を売名させるためにいじめる』 ご覧の通り、いじめやすさについての意見が圧倒的に多かった これは、発言の流れを見る限り、(いじめた側で)いじめ経験のある参加者が多いように思われ、その結果いじめた側が「何故自分がいじめられなかったのか?」という振り返りを行っていないからであると考えられる 同様に、いじめた側の多い人間が多いということは、いじめた対象の特徴をある程度は捉えているはずであり、それがいじめやすさ側の意見に反映されているのではないか、と進行役は考えている ここで、「いじめた理由に関して知りたい」という意見があったので、話をそちらに進めることにした ★いじめた側の意見(何故いじめた?) 『やっぱり優越感だった、自分に自身なかった』 『全体で一人をいじめると、物語に乗っかってればいいから楽なんじゃない』 『まわりがいじめてたから』 『いい気になってる奴をへこませるとかw面白いから』 『自分の立場が高くなる優越感』 『自分がいじめられないため』 『むかつくからいじめた』 『そいつ以外の奴との仲間意識』 『いじめられたくなかったから』 『自分がいじめられる側になりたくないから』 『充実した人生送ってないと、人と向き合う力に乏しくなっていじめるしか方法がわからなくなるんじゃないかな』 『楽しいから』 『おもしろかった&話題のネタになった』 『小2のときはいじめだって気づかないでやってたかも』 『自己防衛』 『いらやがらせしてくるから』 『いじめることが、楽しいから』 『うん。やっぱりイジメは楽しいよ、しょうがないじゃん』 『他人を虐げることで、自分の優位性を高めるんだ。それが目的。』 これらを大別した結果、以下のパターンに分類された ①優越感 ②いじめられたくない、という恐れ ③面白い・楽しいから 次いで、いじめられた側の意見を聞いてみた ★いじめられた側の意見(何故いじめられた?) 『成績が良かったから』 『なんとなく?』 『背が小さかった』 『気に食わなかったから』 『相手に気に食わない行為などをしたから』 『全体の空気について行けなかった』 『根暗だったから』 『理由はわからない…』 『理由を探して改善しても、他に理由つけられると悟った。』 『おとなしかったからかな?』 『平均的じゃないからかな』 『出る杭、出なさすぎな杭が叩かれるんだな』 意見を見る限りでは、いじめられた側の意見は少数ではあるが、少なくとも自分達が周りから浮いている、という感覚を持っていたように見受けられる この意見は、先の「いじめやすさ」に関する意見と比較して、一定の整合性を保っているので、少なくとも、この場では次のことが言える ①いじめの対象者は、周りから阻害されている ②いじめの対象者は、何かしら周囲の平均(普通と置き換えればいい)から浮いている ③この場では少数ではあるが、いじめられた側はその理由を分かっていない ここで、これらの確認の為、進行役が参加した研究会で出た言説を発表した ★今のいじめの原因=平均(らしきもの)からの差異 『子どもの頃の普通、は今思うとだいぶおかしかったw』 『ヲタケンとか江頭は平均じゃないのに好かれてるよ』 『クラスの空気に違和感を感じる奴ってこと?』 『その通りだと思う。気に障るものが、いじめの対象。人は文句を言いたいもんだ。』 『おおよその平均ね、理解できる』 『その平均を決めてるもの=いじめっ子』 『それぞれのクラスの中に子ども達が考える平均があると思う』 『クラスの大多数の子と違う子がいじめにあう』 『ポピュリズムから乖離したもの=いじめられっ子』 『ごく普通の子がいじめられる可能性もなくはない』 一部「平均って何?」という意見も出たが、その場その場で作られる「平均らしきもの」がこの場での指針であるので、ご了承いただきたい 個性の特異さを理由に好かれている人間については、上記の『人気者になる武器を何ももってないやつ』という意見を考慮すると、その個性を持っているから、平均から乖離していても(少なくとも、今現在は)いじめの対象ではない また、「不良も平均から離れている」という意見があったが、不良の個性を考えると、概ね「暴力的・怖い・関わらない方がいい」という類のものに集約されるので、報復の可能性のある個性や、暴力による反応が予想される個性は、いじめの対象にはなりにくいのではないかと推測される ここで、同じく研究会で取り上げられた昔のいじめの原因についても説明を行った ★昔のいじめの原因=格差・差別・貧困 『今もよく聞くワードだなwww』 『自分より弱いものに攻撃するってことだな』 『社会的な弱者か』 『今は逆差別でしょw』 『地域差別は結構あるね』 『人間の本能に従って行われるものと、時代が抱える問題から起こるものとで分けて考えた方がいいかも?』 『でも、昔の原因では、まだ、希望が持てる気がする。』 『虐められる原因が常に変化してるから、そら虐めは無くならんわ』 『昔の原因+新しい原因=現代の原因だな』 『どーわの差別って、高年齢化してるでしょ』 進行役自身の考えだが、今のいじめの原因と、昔のいじめの原因を比較すると、昔の方が原因自体にある程度明確な理由があるように思われる つまり、社会的弱者がいじめの対象として、いじめられやすかったのが昔の世相であると考えられる しかし、今のいじめの原因が昔のそれと比較して、全くかけ離れているとは言い難く、やはり連続性の中で発生したその都度のいじめの原因に、新しい文化・考え方・価値観が加わり、今のいじめがあるのではないだろうか ここで、タイムオーバーの為、次枠から違う視点で考えることを試みてみた 第29回ニコ生論争(いじめ問題について) 2/2へ進む
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「ふたば系ゆっくりいじめ 36 なか/コメントログ」 いいねぇ ぶっ飛んでるぜ -- 2010-07-31 16 09 29 母親を入れてやるんですね。 分かります。 -- 2010-08-24 15 19 26 スカルファックかwww -- 2011-03-09 22 16 00
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注意 「」はゆっくりの発言です。 『』は人間の発言です。 ゆっくりが死にはしませんが、ひどい目にあいます。 独自設定があります。 「ゆっくりめをさますぜ。…ゆ?」 ゆっくりまりさは目が覚めた。そして周りを見渡す。 見たことがない場所だった。コンクリート打ちっぱなしの床、壁、 そして壁の大人のゆっくりでも届かないところに窓がある。 窓とは反対の方向は人間が座る用の椅子がある。 そしてその向こうには曇りガラスのずらすタイプの扉がある。 この景色にまりさには見覚えはなかった。 「ゆっくりめをさますよ。…ゆ?」 番であるゆっくりれいむが起きたようだ。 「れいむ ゆっくりしてってね!」 「ゆっくりしてってね! ここはどこなの?」 「わからないぜ。」「おちびちゃん どこなの?」 まりさたちは周りを見渡しおちびちゃんを探す。 いた。子まりさと子れいむ。生存している2匹の子供も近くで寝ていた。 よくみると自分たちの下にはバスタオルが引かれていて冷たくはない。 一安心するまりさだが、次に考えたのは「自分たちがなぜここにいるか」である。 昨日の夜は、家族と公園の片隅の段ボールのおうちで、 「ゆっくりおやすみなさ~い」 をしたはず。それがなぜ? 「「ゆっくりおきるじぇ(よ)。…ゆ?」」 二匹の子供も両親と同じような反応をする。 ここがどこだかわからないのだ。 季節は初春。春とはいえ、外である公園は寒い。しかしここは暖かい。 そしてタイル張りと曇りガラス。 まりさは餡子の奥にある記憶を引っ掻き回す。 「! もしかしたらここは…。」 「にんげんさんの…」 「「ごはんしゃんがあるのじぇ(よ)!」」 子供たちの視線の先には、たしかにお皿の上に乗ったゆっくりフードがあった。 一目散に駆け寄る子供たち。後からついていく両親。 少し警戒をする両親、だがお腹の空腹には勝てない。 「「「「いただきまーす むーしゃむーしゃ…しあわせ~」」」」 久々に食べた生ゴミでも雑草でもない食事に舌鼓をうつ親子。 「ゆゆゆ もうなくなっちゃのじぇ…」「ごはんしゃんいじわるしてないででてきてにぇ~」 しかし、その量は決して満足できるものではなかった。 「おちびちゃんたち ごはんさんはここまでだよ」 多くはなかったとはいえ、久々の安定した環境下での食事後に、 まったりとする両親。二匹はこの場所がどういう場所であるかを確信していた。 「「きょきょを まりしゃ(れいみゅ)たちの ゆっくりぷれいすにするのじぇ(よ)」」 親二匹の考えは子二匹の宣言で中断された。 「ちょ ちょっとまつのぜ おちびちゃんたち」 「そ そうよ ここは にんげんさんの ゆっくりぷれいすよ」 「にんげんさんの?」 親たちの考えはこうだ。 ここは人間の家。自分たちがここに入った記憶がないっていうことは、 自分たち一家はここの家の人間に拾われたということ。 そして飼いゆっくりになったのだと。 ただ、人間の家でおうち宣言をしたゆっくりがどうなるかは 昔から嫌というほど話を聞いていた。 「にんげんさんの おうちで おうちせんげんは ダメなんだぜ」 「どうして?」 「それはね…」 そこで曇りガラスの扉がガラガラと空く音がした。親子は扉の方を見る。 そこには一人の人間の青年が立っていた。 「「きょきょはまりしゃ(れいみゅ)たちの ゆっくり…むぎゅ」」 青年に早くもテンプレ発言をしようとした子供たちを抑え、 親たちは青年の前に移動する。 「まりさたちを かいゆっくりにしてくれて ありがとう。」 昔の癖で人間の前だと、話し方を変えるまりさ。 「すみません おちびちゃんたちは まだあまりにんげんさんに なれていないので」 すると青年は 『いやいやいや、僕は飼い主じゃないよ』 とにっこり笑いながら右手を振る。その笑顔はとてもゆっくりしているように見えた。 「「ゆ?」」 『えっと、そうだなぁ。僕はお客さんといったところかな。』 青年は左手で自分の顎を触りそう答える。 『さて、おちびちゃんにはお近づきの印としてあまあまさんをあげよう。』 というと青年はポケットからお菓子の袋を出し、子供たちにお菓子を与えた。 「「あまあましゃーん!」」 子供たちはよろこんで食べ始めた。 「「むーしゃ、むーしゃ、にゃんだきゃにぇみゅい…zzzzzzzzz」」 子供たちは眠りに落ちた。両親にはわからなかったが、青年があげたのはラムネである。 「お おちびちゃん!?」 『安心してくれ、毒じゃない。ちょっと眠ってもらうだけだよ。さて、僕は君たちに話をしに来たんだ。』 青年はそういうと人間用の椅子に座る。 『僕と話を聞いてくれたら…』 青年はそこで言葉を区切ると持っていたリュックサックから何かを出す。 『おいしいあまあまさんをあげよう』 それはゆっくりフードの箱だった。箱は金色に輝いている。 「ゆゆゆ! あれはきんいろのゆっくりフードさん!」 れいむが驚く。 「知ってるの? れいむ!」 「にんげんさんが たべさせてくれる フードさんのなかで いちばんしあわせーできる フードさんだよ でもれいむはまだたべたことないよ」 れいむが答える。 『よく知ってるね。』 青年は感心する。まりさも番を褒められて悪い気はしない。 『さっきの僕への対応でも思ったんだけど、もしかして君たちはもと飼いゆっくりだったのかい?』 「「ゆゆゆ! どうしてわかるのぉ!?」」 まりさとれいむは、また驚いた。 青年の指摘通り二匹は金バッチの飼いゆっくりだった。 しかし同じ家で飼われていたわけではなく、隣同士で飼われていた。 二匹とも家の外には出られなかったが、晴れている日には庭で遊ぶことができた。 ある日、まりさは隣の家への金網がほつれていて隣の家の庭にいけることがわかり、 探検がてら庭に行ってみる。 そこには見た目麗しき美ゆっくりがいた。それが今の番のれいむだった。 「それは うんっめいっのであいだったよ!」 まりさは鼻息(?)を荒くして語る。 まりさはれいむに一目ぼれし、それから家人には内緒でちょこちょこと遊びに行った。 ところでこの二軒の家、仲は良くなかった。 それはペットであるゆっくりたちにもわかるほどだった。 二匹は憂えた。そして二軒の仲を良くするための方法を思いついた。 二匹はある日、まりさの家の人にれいむの額から生えたおちびちゃんたちを見せた。 これでまりさの家の人はゆっくりする。そしたら次はれいむの家の人をゆっくりさせよう。 そうすれば二軒の家の人たちは仲良くできる。 『でも、人間は理解してくれなかったわけだね。』 青年は腕を組んで残念そうにいう。 結局2匹そろって捨てられることになった。 おちびちゃんが生まれるまで家の倉庫に居られたのは、家人のせめてもの情けだったに違いない。 そのあとは野良落ちし、公園で生活をはじめるも野良生活に慣れていなく、 はじめは5匹いたおちびちゃんも2匹になってしまった。 まとめるとこういった話なのだが、ゆっくりの話だ。そんなに上手く伝えられるはずもなく、 たくさんの時間もかかったのだが、青年の誘導もありなんとか伝え終わった。 おちびちゃんはというと、まだすーやすーや眠ったままだ。 『なるほどね。君たちはおちびちゃんでそれぞれの家を仲良くしようと思ったんだね。 君たちはゆっくりのロミオとジュリエットだよ!』 青年は目をきらきら輝かせる。 「ろみおさんとじゅりえっとさん?」 『お話の世界だけど、人間でも君たちと同じようなことをした人たちがいるんだよ。 まあ、最後は悲劇だったんだけどね。…さて、今度は僕の話を聞いてもらおうか。』 青年はリュックの中からお茶のペットボトルを取り出すと、キャップを開けて一口飲む。 『君たちは、“愛で派”と“虐待派”って知っているかな?』 「まりさは ならったことあるよ ゆっくりにたいして かわいがってくれるにんげんさんと いじめてたのしむ にんげんさんのことでしょ?」 『そうだった。君たちは元飼いゆっくりだったね。 その“愛で派”なんだけど、ゆっくりを飼いたいが、 お家が、ゆっくり禁止のアパートだったり、ゆっくり嫌いの人間と同居していたりと いろんな理由があって飼えない人がいる。 そういう人たちのために、ゆっくり達と触れ合える場所があるんだ。』 ここで青年はまたお茶を飲んだ。 青年の話をまとめるとこうである。 「ゆっくりカフェ」 ここは、“愛で”派でゆっくりを飼えない人がゆっくりと触れ合えるゆっくりプレイス。 来店したお客が好きなゆっくりを指名し、一緒にお菓子を食べたり、遊んだり、おしゃべりしたりできる。 場所代はかからず、料金がかかるのは自分の飲む飲み物と、ゆっくりに与えられるお菓子類なんかだ。 この話を青年はゆっくりにもわかりやすく丁寧に教えてくれた。 「おにいさん ゆっくりかふぇさんには れいむはいるの?」 れいむは尋ねる。 『ん~、残念ながら普通のれいむ種やまりさ種なんかはいないね。 胴付きれいむなら見たことあるけど。』 青年は残念そうに答える。 基本種でいるのは少し珍しいちぇん種や、ゆっくりにしては頭がいいばりちゅりー種である。 しかし人気はにとり種や、もこう種、ちるの種などの希少種なんだそうだ。 キモカワイイの評判のきめぇ丸、 じゃおーんしか言えないが人懐っこいめーりん種も人気と聞いてまりさは少し驚いた。 ゆっくりの中での人気と違っていたからだ。 「ゆっくりかふぇさんでは みんなゆっくりしているの?」 というまりさの問いに、青年はちょっと考えて、 『ま、大体ね』と答えた。 『今度は“虐待派”の話だ。』 “虐待派”は“容認”はされているが、“歓迎”はされていない。 “虐待派”であることは、おおっぴらに世間に公表できないのである。 就職面接で、「私はゆっくり“愛で派”です。」といえば、 同じ“愛で派”の会社の人と話が合うかもしれないが、 「私はゆっくり“虐待派”です。」といっても、 「いやあ、実は私もなんだよ。」なんて言ってもらえるわけはなく、 ドン引きされて試験も落とされるのがオチである。 せいぜい入社した後の同期の飲み会なんかで お酒の勢いに任せてカミングアウトすれば、 「俺も俺も」って言ってくれる人がいるかもしれないといった程度だ。 虐待も大変である。 まずは場所。ゆっくり達の中身で場所が汚れてしまう。 これらはシートを引くなどすれば少しは軽減できる。 次に騒音。赤ゆぐらいなら環境によっては問題なかったりするが、 成体ゆっくりの悲鳴は防音の環境でないと隣の家まで響いてしまう。 そして処分。終わったあとのゴミをゆっくり専用のゴミ入れに入れなければいけないが、 これが意外とめんどくさい。 そして掃除を完璧にやらないと虫が寄ってきて大変である。 ふき取り忘れの餡子に蟻がたかり、うわぁぁとなってしまう。 虐待用具をそろえるのもお金がかかる。 これも青年がわかりやすくまりさ達に説明した。 ここでまりさは違和感を感じた。体の中枢餡をちくっと刺されたような感じ。 (にんげんさんは なんでこんなはなしをするんだぜ?) 社会的地位のある人、教師などの虐待派がバレると名誉が傷つく人もいる。 “愛で派”と同じように虐待できる環境にない人もいる。 虐待してみたいが、どうしたらいいかわからない人もいる。 『そんな人たちのためにあるのが、通称「ゆっくりハウス」なんだ。』 青年は語る。 ここではもちろん秘密厳守。 入り口で受付しお金を払い、部屋に案内される。中には、ゆっくりがいる。 そのゆっくりをどうしてもいいのだ。 まりさの違和感は徐々に大きくなっていく。 それは既に違和感というよりは悪夢の予感というべきか。 『料金はゆっくりの数や種類なんかで決まるけど、親二匹子二匹の平均的は家族の値段は8000円だ。』 そこで青年は一呼吸置く。両手で隠している口元が歪んだ、気がした。 『君たちは10000円だった。』 「え? どういうこと? いちまんえんさんって?」れいむはわかっていないようだ。 まりさは言葉を出すことができなかった。 『平均よりも少し高いんだよ。なぜだかわかるかい?』 「ねえ しかとさんはゆっくりできないよ。」 「……」 まりさは答えられない。 青年はれいむの発言を無視して話を続ける。 『お店がお客のニーズに合わせて、どんなゆっくりがいいか決めてくれるんだ。 ゲスなゆっくりを制裁したい人、善良なゆっくりを虐殺したい人、 希少種を虐殺したい人なんかもいる。まあ、希少種は値が張るけどね。』 そして青年は壁をペタペタと触る。 『この壁だと壁や床に餡子やクリームがついても丸ごと水洗いできるんだ。 もちろん洗うのはお店の人だけどね。』 「にんげんさん さっきから はなしが…」 そんなれいむの発言を遮って、まりさが口を開く。 「にんげんさん もしかしてここは ゆっくりハウスさんなの?」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 青年はまりさの発言に驚く。 『その通りだよ。まりさ。』 青年はまさかゆっくりの方からそう言ってくるとは思わなかったのだ。 『素晴らしい、素晴らしいよ。この時点でわかるなんて、まりさ君はなんて頭がいいんだ! さて、ここで僕は宣言する。君たちが僕に襲い掛からない限り、僕は君たちに危害を加えない。』 ここで青年はれいむの方を向いた。 『れいむ、君にも説明しよう。ここは人間が君たちゆっくりをいじめて殺す。そんな施設さ。 もっとわかりやすくいうと、君たち家族はえいえんにゆっくりする。 すぐにではないけど、おそらく今日中にはね。』 「お おちびちゃんも?」 流石にれいむも状況がわかったようだ。とはいえ、ゆっくりとしてはこれは平均的だろう。 『うん、そうだね。』 「どぼぢでーーーーーーっ」 『あんまり大きな声を出すと、おちびちゃんが起きちゃうよ。 それともこの話、おちびちゃんにも聞いてもらうかい?』 「おにいさん それはおちびちゃんがゆっくりできないから やめてね。」 『まあ、僕がわざわざ起こすことはしないよ。…そうだな。』 青年は一旦虐待ルームから外に出るとあらかじめ置いてあったモノをとってまた戻る。 青年は右手で持っていた、虐待グッズの基本である透明な箱(Sサイズ、防音仕様)を 床に置き、ラムネですやすや眠っている2匹の子ゆっくりを起こさないように 慎重に透明な箱の中に入れ、蓋をしめる。 さらに、透明な箱(Lサイズ)を床に置き、その中に親ゆっくり二匹と子ゆっくりが入った 箱も入れる。ただ蓋は開けたままにしておく。 「おちびちゃんになにをするの!?」れいむが抗議の声をあげる。 『いや、おちびちゃんが起こさないように、音が聞こえない箱の中に入れてあげたんだよ。』 青年は説明した。 「れいむ おにいさんは まりさやおちびちゃんに ひどいことはしないっていってくれから だいじょうぶだよ。』 『危害を加えないって言ったんだけどね。まぁいいや。』 青年は、2匹の目の前に扉の外から持ってきたものを置いた。 また、リュックの中かられいむ種のぬいぐるみを取り出す。 『さて、ここにあるのは皆、君たちのあんよさんを動かなくさせてしまうモノだ。』 青年はチャッカマンを取り出し、火をつける。 「ゆゆゆ ひさんはゆっくりできないよ」 子供を起こさないようにか、まりさが小さくつぶやく。 青年はぬいぐるみの持ち上げ、その底部にチャッカマンを当て『カチッ』と口で言う。 『こうして念入りに足を焼いてしまうと、君たちは動くことができなくなってしまう。』 「ぬいぐるみさんが いたがってるよ やめてあげてね」 同じ種のぬいぐるみだからか、れいむがぬいぐるみを労わる。 『本当に焼いてるわけじゃないってば。…次だ。』 今度はホットプレートを二匹の前に出す。 『これもさっきのと同じように、君たちのあんよさんを動かなくさせてしまうようなもんだ。 ホットプレートさんだよ。』 ホットプレートのスイッチをひねる。もちろんコンセントを入れてはないので温度は変わらない。 また、さっきのぬいぐるみを持ち上げ、ホットプレートの上で押しつける。 『ジューーーー。ジューーーーー。』青年は口真似をした。 ぬいぐるみを細かく揺らす。 『あじゅい! あじゅいよ! あんよさんがあじゅいよー!』 青年はゆっくりの物まねをしながらぬいぐるみを押しつける。 「おにいさん ほっとぷれーとさんがゆっくりできないのはわかったからやめてね」 今度はまりさがいう。 その声はもちろん青年には届いている。だが、 『あじゅいよ! いちゃいよ! やめてね! やめてね!』 青年は続ける。そしてホットプレートからぬいぐるみを離すと床に置く。 その場でぬいぐるみを左右に揺する。 『あんよさん! うごいてねっ! ゆっくりしないでうごいてねあんよさん!!』 ちらっとゆっくりの方に視線を動かすと、れいむはおそろしーしーをしている。 「おにいさんもういいよ! ゆっくりしないでやめてね!」 まりさは顔を振って懇願する。 『その質問に1回だけ答えるよ。断る。…だけど、実際に君らを虐待はしない。 安心してくれ。さて、君たちのあんよさんを動かなくさせるのはこれだけじゃない。』 青年はそれから部屋にある虐待道具を、ぬいぐるみに虐待する振りをしながら説明をした。 聞きたくない音は人間だったら、手のひらで耳を覆うなど何かしらの対抗手段を取れる。 だが、ゆっくりには耳がない。全身で音を聞いているともいわれている。 だから聞きたくない音への対抗手段は遠ざかるしかない。 しかし、親ゆっくり2匹は透明な箱で囲まれているので逃げる手段もない。 青年が一通り虐待道具を説明し終わった時、 れいむは青年と反対方向を向いていて、顔の下にはしーしーと思われる液体がこぼれていた。 動いていないところをみるとまた気絶してしまったのかもしれない。 このれいむは先ほども餡子を少し吐いて気絶してしまったが、 青年によって餡子を口の中に入れられ、オレンジジュースで強引に回復させられた。 まりさは帽子を目深にかぶって視界を消しているが、しーしーは漏らしていないようだ。 『君たちゆっくりがこの世界で見つかって、一番売れるようになったものは何かわかるかい? オレジンジュースだよ。今ではソフトドリンクで一番売れているそうだ。 他にもホットプレートやチャッカマン、鉄串などの売り上げも急上昇したそうだ。 これらを作っている企業はウハウハなんじゃないかな。 そこの企業で働いている人は、とてもゆっくりできることを君たちに感謝しているかもしれないね。』 青年はもはや何のリアクションも示さない親ゆっくりに向かって語る。 『さて、君たちがこれからどうなるか教えてあげよう。 僕がこの部屋から去ると、次にこの部屋に人間さんがやってくる。 だけどこの人間さんはゆっくりハウスの人で君たちには危害を加えない。 君たちの様子を見に来るだけだ。そのあとは少し間があくだろう。 そのあとに来る人間。彼らは君たちを虐待するつもりで来る。 その時が君たちのゆん生が終わる時だ。…ここまで話を聞いてくれたお礼だ。 約束通りさっきのおいしいゆっくりフードさんをあげよう。』 青年は横に置いてあった、ゆっくりフードヘブン味の袋を開ける。 「おにいさん おねがいがあるよ」 まりさに声をかけられた。 『なんだい?』青年は手を止めてまりさの方を向く。 「まりさとれいむは しかたないけど おちびちゃんはたすけてほしいよ」 (まあそもそも何が仕方ないのかわからないが、いいところをつくな)青年は思う。 たしかに、ゆっくりハウスで処置を施し、自宅に持ち帰って放置したり、 公園の野良に制裁させたりするためにゆっくりの持ち帰りはOKである。 だから、おちびちゃんだけじゃなくて家族そのまま持ち帰ることはできる。 『あー、それはダメなんだわ。僕は実家暮らしだし、親がゆっくり嫌いだから。 ここから連れ出してほしいっていうなら聞かないことはないけど、 そのままゆっくり用ゴミ箱に入れるだけだよ。どっちがいい?』 青年がそういうと、まりさは深くため息をついた。 「…おちびちゃんは まりさたちといっしょでいいよ」 『んじゃ、先にれいむを起こすかな。また気絶してるかな?』 青年がれいむの正面に回るとれいむは餡子を吐いて再び気絶していた。 青年は先ほどと同じように、餡子を口に押し込みオレンジジュースで起こす。 「ごべんだざいごべんだざいごべんだざいごべんだざい。」 何故か知らないが、れいむはいきなり謝り始めた。 『いやいや、君たちは何も悪いことはしてないから。落ち着いてね。』 青年は手を振る。 「れいむ おにいさんのはなしは おわったからだいじょうぶだよ。」 まりさはれいむの頬に頬を寄せすーりすーりする。 「ううううううううううぅぅぅぅぅぅ」 れいむは震えている。 『さて、今度はおちびちゃんに目覚めてもらうよ。』 青年は子ゆっくり二匹が入っている透明な箱を開けると、 寝ている二匹をタオルの上に置き、気付けがわりにオレンジジュースを一滴ずつ垂らした。 「ゆ? ゆっくりおはようだよ。」「ゆ? ゆっくりおはようだじぇ。」 二匹に目覚めるが、隣で震えている母親に驚く。 「お おかーしゃん ゆっくちちてね ゆっくちちてね」 二匹は泣きながら母親をぺーりょぺーりょする。 青年はそんなゆっくりたちに構わず、ゆっくりフードを開け、お皿の上に載せる。 『ここにフード置いておくよ。ということで僕はここで帰るから、後は家族でゆっくりしてってね。』 青年は「ゆっくりしてってね」の声を背に部屋を後にした。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― (今回はまた新たな楽しみ方ができたな。) 青年は帰りの電車で回想する。 青年がゆっくりハウスを利用するのは3回目であった。 1回目は、要領が良くわからず、虐待用具の説明がうまくゆっくりに伝わらなく 襲い掛かってきた親まりさを叩き潰してしまい、あとはもうグダグダになってしまった。 2回目は、前回の反省をふまえ、ゆっくりのぬいぐるみを用意した。 部屋にいたのはゲスで、最初こそ威勢よく「さっさとあまあまもってこい!」と勢いこんだものの、 虐待用具を説明するうちに態度を変え、最後は「たすけてほしいのぜ」と土下座する様に満足した。 ただ、子供を隔離をしなかったので、子供を非ゆっくり症にしてしまい、 間接的とはいえ、子ゆっくりを殺すことになってしまった。 青年はこうして恐怖を植え付けたゆっくり達がどうなるのかを店員に聞いたことがある。 「生き残った分は、またハウスに入れたままにしますよ。 恐怖を植え付けられたゆっくりたちは人間を恐れるんですよ。 人間を見ると震えて逃げる。そんなゆっくりたちを虐待するのを好むお客さんがいるんですよ。 まあただ、他の人間の手がかかってしまっているので値下げをさせてもらいますけどね。」 (しかし、面白いなこれ。また給料が出たら来ようっと。) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ゆっくりカフェ「ゆっとぴあ」内―― シュッシュッシュ 「どうも! 清く正しくきめぇ丸です。」 『わはは、今日もキモカワイイよ、きめぇ丸』 「おお、恐縮恐縮」 土曜日の午後ということもあり、お客さんがたくさん入っている。 青年は、トレイにコーヒーと砂糖水、そしてクッキーを載せて運んでいる。 『お待たせいたしました。アイスコーヒーに砂糖水、クッキーでございます。』 青年はトレイに載っていたものをテーブルの上に置いた。 『おお、ありがとう。』 『ご注文は以上ですか?』 『あ、はい。』 『それではゆっくりしてってくださいね。』 『めーりん、今日はクッキーを頼んだから、一緒に食べようよ。』 「じゃおーん、じゃおーん」めーりんが甘えるようにお客さんの胸に飛び込み頬をこすり付ける。 『こらこら、コーヒーこぼしちゃうだろう? もー。』 青年はテーブルから離れた。 ちなみにクッキーは基本的にはゆっくり用だが、人間も問題なく食べられる。 問題ないどころではない。甘さ控えめでおいしいのである。 青年はトレイを脇に挟み、次の注文を運ぶために調理室へ戻る。 調理室へ近づくと声が聞こえる。 「ちょっと、私のお客さんが注文したアイスティーまだ?」 青年がどうしたんだろうと思い入ると、 店のゆっくりである胴つきゆうかが青年の後輩店員に怒っているところだった。 『すいません。すぐ作ります。』 青年はこれまたお店の子ゆっくりのらんの面倒を見ているところだった。 このらんは下痢状態で、誰かが面倒を見ていなければならない。 どうやら昨日、お客さんの持ち込んだ食べ物を食べてこうなってしまったらしい。 本来、お客が自分で持ち込んだお菓子などをゆっくりに食べさせるのは禁止だが、 その禁止事項を破ってしまったお客さんがいたらしい。 本ゆんは大変そうだが、あにゃるからおかゆを出す様はシュールである。 『僕がすぐ作るよ。ゆうかさん、ちょっと待っててくださいね。』 青年が素早くアイスティーを作る準備を始める。 「お早くお願いしますね。」 ゆうかはぷりぷり怒りながら戻っていった。 「ぽんぽんいちゃいよー」子らんが苦しそうにいう。 『はぁ~』後輩はため息をつきながら、うんうんの処理をする。 『お前も大変だな。』青年は同情する。 この後輩は一番後輩ということもあり、 また本人の性格上ゆっくりにあまり強く出られない性格ということもあり、 どうしてもゆっくりからナメられ易い。 特にさっきの胴つきゆうかから目をつけられている。 (そうだ、彼にゆっくりハウスを紹介してみようかな。 それで無事に仕事ができれば何より、副作用が起こったらそれはそれで面白いかもしれないぞ。) 青年は密かに思うのであった。
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公認虐待 4KB 虐待 差別・格差 誤解・妬み 引越し 飼いゆ 野良ゆ 都会 現代 虐待人間 愛護人間 ダークな感じにしたいなぁと ・角川のホラー文庫に最近ハマったので ・現代物です どうも皆様初めまして 私、某市の市長の秘書を勤めている者です。 名を名乗れぬ無礼をお許しください。 何せ、この文章は私的なものですから。 この様に書くと『お前は何だ?ここはゆっくり虐待SSだぞ』と おっしゃる方も居るかと存じます。ご意見、ごもっとも。 しかし、これは市長とゆっくりの裏話的な物なのです。 どこから話した物か迷ってしまいますが・・・そうですね 我が市は、全国的にみてもゆっくりとの共存が進んでいる市と言えます。 と言いますのも、市長は大のゆっくりの愛好家。 愛で派の長とも言える方です。そこで市長は市の条例を駆使して バッチ制度を整備化し、飼いゆっくりの管理・登録を完璧に致しました。 これにより、飼いゆっくりに限っては安全な身分を保障された事になりました。 しかしその結果、これまで飼い・野良問わず法的ルールが無かったので 誰に咎められる事もなく虐待してした一部の好事家は困ってしまいました。 飼いは元より、野良にしたって大っぴらに虐待できなくなってしまったのです! そして、彼らは市長に呪いの言葉を吐きながら地下に潜りました。 ある者は、家屋の隅で。ある者は山奥で等等 大変肩身の狭い思いをしたものです。全く困りました。 さて、その様な世知辛い中一つの事件が起きました。 可愛い可愛い、アーモーホントーカワイイー市長の飼いまりさが 散歩の折、目を離した隙にゲスのでいぶがレイプし、潰された挙句 金バッジを奪い取り飼いゆっくりになりすまそうとしたのです! 「れいむはきんばっじさんだよ。あまあまさっさともってきてね!」 ゆっくりにしても飼いばかりが良い目を見ていれば 愚鈍なりに嫉妬や怨嗟を持つものです。馬鹿ですがね。 さてご自慢の可愛いまりさ(笑)が薄汚れたでいぶに 色々アレされては、市長も修羅の様になるも致し方なしと言うものでしょう。 即座にシンナー中毒の中学生のようにヘラヘラ笑うでいぶの口めがけて トゥーキックを繰り出し、そのまま野良回収ボックスに突っ込みました。 でいぶざまぁ(笑) ※我が市は別段野良に優しい市ではございません。 さて、これで事は終わりません。むしろ始まりです。 悲しみに暮れる市長は、ある一つの大きな決断を下しました。 官僚的な文章を砕いて表現するなば、下記の法令を施行したのです。 条例 「市内の全ての野良ゆっくりは、その証明として片目を欠損させる事」 つまりどう言う事かと申しますと 飼いゆっくりの証明がバッチならば、野良の証明は目をくりぬく。 飼いと野良の外見をハッキリさせ、それぞれの『階級』をより鮮明にしようとしたのです。 まさか、あの愛で市長がここまでやるとは思いませんでしたよ。フヒヒ とは言え、全野良ゆっくりの目をくりぬくなんて途方も無い作業。 一体、人と金はどこから出るのかと反対意見も少なくありませんでした。 しかし、世の中には社会に協力的な方が多くいらっしゃるものです。 最近はとんと見受けられなかった『特殊な趣味を持った若者』が ボランティアでその作業を受けると市庁に団体で押しかけてきたのです。 私は公僕の一人として市民の協力に涙が止まりませんでした。本当にネ。 さてさて、それからはもうお祭り騒ぎです。 何せ市公認の虐待制度ができたのですから!! (市長は愛で派の最後の一線として「殺す」事を許可しなかった!!スバラシイ!) ここからは、伝聞になりますので多少誇張も混じっているかも知れませんが その点はご容赦ください。いや、本当に伝聞ですよ!? ある者は、橋の下のダンボールハウスで慎ましやかに暮らすゆっくり一家の全てに。 たっぷりと時間をかけてキリで目玉を突き ある者は、100円ショップで爪楊枝を買い込み 仲間たちと『1つの眼球に何本させるかゲーム』を夜通しやりました。 ちなみに、このゲームは「殺すと負け」で新たなゲーム素材を探して来なければなりません。 まあ、私に勝てる人などいませんでしたが・・・ おっと失言、そう言っていた人が居ました。 もちろん、赤ゆだって例外ではありません。 まだ枝に実っているウチから、慎重にマチ針で一個一個目玉を丁寧に潰しました。 母れいむの『片目』に映った絶望の色なんてたまりませんでしたね!!・・・と言う話です。 そうそう、胎生の場合は結構技術が必要です。 まむまむをカッターで割いて胎児ゆを引きずり出して目を潰さないといけないので。 なにせ「殺してはいけない」ルールですからね。ちゃんと「生かしておいた」らしいですよ 掻っ捌いた時の絶叫、胎児ゆの目を潰した時の嘆きの声、 まむまむを塞いでホッチキスで止めた時の悲鳴。今もiPodに入ってますよ もちろん、市政を担うものとして実況検分は必要ですから。 他にも市には山もあります 何も知らないドス級のまりさの目めがけて思いっきり腕を突っ込んで 掻き回した時の快感っと言ったら!温かい葛湯をかき混ぜているようでした。 と、下の者からは報告を受けています。 多くの若者は実に清々しくボランティアに参加してもらえました。 このような市民を私は心から誇りに思います! さて、私はたまに市長に頼まれ、同氏の飼いゆっくりの世話をするんですが 毛糸で編まれた洋服(?)を着て、楽しそうにコロコロ転がる 饅頭を見ていますと、不謹慎ながら胸中に黒いものが湧き上がるんですよ。 REIMUと刺繍された幸せ一杯のこの饅頭が 例えば、例えばの話ですが、薄汚いレイパーありすに強姦死させられたら 市長は一体どんな条例を作ってくれますかね・・・・フヒヒヒ 作:六人 他:ふたば系ゆっくりいじめ 212 下卑た快感 ふたば系ゆっくりいじめ 254 アザーワールド トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る いずれこの町から野良ゆが居なくなるな。 「あの周辺に行くとゆっくり出来なくなる」って噂がゆっくりの間で流れそう。 野良の回収が難しくなってしまう!?(焦) -- 2018-03-11 17 45 18 もげふらは?あれは野良のままでいいよね?ゲスだから -- 2012-07-23 04 12 33 ↓×5みんな(希少種)逃げてーーーーー!!! -- 2011-10-16 22 38 30 一家 おうち -- 2011-04-17 19 26 52 この秘書はそのうち問題起こしそうだし、市長が選挙で落ちたら、真っ先に路頭に迷う質の人間だ -- 2011-02-11 11 25 14 クソッ そうか感想見て気づいたけど俺の嫁達もターゲットになるんじゃねーか ちょっときめぇ丸とゆうかにゃん保護してくるぜ! -- 2011-01-04 06 05 17 きめぇ丸とかゆうかにゃんなんて普通に希少種だろ。 野良は有り得ないし、万一いたとしてもその場で飼われるよ。 -- 2010-09-29 01 43 59 安心しろ!野生の胴付きゆは既にHENTAIお兄さんに捕り尽くされてるから! -- 2010-09-13 12 32 30 ↓やだーーーーーーーーーー!!! -- 2010-07-22 00 45 57 ↓なるんじゃないか この秘書虐待に見境がなさそうだから -- 2010-07-22 00 06 55 野良きめぇ丸とか野良ふらんちゃんとか野良ゆうかにゃんetc もターゲットになるんですか? -- 2010-06-22 23 42 01 野良拾えなくなるじゃん -- 2010-03-09 13 21 15
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風の流れる街 35KB 虐待-普通 制裁 観察 悲劇 自業自得 家族崩壊 駆除 野良ゆ 赤ゆ 子ゆ 都会 現代 独自設定 羽付きシリーズ 「風の流れる街」 羽付きあき ・人間視点とゆっくり視点が混ざっています ・観察物 ・独自設定を幾つか混ぜております 春も目前と言ったこの季節。最後の寒波も終わり、肌寒くもあるが暖かい風が時折吹くような風が頬を撫でていた。 ・・・ゆっくりにとって厳しい冬はもうすぐ終わりを迎え、暖かな春、ゆっくりとした夏。そして秋へと季節は緩やかに揺れ動いていく。 街にも四季はある。街ゆっくり達も当然それぞれの季節にそれぞれやるべき事があるのだ。 私はこれまで幾度も疑問に思っていたことがある。 それはこの季節になるとふと記憶の奥底から微かに頭をよぎるのだ。 この街では、いや、どこもそうらしいが街ゆっくりは山野に行くことがない。 よくあることだが、山野のゆっくり。特にドスが無計画にゆっくりを増やしに増やして山や森がそのゆっくりの分まで賄える恵みの限界が来たときに、その場所を捨てて別の所に移動したりする。 ・・・そんな群れはあっという間になくなる。人が手を加える間もなくゲスゆっくりが増長して、またはドスにかかる負担が大きすぎて・・・または他の山の群れのドスとの縄張り争いに敗れ、様々な理由で数を減らし、そして消えてゆく。 だが、街にドスはいない。いたとしても山野で見かける2~4mもあるような大型なものではなく。せいぜい80~120cm程度。 ドススパークやゆっくりオーラすらも使えない。ただの大きいだけの饅頭が極稀に現れては「まちのけんじゃ」を自称するぱちゅりーの甘言に乗せられ、どこかに乗り込み、あっという間に駆除される。 ましてや群れ等街のゆっくりは殆ど作らない。多少例外はあり、「地域ゆっくり」として纏まっている所もあるが、そこはちゃんとすっきりをコントロールしたりして決して貪るだけ貪るような事はしないのだ。 ドスを見た事がない街ゆっくりですらも餡子の奥底に記憶があるのか「ドスと森」についてどこはかとなく知っている節があるようだ。 街ゆっくりからすればドスが治める楽園の様なゆっくりプレイスは魅力的なはずだろう。 痛んだ何かを食べてカビで溶ける事もなく、夏場は照り返しと直射日光でカピカピの乾燥饅頭になる事もない。 車に踏みつぶされ、鬼意山に叩き潰され、身を切るような寒さにおびえ、汚れからくるカビに怯える。 それなのに決してこの街から出ようとはしない。・・・逆に考えれば街ゆっくりはここでしかその居場所がないのだ。 ・・・反対に山野から街に入ってくるゆっくりは極端に多い。 往々にして春に入ってくるそれらのゆっくりは「とかいは」「ゆっくりできる」と言う幻想を抱いてやってくるらしい。 ありす種の様に「とかいは」に対して強い関心を持っているゆっくりならば尚更魅力的に映るのだろう。 多少想像ではあるがこういった感じだろうか? 毎日毎日、見慣れた場所で見慣れた事をするだけの日々。 ドスがいかにゆっくりできると言っても、いざ上に居ればうるさいだけだ。 すっきりの時期すら決められ、食料はその半分をドスの洞窟に入れなければならない。 いざという時のための食料なんて言っているが、今の今までそんな事は起こった事もない。 そのくせ、冬籠りは各々で勝手にやれという。冬は一歩も出れないというのに洞窟の食料はどうやって配られると言うのか。 そんな山野にゆっくり達からすればとても自由で、驚きと「ゆっくり」にあふれた街というのはかなり「とかいは」なのだろう。 ドスや群れに嫌気がさした、またはもっと「とかいは」で「ゆっくりとした」場所に行きたい。 そしてこの街という舞台に舞い込んでくる。そう、まるで光に集まる虫達の様に。 あと少しでそんな山野のゆっくり達がやってくる。その前に少し変わったゆっくりを見た。 私があの時、羽付きと見たのは「とかいは」な幻想に導かれて街から出て行こうとした一体のありすの顛末である。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 街ゆっくりに厳密な越冬はない。 冬でも食料を探しにこうと思えば行けるし、出歩いても雪に埋もれて溶ける・・・なんて事は殆どない。 なので春を前に控えた季節にもなると結構なゆっくりが少し早めに越冬を止めて活動を開始する。 羽付きや「地域ゆっくり」は越冬など全くせずに冬の間はずっと街を歩き続けている。羽付きも例外ではなく、その脇で他にも色々と仕事をこなしていたようだ。 街で越冬のために籠るメリットはハッキリ言って薄い。だがゆっくりは四季のサイクルの中にそれを定義づけている。受け継がれた遠い山での記憶なのだろうか 公園の中に入ったあたりであろうか?一体のありすが羽付きと私の前にボヨンと跳ねてやってきた。 羽付きが明らかに怪訝そうな顔をしている。私もでいぶやゲスの類かと勘繰っていた最中、そのありすは口を開き始めた。 「ゆ、ゆっくりしていってね!」 羽付きの顔がピクっと微かに動いた。何か遠い昔の嫌な思い出でも思い出すかのように。 「・・・ゆっくりしていってね」 「ま、まりさ。ゆっくりありすのおはなしをきいてちょうだい!」 ありすが声を上げる。ゲスやれいぱーの類ではないようだ。だが・・・ 「いやだぜ」 羽付きが一言呟くように言った。 それを傍目に見ながら私は思う。 羽付きがありす種に対して何らかの過去があるのはわかるが、話も聞かずに突っぱねるのは今まで見たこともなかった。 そう思っているとありすは羽付きにすり寄り、こう切り出し始める。 「す、すーりすーり!まりさはとってもとかいはね!ゆぎゃっ!」 すーりすーり、それはゆっくりにとってコミュニケーションの一種だ。だが、初対面のゆっくりにするにはあまりにもなれなれしすぎる。 普通のゆっくりなら良い顔はしないだろう。だが羽付きの態度は明らかに過剰であった。 「さわるな!!」 羽付きがすーりすーりをするありすを体当たりで弾き飛ばしたのだ。 ありすはコロンと一回転回って吹っ飛ぶ。カスタードクリームを少し漏らしたがそれでも羽付きに媚を売り続ける。 「と、とかいはなまりさにおねがいがしたいの!はねのついたまりさはとってもとかいはだってきいたから…ゆ!?」 「とかいはとかいはってさっきからうるさいんだぜ!いきなりすーりすーりをするようなありすにするはなしなんてないんだぜ!」 ・・・かなりイラついているようだ。確かに明らかにこんな下手に出られた上に馴れ馴れしくされれば怪しむ以前に怒るだろう。 だが、流石に見かねたので私が羽付きに声をかける。 「やりすぎじゃないかい?話だけでも聞いてあげたら・・・」 それを聞くや否や羽付きは声を荒げて私にこう反論した。 「こんなありす。はなしをきかなくてもなにがもくてきかわかるんだぜ!どうせしょくりょうめあてで"ありすとずっといっしょにゆっくりしようね"ってすりよるかにんげんさんにとりいってありすをかいゆっくりにしてねだとかそんなはなしだぜ!もううんざりなんだぜ!そういうことはっ!」 「違うかも知れないじゃないか。そんな目的ならとっくに別の所に行ってるだろ?羽付きはゆっくり同士の話も聞いてるって言ってたじゃないか」 それを聞くと羽付きは帽子を目深に下げて暫くじっとしていた。その動作で冷静さを取り戻そうとしているかのように私の目には映った。 やがて上を向くとありすにこう言った。 「・・・さっさとこびをうるまえにまりさにはなしをするんだぜ」 ありすの顔が明るくなる。そして話を始めた。 ありすの口から飛び出した言葉は、私の常識を覆すものであった。 「あ、ありすを・・・ありすをとかいはなどすのいるやまにつれていってほしいの・・・」 「どすの?」 「そ、そうよ・・・ありすはまえはぎんばっじのかいゆっくりだったわ・・・でも・・・」 ありすの寒天の両目から一筋の砂糖水の涙が零れ落ちる。 詰まりながらも説明を続けた背景にはこんな話があったと言う。 曰く、このありすは銀バッジのゆっくりとしてとても「とかいは」な毎日を過ごしていたらしい。 しかし、人間さん(飼い主の事だろう)のために毎日「とかいはなこーでぃねいと」をしてあげたのになぜか怒って捨てられてしまったそうだ。 街ゆっくりになった後、とあるまりさと番になり、4体の子ゆっくりが蔓から落ちたとありすは言った。。 子まりさ二体、子ありす二体と言った構成で、とてもゆっくりとしたとかいはな毎日を過ごしていたらしいが、それも冬の前までの話だったという。 ある日、まりさはあぶれゆっくりの居る餌場に行ってしまい、以降戻ってくる事はなかったという。唯でさえありすが狩りに行かない上に子ゆっくりが四体と言う負担が起こした悲劇であった様だ。 ・・・ありすの主観が強すぎるため掻い摘めばここぐらいまでしかわからない。 多少の創造での保管も入れるならば、恐らくこのありす、あまりよくない銀バッジだった様だ。 よくある話だが、ありす種と言うのは「こーでぃねいと」という概念がある。 ゆっくり視点でゆっくりできる場所に作り替えるというものだ。 ありす種の場合はそれが特に顕著で、よくわからないガラクタを飾りたてたりすると言われている。 「にんげんさんのためにとかいはなこーでぃねいと」と言って家中のものをひっくり返したりするありす種の話はよく耳にする。 金バッジともなればそれが迷惑な行為だとわかるが、それ以外ではその事がそもそも理解できない(理解できるならすでに銀バッジ試験の前に教えられている) なので、その筋で捨てゆっくりになってしまったんだろう。 最近のバッジシステムは結構いい加減なので銀バッジは特に上と下の差が激しいのだ。 慣れない狩りも手伝ってかどんどんジリ貧になっていったありす達は恐らく飼いゆっくりだった頃に聞いた「とかいはなどすのいるやま」とやらに活路を見出したというわけだ。 だが、私はありすのその言葉に驚いた。 そもそもこの街から外に街ゆっくりが出た事はない。 逆はあってもそれ以外はあり得ないのだ。 街ゆっくりは餡子の奥で秘かにわかっているのかもしれない。自分達が街でしか生きていけないという事を。 「どすのいるやま?にんげんさん、このちかくにどすがいるやままでいったいいくらぐらいあるんだぜ?」 羽付きが目だけを動かしてそう問いかけた。 私はざっとではあるが答える事にする。 「大体40kmぐらい。この街の端から端まで4つ分ぐらいだね。」 ・・・羽付きはその言葉聞いて暫く考えこんだ。無理だという事はどんなゆっくりでもわかる。 ・・・ゆっくりが長距離を移動する手段は大体が三つある。うーぱっく、すぃー、群れでの移動だ。 一番最後は論外だとして、うーぱっくはどうか?うーぱっくの速度は遅い。その上それ相応の食料が必要になる。うーぱっくに渡す分と自分の分を考えても現実的には無理だろう。 と、なると最後に残ったのはすぃーによる移動しかないが・・・ すぃーはスピードも速く、この街の端4つ分ならまっすぐ走っても10日程度で移動できるはずだ。 だが、問題はある。自分も人間さんもドスのいる山の正確な位置を把握してはいないし、態々行く義理もないのだ。「とかいはなどすのやま」なんて言っているが。 ドスまりさの群れがあった所で入れてくれる保証もない。どう考えても無理がありすぎる。 それにありす一体ならまだしも子ゆっくりが四体も・・・と来たものだ。 可能性は限りなく低いがありすだけならまだたどり着くかもしれない。ギリギリ考えても子ゆっくりは一体が許容範囲と言ったところだろう。 ならば言う事は一つだ。それに自分はありす種とあまり関わりたくはない。 「はっきりいってむりなんだぜ。ありすだけならまだしもおちびちゃんはどうするつもりかぜ?つれていけてもせいぜいいっこ・・・」 自分の言葉を遮るようにありすが口を開いた。 「じ、じゃあ、いちばんとかいはなおちびちゃんといっしょにいくわ!」 ・・・何を言っているんだ?このありすは 頭がありすの言葉を理解するのに数瞬かかった。 人間さんの顔をちらっと見る。表情はあまり見えなかったが驚いてはいるだろう。 バッジ付きのゆっくりが子ゆっくりを踏み台にするような事は殆どない。「ゆっくりする」事に重点を置いて考えるからだ。 「・・・ほんきでいってるのかぜ?あとのおちびちゃんはどうするつもりなのかぜ?」 「で、でもしょうがないわ!とかいはなどすのところにいくには・・・」 このありす。子ゆっくり一体を連れていけて成功率は100パーセントと思っている様だが・・・ 先にも言ったように100なんて夢のまた夢。せいぜい10回に一回と言ったところだろう。 それに街ですられみりゃやふらんが郊外からやってくるというのにこの街の外に出ればどうなるかの想像もつかないのだろうか? 雨だってあるし、捕食種の襲撃だってありうる。それほど過酷を極めるというのに・・・ それにドスまりさやその群れが受け入れてくれる保証がない。 「どすのところにいけたとしてもむれにいれてくれるほしょうはどこにもないんだぜ・・・はるになるまえとはいってもこのじきにほうりだされればおちびちゃんたちはどうなるのかわかってるのかぜ?」 「あとのおちびちゃんだってとってもとかいはなおちびちゃんよ!かならずとかいはなゆっくりになるわ!」 ・・・本気で言っているのか?本気で子ゆっくりが「とかいは」なゆっくりだから大丈夫なんて思っているのか? "まりさとありすのおちびちゃんだよ!きっととかいはでゆっくりとしたゆっくりになるよ!" "ゆ!なかないでね!おぼうさんがなくてもおちびちゃんはとってもゆっくりできるゆっくりだよ!" "ほんとうだよ!おちびちゃんはいつもゆっくりしているからかならずくるよ!だからなきやんでゆっくりしていってね!" 不意に自分の言葉がよぎった。それを聞いて確信する そうか、このありすは・・・ 「・・・わかったんだぜ。すぃーはこっちがよういしておくからいちばん"とかいは"なおちびちゃんとしょくりょうをもってくるんだぜ」 人間さんが怪訝そうな顔で見つめている。当り前だろう。ギブアンドテイクも見込めないありす相手にここまでする必然性がないからだ。 だが、自分には理由ができた。 このありすは、昔の自分にそっくりなんだから。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー その日の明け方・・・ 「ゆゆ?おきゃあしゃん?どうしちゃにょ?ありしゅはまだしゅーやしゅーやしたりにゃいわよ?」 「・・・おちびちゃんゆっくりきいてね・・・これからありすとおちびちゃんはどすのいるとかいはなばしょにいくの」 「ゆ!どしゅ?どしゅはちょっちぇもゆっきゅりできちぇちょかいはだわ!」 「すぃーさんをよういしてあるの、おちびちゃん、いまからおかあさんのくちのなかにはいるのよ」 「ゆゆ?ほきゃのいもうちょちゃちは?」 「・・・あとでついてくるわ。まずさきにどすのいるゆっくりぷれいすでおうちをこーでぃねいとしてからじゃないととかいはじゃないでしょ?」 「ゆ!しょうぢゃわ!いもうちょちゃちがちょかいはにゃゆっきゅりににゃるちゃめにもこーでぃねいとがいきちょどいたおうちはひつようなんぢゃわ!」 「ゆっくりわかったらありすのおくちのなかにはいるのよ」 「ゆっきゅりわかっちゃよ!」 ・・・・・・・・・ ・・・・・・ ・・・ ・・・あれから三日が経った。 「ゆゆーん!ちょかいはにゃありしゅちゃちのおぢょりをみちぇにぇ!ちょかいは~ちょかいは~♪」 「ゆ~ゆ~♪」 「あまあまをおいちぇいきゅんだじぇ!ちゃくしゃんぢぇいいんだじぇ!」 寒い風が吹きすさぶ道路の端で、帽子を一個だけ置いて子ゆっくり三体が踊りやお歌を歌っている。 見ればわかる。あのありすの子ゆっくり達だ。 風貌は以前より小汚くなっている。小麦粉の皮のハリやつやもない。その状態から見るに、この三日碌な食糧も口にしていないのだろう。 子ありすがクネクネと小麦粉の皮をくねらせながら踊っている。その脇で子まりさ二体が体をくーねくーねさせながら音程も何もない歌を歌っているのだ。 声だけは元気だがそれも空威張りと言った所か? ・・・あれからありすの行方は知らない。 すぃーにありったけの食料を詰め込んでそのまま朝日とともにこの街へと出て行ってしまった。 ドスまりさの群れに迎え入れられ「とかいは」でゆっくりとした毎日を送ると思っているんだろう。 好きなだけ食らい、好きなだけ跳ね、好きなだけゆっくりする。 そこには捕食種も車も何もいない。ドスが守るゆっくりプレイス。 ・・・自らの子ゆっくりを容赦なく切り捨てたありすにたどり着けるはずがない。それにその資格もないだろう。 この街を出ようとしたゆっくりがどうなるか。前例がなかったわけではない。 嫌と言うほど自分は知っている。「とかいは」という言葉を便利な何かの様に使うようなありすはどうなるのかも、街を出て行こうとしたゆっくりの末路も。 「羽付き、あのありすはドスの所に行けるのかな?」 人間さんがふと自分に聞いた。 「むりにきまってるんだぜ。もしついたとしてもどすのむれにいれてもらえるわけがないぜ。それにあのしょくりょうだけじゃもたないんだぜ」 そう、絶対に「辿り着けない」 この街に流れてくるゆっくりは、「ゆっくりする」という言葉をどこまでも追求した結果身を崩してここに入ってくる。 自分は「みんながゆっくりすればゆっくりできる」と言う蜃気楼の様な言葉で、そしてこれから山から下りてくるゆっくりは「すきなだけゆっくりできないむれ」から「ゆっくりしてとかいは」な新天地を夢見て この街にやってくるのだ。 試しに出て行こうとすれば良い。と自分はいつも言う。この街ですら「ゆっくりできない」と言っているのだから山野に下った所でそんなゆっくりはずっとゆっくりできないだろう。 ましてやドスの群れでとかいはな毎日を過ごす・・・と言っているがしなければならない事は山もここも変わらない。食料を自分で集め、越冬に備えて「おうち」を補強する。すべてドスがやる訳ではないのだ。 人間さんがこっちを見て口を開く。 「それを知ってて?」 その一言の中にはいろいろな意味が含まれているんだろう。色々と言いたいが、なぜか一言しか言葉が出なかった。 「・・・そうだぜ」 そう、「とかいは」なんて甘言を囁いて子ゆっくりを放り出すようなゆっくりに少し嫌気がさしたのだろう。 こんな宙ぶらりんな事をするのに、理由はそれしか思い浮かばなかった。 「・・・わかった」 それを聞いたきり人間さんは黙りこくってしまった。 子ありす達の歌声は春目前の空にか細く鳴り響いている・・・ 「ちょ~かいはな~あ~りしゅ~を~ゆ~っくり~♪」 「だじぇ~だじぇ~♪」 「あまあまをおいちぇいくんだじぇ!」 ふと見ると、子ありす達が一人の男の前に進路をふさぐように並び歌を歌い出した。 業を煮やしたのだろうか? ソフトボールほどのサイズの子ゆっくり達。それもバッジも何もないし、飾りだってボロボロ、それに見てくれだって良くないゆっくり。 誰から見てもそこらの街ゆっくりにしか見えないだろう。 男は舌打ちをしながらバツが悪そうに口をゆがめると子ありす達に対してこういった。 「どけ」 ・・・随分と優しい人の様だ。 自分は少なくともそう思う。 誰がどう見たって山から街に入ってきて、離散した子ゆっくりの片割れか何かだと思うだろうに。 「ありしゅのときゃいはにゃおうちゃをきいちゃらあまあまをおいちぇいきゅのよ!」 「「おいていくんだじぇ!」」 流石に膨れはしないが中々不遜な物言いだ。 ・・・無理もない。「いちばんとかいはなおちびちゃん」はもういないのだから、そしてそれを止める親ゆっくりすらも。 それにあのありすが言っていた話のかぎりではこの子ゆっくり達が教わったのは街で生きる術ではなく、ただ単にありすの自己満足の「とかいは」な振る舞いだけだろう。 男の口の端がつりあがった。笑っているそれではない。不快な何かを耳にしたり、目にしたりした時の表情といった感じだろうか。 男は片足をつま先立ちの様に上げて一気に振った。 子ありすを中心に左右に子まりさがいるという感じの配置であったが、その内の右側の子まりさが小麦粉の皮が捲れるんじゃないかという勢いでつま先にのめり込んで吹っ飛んだ。 「ゆびょっ」 「「ゆ?」」 子ありすと残った左側の子まりさが対応できぬまま遅れて言葉を出した。 右側の子まりさは電柱にぶつかりそのままポトリと落ちるとブルブルと震えたまま突っ伏していた。 か細く「ゆ”・・・ゆ”・・・」と言う声が聞こえるのが自分の耳に聞こえる。 小麦粉の皮がのめり込んだ形のままでどういった状態なのかはここからでははっきり見えないが、辺りに飛び散った少量の餡子と砂糖細工の歯を見る限り強い衝撃を受けたようだ。 子ありすと子まりさが大きく口をあけて砂糖水の涙と涎をまき散らしながら、凍りついた状況から再び動き出した時間の中で叫び始める。 「ありぢゅのいもうぢょがあああああああああ!!」 「ゆんやああああああ!!」 残った子まりさと子ありすが近づき、舌を伸ばしてぺーろぺーろを始める。 「ゆっきゅりなおるのよ!ぺーろぺーろ」 「ぺーろぺーろ!」 「ゆ”ぅ"ぅ"・・・ぃだぃ・・・ぃぃ・・・ばりぢゃの・・・ばっ!?」 「「ゆうう!?」」 必死にペーロペーロを続ける子ありすと子まりさ。 だがそれを遮るかの様に男のつま先が深々と子まりさの口の中に突き刺さった。 「ぁ…ぎ・・・ぁ"ぐぅぅ・・・」 小麦粉の皮がブチブチと真横に二つに裂けていく。子まりさは寒天の両目からボロボロと砂糖水を流している。 男がつま先をひねった、見た限りで左右に2~3往復ほど。 「ぁ・・・ぁ”ぁ”ぁ”ぉ”ぉ”ぉ”お”お”お”お”お”お”お”ごぐがぁ"ぁ"ぉ”ぉ”ぉ”!!!」 ミチミチと言う音が聞こえると同時に子まりさがグネグネと動き始めた。 底部だけがぷりんぷりんとメトロノームの様に動くが一向にどうにかなる気配ではない。 「きょにょいなぎゃもにょおおおおおお!ゆっぎゅりばなじぇえええええええ!!」 「ゆ!ゆ!ばりじゃはぢゅよいんだじぇええええ!だがらばなずんだじぇええええ!」 残った子ありすと子まりさは必死に男の足に体当たりを繰り返すが全く動じる気配はなく、ただ足がぐりぐりと回るばかりだ。 「お”・・・!お”・・・!ぉ”・・・!」 激しく底部をぷりんぷりんと動かしていた子まりさであったが、餡子が漏れるたびに動きが鈍くなっていき、やがては完全に裂け饅頭となって地面に転がった。 「ありぢゅのいぼうぢょぎゃあああああああああああああ!!ぎょんにゃにょどぎゃいばじゃにゃいいいいいいいいいいいい!!」 「ゆっぐりでぎないんだじぇえええええええええええ!!」 泣き叫ぶ子ありすと子まりさ。自業自得と言えるのだろうか? 見ているのは自分と人間さんだけ、後の人はまるでそこだけ何もないかのように通り過ぎて行っている。 男は子まりさの帽子をひょいととる。だが、それに気付いた子まりさは・・・ 「ばりぢゃのおぼうじじゃんんんんんんん!ゆぐっ!ゆぐぐぐ・・・!!」 なんと帽子のつばに砂糖細工の歯を立てて食らいついたのだ。 必死に帽子を離すまいとする子まりさではあったが、そのまま男が腕を上げると、帽子に食らいついたまま持ち上がって行く。 「ごのいにゃぎゃもにょおおおお!ゆっぎゅりありぢゅのいぼうぢょをおろぢぇえええええ!」 子ありすが垂直に跳ねるがせいぜい男の膝程度までしか飛びあがれない。そのままピョンピョンと跳ねるばかりだ。 男が腕を振り上げた、そのまま帽子をかすらせるように下の子まりさだけを狙い澄まして手刀ではじく。 「ゆぐっ!?ゆぎっ!ゆぎぎぎぃ・・・!」 子まりさの小麦粉の皮がグニャリと歪み、ゴボっと餡子が食いしばった砂糖細工の合間から漏れ出た。 それでも帽子は離さない。 男はそれを続けた、一回、二回・・・と 「ゆぐっ!ゆぐっぶ!」 底部をくねらせ水飴の汗が玉の様に滴り、砂糖水の涎が餡子と一緒に落ちていく、それでも帽子は離さなかった。 男が子まりさを残った片方の手で握り始める。 「ゆぐぶぶぶっ!ゆぎぐぐぐ・・・!」 子まりさの体は丁度「▽」の様な形に変化を始めた、餡子が行き場をなくしてどんどん子まりさの寒天の両目と口が膨らんでいく。 男が力強く握りしめた。 「ゆぐびょっ!」 「あ”あ”あ”あ”あ”!?あでぃずのいぼうぢょがああああああああ!?」 子まりさの寒天の両目が飛び出し、口から餡子がドバッと漏れた。 小麦粉の皮になった子まりさと帽子がヒラヒラと地に落ちる。 男は手をふるって餡子を払い落しながら子ありすの方に近づいて行った。 「ゆ!?あ、ありしゅはちょっちぇもちょかいはにゃにょよ!いまにゃらゆるしちぇあげりゅから・・・ゆうううう!?」 子ありすの体がふわっと持ち上がる。 指でしっかりとロックするように掴まれた子ありすは小麦粉の体をグネグネと動かすが一向に効果はない。 「ばなじじぇええええええ!ぎょんなにょちょがいばじゃにゃいいいいい!!」 寒天の両目からダバダバと砂糖水を流し、しーしーもうんうんも砂糖水の涎も一切合財漏れて滴り落ちてゆく。 男が大きく腕を上げるとそのまま子ありすは地面に向けて急転直下でたたきつけられた。 「どがいばあああああびゅっ!」 前面部分・・・つまり顔から突っ込んだ形になったためか、カスタードクリームが漏れた様子はあまりない。 突っ伏したままピクピクと動いていたが、やがて底部を左右に振ってズルズルと離れ始めた。 「ゆ”・・・ぎぃ・・・ぢょがい・・・ば・・・」 自分はあのありすの表情を見る事が出来た。人間さんも同じようにみているだろう。 落ちた所にカスタードクリームに混じって丸い寒天が二つ落ちていた。 子ありすが口を開くたびにポロポロとカスタードクリームに混じって砂糖細工の歯が落ちて言っている。 どこへ行こうと言うのか、ぽっかりと空いた三つの穴からカスタードクリームが落ちていき、跡を残してズルズルとどこかへと這っていく。 「ありぢゅは・・・ぢょがいばぢゃがら・・・いぼうぢょのぶんまぢぇ・・ゆっ・・・ぎゅ・・・り・いぼう・・・びょ」 ・・・あっけないほどに子ありすは自分の目の前でグシャグシャに潰れた。 男の足が振り下ろされたのだ。足が上がるとカスタードクリームと小麦粉の皮がグシャグシャになった何かがあるだけである。 男は縁石につま先を擦りつけるとそのまま何事もなかったかのように再びどこかへと歩いて行ってしまった。 ・・・簡単に、本当に簡単にありすに捨てられた子ゆっくり達は潰れた。 恐らく最後までありすに捨てられたと気付かないままで。 自分と人間さんはその場所で長い間立ち尽くし続けていた・・・ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー あれから二日が経った。 羽付きに連れられ私は街の入り口に近い繁華街に足を延ばしている。 羽付きの表情は硬い。 何かあの子ありす達に考えさせられるものがあったのだろうか? 「かならずあのありすたちはもどってくるんだぜ」 そう羽付きは私に言った。 それがどういった裏打ちがあるのかはまったくもってわからない。だがこれだけは言えるだろう。 少なくともあのありすがドスのいる山までたどり着ける可能性は0だったという事だ。 ・・・調べてみてわかった事だがここの近くの山にドスまりさがいたのは3年前の話。 つまり現在山にはそもそもドスまりさは存在しないのだ。 だからこそ山から街にゆっくりが入ってくるのだろう。 制限をかけていたドスまりさがいなくなったため山では爆発的にゆっくりが増えた。 いかに恵みが豊かな山と言えどもそれを上回るスピードで増えるゆっくり達に会わせられるはずもない。 当然ゆっくり達の一部(「とかいは」にあこがれている若いゆっくり等)が無鉄砲に山を下りてゆくのだ。 山に残ったゆっくりからすれば止める必要もないだろう。言った所で聞かないのだがら。 山から出ていくゆっくりの方が多いという状況の中、もしあのありすが山にたどり着けていたとしても群れに入れないだろう。 ただでさえ数が多すぎるのだから、増えてしまえばその分食料の取り分が減ってしまう。 ・・・つまりはたどり着こうが着くまいがあのありすは「とかいはなどすのやま」に行く事は永遠に不可能と言う事だ。 そもそもドスもいないし、群れにも入れてもらえない。よしんば山で暮らしたとしても街のそれとはまったく違う「狩り」に対応できるはずがない。 羽付きはそれを見越した上であのありすを行かせたのだ。 ここで疑問がつく。羽付きはありすからあまあますらもらわなかったと言った。 自前ですぃーまで用意し、ありすからのあまあまは「食料に回せ」と言って受け取らなかったと言ったのだ。 なぜ損になるような事をあの羽付きがしたのだろうか?私は疑問が残ったが羽付きには最後まで聞けずじまいであった。 羽付きがふと立ち止まる。 繁華街の雑踏に紛れて聞き覚えのある声が微かに聞こえてきた。 「・・・ばず・・・っぐり・・・ざ・・・」 「どっ・・・も・・・どがい・・・な・・・おぢびぢゃ・・・でず」 近づくにつれて声はより鮮明に大きくなっていく。 そこで私と羽付きが目にしたものは・・・ 「おでがいじばずっ!あでぃずをがいゆっぐりにじでぐだざいっ!あでぃずはぎんばっじのゆっぐりでじだ!でぼいながぼのなにんげんにずでられだんでずっ!」 「ありぢゅどおぎゃあじゃんはぢょっぢょもぢょがいばなんでず!ありぢゅはぢょいれじゃっでぢゃんどでりゅじおうだぢゃっでおぢゃえりゅんでぢゅっ!」 あのありすと子ありすであった。五日前より風貌はボロボロであったが・・・ 飾りはなくなっており、ありすは所々砂糖細工の髪が抜け落ちていた。子ありすの方に至ってはカッパの様に中心部が丸く禿げあがっている。 小麦粉の皮は生傷だらけで、ありすの背部には縦に大きな傷ができていた。れみりゃにでも襲われたのだろうか。 道行く人々に声を張り上げてはのーびのーびをして涙とも涎とも判別できない砂糖水を流している。 なぜ戻ってきたのか、その理由は知る由もない。 「おにーざんっ!あでぃずをがぶぁぁ!」 「あ”あ”あ”あ”あ”!!おぎゃあじゃああああああああん!?」 すーりすーりをしようと近寄った若い男にありすは蹴りあげられた。 「ゆぐぎっがぁ・・・おでがいでずっあでぃずを・・・あでぃずをぉぉ・・・!」 「・・・汚ねぇな、離れろよ」 なんとありすはズボンの裾に食らいついて埃と泥にまみれた体ですーりすーりを続けているのだ。 そこまで必死なゆっくりを私は今まで見た事がない。 「離れろつってんだろ!」 「ゆっぎぃっ!ゆぐぅぅ!ゆ”!ゆ”!ゆ”!あでぃずをぐぅっ!?どがいばなあでぃずばぁっ!」 何度踏まれようともありすは一向に話す気配がない。砂糖細工の歯がカスタードクリームに混じって落ちて行っても食らいついている。 「チッ!」 「ゆぎっ!」 ズボンの裾の一部を食いちぎってありすが離れた。男は勢い余って、そのまま思いっきりありすを蹴りあげる。 「あっ!ズボンがっ!」 「ゆっぎばぁっ!」 「おぎゃあじゃああああん・・・ゆ”ぶ!?」 ありすの小麦粉の体が大きく宙を舞った。 そのまま子ありすの上へと落ちていってしまう。 グシャッと音が微かに響いたように聞こえた。 「おでがいでずううう!あでぃずどおぢびぢゃんをっ!・・・お・・・ぢび・・・ぢゃん?」 ガバッと起き上がり再び詰め寄ろうとしたありすであるが、急に後ろを振り向くとそのまま凍りつくかのように固まり出した。 ありすが見た物の先には・・・ 「ゆ”・・・!ゆ”・・・!」 そこには子ありすが、口からカスタードクリームをぶちまけてドラ焼きの用に平たく潰れたままアメーバの様にグネグネと体を動かしていた。 砂糖細工の歯は飛び出して吐き出されており、その重量の凄まじさを物語る。 「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!?おぢびぢゃんんんんんんんんんん!?」 ありすが体をのーびのーびさせて凄まじい速さで子ありすに近づいた。 「ゆっぐりなおるのよおおおお!ぺーろぺーろ!ぺーろぺーろおおおおおおおお!!」 「ゆ”・・・!いぢゃ・・・いぃ・・・おぎゃ・・・じゃ・・・ど・・・ぼじ・・・ぢぇ・・・」 「ぢがうのおおおおおお!おぢびぢゃん!ごれはぢがうのおおおおおおおおおお!!」 必死に舌を動かしながら叫ぶありす。 だが破裂したゴムボールの様に敗れた場所からカスタードクリームが噴出しているのだ。助かる見込みはない。 「おぢびぢゃんんんんんんんんんんんんんんん!!どがいばっ!どがいばっ!どがいばっ!どがいばっ!どがいばっ!どがいばっ!どがいばっ!どがいばっ!どがいばぁっ!どがいばぁぁっ!どがいばあああ!どがいばあああああ!どがいばあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」 「ぢょ・・・がい・・・ば・・・ぢょ・・・が・・・・・・い・・・ぢょ・・・が・・・ぢょ・・・ぢ・・・」 必死に「とかいは」と口にするありす、一番大事な言葉なのだろうか、少なくとも私にはなぜそんな言葉を叫び続けるのか理解できなかった。 当初はモゾモゾと口だった小麦粉の皮の部分が動いて反応していた子ありすだったが、やがて動かくなってしまった。完全にありすの手によってつぶれ饅頭となってしまったのだ。 「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!!!!!!!!!どがいばあ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!!!!!!!!!!!!!」 凄まじい声を放って叫ぶありす。ここから聞いても耳をふさぎたくなる声だ。 羽付きはただその光景を食い入る様に見つめている。 ありすは口を大きく開けて叫びきると既にゆっくりにとってはかなり遠くに行ってしまった中年の男を寒天の両目を見開いてみるとこう叫んで凄まじい勢いで上下に体をのーびのーびさせて近づいていく。 「ごのいながぼのおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!よぐもあでぃずのおぢびぢゃんをおおおおおおおおおおおおおお!!じねえええええええええええええ!!ごろじでやるううううううううううううううううううううううううう!!!ごろじでっ!!!ごろじでっ!ごろじでやるううううううううううううううううううううううううううう!!!!!!」 先ほどのありすとは思えないほどの口調だ。抑えつけられた今までの怒りが爆発したのだろう。まるで鎖が千切れたかの様に。 「こーでぃねいと」は理解されず、ドスのいる山にも行けず、地を這いつくばるような日々を送った。客観的になぜそうなったのかを考えずに限界を超えたとき、それは無責任な憤怒となって現れる。 正直な話、逆上も良い所だがその気合いに気おされてしまう だが、男はただ淡々とありすを見つめていた。 跳ねずにのーびのーびによる地面を這うようにして進む進み方でこんな速さをたたき出すありすを見て動じないのが不思議で仕方がない。 「じねえええええええええええええええ!!っぶぁああああああああ!!」 ありすが男の足に体当たりをくらわせようとした時であった。男はそれを見透かしたかのようにつま先でありすを蹴りあげたのだ。 「っゆぎいいいいいい!!ゆぐぐっ!?」 そのまま吹っ飛んだありすに近付きありすを動けないように踏みつけた。 「ぢぐじょうっ!ぢぐじょうっ!ぢぐじょうっ!ぢぐじょうっ!ぢぐじょううううううううう!!ばなぜごのいながぼのおおおおおおおおお!!」 砂糖細工の歯を食いしばり、口の端から砂糖水が微かに垂れている。それほど逆上しているのだろうか? 男はそれをまるでどうと言う事もないかのように見下ろしているだけだ。 「おい、調子に乗るなよ。そもそも勝手に突っかかってきたのはお前だろうがよ」 「だばれだばれだばれだばれだばれええええええええええええええ!!ごろじでやるうううううううう!!おばえびだいないながぼのはごろずううううううううううううううう!ごろじでやるうううううううううううううう!!!!だがらばなぜええええええええええ!!」 その言葉を聞いた途端に静かに男が足をグリッと押し付けた。 「ああ?今なんつった?なんつった?おい?ああ!?なんつったんだ!ああああ!?」 男がこめかみに青筋を浮かべてありすを踏みつけ始める。 一発で凄まじく潰れたありすは口からカスタードクリームを吐き出した。 「ゆっばぁ!ぢぐじょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!ごのぐぞいながぼのがああああああああ!!ぢぐじょおおおおおおおおおおおおお!!」 まだ男に罵声を浴びせかけられるようだ。 今度はありすの顔面に足が降りる。 「ゆっぎぃぃ!」 また一発、また一発と重くそして強い衝撃がありすの小麦粉の体を襲う。 そのたびにありすはトランポリンの様に跳ねて元の形に戻るのだ。 「ゆぎゃあああああ!!ゆぎいいいいい!ゆぎょおおおおお!あ”あ”あ”あ”!!あでぃずはどがいぶごっ!!どがいばっぼ!?どがいっ!どがいばっび!どが!どごぅっ!ゆぐっ!あ”ぎょ”お”お”お”お”お”お”お”!!」 ・・・砂糖細工の歯が宙を舞った、カスタードクリームが地面に散らばる。擦れるようにして小麦粉の皮が砂糖細工の髪ごと根こそぎ持っていかれる。 「・・・ゆ”・・・いなが・・・ぼ・・・」 「ああ?なんつったんだ?」 「いな・・・ぎょお”お”お”お”お”お”お”お”お”!!!???」 男の足がありすの口の中にすっぽりと入った。 踝まで入ったので中でどのようになっているかは定かではない。 真上に向いたまま男が足を激しくグリグリ動かしている つまり中のカスタードクリームが中枢餡ごとグシャグシャにかき回されているという事だ。 「ぎょおおおおおおおおおおおおおおお!!あぎょおおおおおおおおお!!ぎぐぎゃぎぎいいいいいいいがああああああああっぎぎょおおおおおおおおおお!!あああぉぉぉおおああぁぁぁああおぉぉおおおおあああぉぉああああっぉぉおおおおおああおあおあおああああああああああっ!!っぎぃびいいいいいいいいいいいいいいい!!」 寒天の両目がタコメーターの様にグルングルンと回る。うんうんがもりもりとあにゃるから出ている。 それでも男は動きを止めない 「かっ・・・!かはっ・・・!ゆ”・・・ぎぃ・・」 やがて動きも鈍くなってありすは動かなくなってしまった。 止めとばかりにありすを蹴りあげる男。 ありすはゴロゴロと転がるとそのままあにゃるを上向きにして動かなくなった。 ・・・時間にして約三分ほどだろうか、そこには小麦粉の皮が不規則に凸凹になったゆっくりらしきものがそこにあるだけだ。 あにゃるを向けて突っ伏しているためその表情はどのようなものか知る術はない。 男はポケットに手を突っ込むとそのまま歩いてどこかへ行ってしまった。 ・・・これが「街を出て行こうとしたゆっくり」の末路だ。 道中で何があったのかは知らないが、そもそも方角すらおぼつかない街ゆっくりが単体で40km近くも進めるはずがない。 ドスまりさが率いる群れですら移動してせいぜい10~20kmと言うのに・・・ ・・・山野のゆっくりがこの街に入ってくるのはなぜか? それは山野のゆっくりが増え過ぎているからにすぎない。1000体単位で山から下りてこの街に流れ着くのだ。 その頃には100体近くまで減っているがそれでも多い。 だが、それが数カ月も粛々と続くのである。 それほどの過酷な道のりを経てくるゆっくりに類するものはあのありす達にはあったのだろうか? その答えはありす達が街に戻ってきたという事実以外に他ならない。 結局引き返して戻らざる負えなかったのだ。 私は、ふと羽付きの顔を見る。その表情はどこか物哀しそうであった。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ・・・温い風が「おうち」の角に当たってズーッと言う音が響いている。 その音の奥に何やら微かにゆっくりが跳ねる様な音が聞こえてきた。 「ゆ!ゆ!はねまりさ!ゆっくりおきてね!」 「おうち」の前で何やら騒がしい声がする。 もそもそと出て行ってみるとそこには胴バッジを付けたまりさの姿がそこに会った。 「どうしたんだぜ?」 「ゆゆ!このあいだいってたこゆっくりのうけいれだけどなんとかあきができたよ!」 銅バッジまりさが水飴の汗を流しながら息を整えてそう言った。 ・・・だが遅い、もう遅いのだ。あの子ありすや子まりさ・・・三体の子ゆっくり達はつぶれ饅頭と化してしまったのだから。 「・・・そのはなしだけどもういいんだぜ」 自分がそういうと銅バッジまりさは首をかしげた。 「ゆうう?どうしたの?なんとかいれてほしいってあれだけいってたのに・・・はねまりさがあんなにいっしょうけんめいたのむからなんとかしようとしたんだよ・・・?」 「もうおそかったんだぜ・・・」 「ゆゆ・・・まさかはねまりさがむれにいれてほしいっていってたこゆっくりたちは・・・」 「とにかくうごいてくれてゆっくりありがとうだぜ。むりいったのにもうしわけないんだぜ」 「ゆ・・・それはだいじょうぶだよ!はねまりさにはいつもおせわになってるからできるだけゆっくりしてほしいってむれのみんながいってるよ!」 ・・・結局地域ゆっくりとの付き合いも自己保身の内だ。自分がどう思っていようと周りからはそうとしか思われないだろう。ならばいっそ割り切った方が良い。 銅バッジまりさは何度もこちらを振り向きながらゆっくりと跳ねて帰って行った。 銅バッジまりさが去った後、河原に暫くボーっと立っていた。 風はまだヒュウヒュウと頬をなでている。その温い風になぜか自分は不愉快な気分になってしまうのを不思議に感じていた。 ・・・群れに入れば何とか地域ゆっくりとして生活できると思って頼んではみたが結局結果は断られた。 「こーでぃねいと」の意味を履き違えているありすの子ありす、それの周りにいた子まりさは必ず軋轢が生じるようになると群れのありす達の反対があったからだ。 皮肉なものだ。ありす種のチャンスをありす種が潰したのだ。 それに今の時期は子ゆっくりを育てて地域ゆっくりとしての教育を施す時期。 途中から入られれば足並みが乱れるし、子ゆっくりの数に対してぱちゅりーの数がギリギリなのも理由の一員であった。 銅バッジまりさがなんとか頼みこんで説得してくれたのはありがたいが、かなり無理をさせてしまったようだ。 せめてあの子ありす達だけでも助けようと思ったが、何もできなかった。いや、何もしようとしなかったのだ。人間を恐れたのか、「とかいは」と言う幻想におぼれた子ありす達を見限ったのか、理由なら後で幾らでもつけられる。 あの子ありす達は助からなかった。ただそれだけの話だ。 所詮、街ゆっくりの殆どから「にんげんとつるむげす」と言われている自分がすればただの偽善なのだろうか? ・・・答えは誰も教えてくれない。 暖かい風が吹いている。あの子ありす達の存在も風に流されて行く様に忘れ去られて行くだろう。 せめて自分が最後まで忘れないでいる事が今できるせい一杯の事なのかもしれない。 過去に書いたもの ふたば系ゆっくりいじめ 504 かりすま☆ふぁいたー ふたば系ゆっくりいじめ 516 サバイバル・ウィンター ふたば系ゆっくりいじめ 527 シティ・リベンジャーズ ふたば系ゆっくりいじめ 582 ビルディング・フォレスト ふたば系ゆっくりいじめ 587 バトル・プレイス ふたば系ゆっくりいじめ 592 コールド・ソング ふたば系ゆっくりいじめ 604 ロンリー・ラック ふたば系ゆっくりいじめ 625 ループ・プレイス ふたば系ゆっくりいじめ 632 フェザー・メモリー(前編) ふたば系ゆっくりいじめ 643 フェザー・メモリー(後編) ふたば系ゆっくりいじめ 690 ウィンター・ブルース ふたば系ゆっくりいじめ 706 シティ・エレジー ふたば系ゆっくりいじめ 1051 街を跳ねるもの達 ふたば系ゆっくりいじめ 1052 UNDER ふたば系ゆっくりいじめ 1069 CLOUDY ふたば系ゆっくりいじめ 1070 静寂な高音 ふたば系ゆっくりいじめ 1079 花と雨と貝殻と 羽付きあきの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 銅バッジまりさ、普通に善良じゃね?銅バッジはゲス化する傾向が多いのに -- 2011-07-20 01 37 23 羽根つきの優しさは、ゆっくり達に伝わるのだろうか… 賢さ故に孤立してるよなぁ -- 2011-01-13 12 03 17 ↓反省や後悔するまで殺されなかった運のいいゆっくりでもあるな -- 2010-09-25 01 29 21 失敗は人間にもゆっくりにもある。がその失敗を反省し自分を振り返ってみて 貴重な経験として後のゆん生に生かす奴は決して愚かでも馬鹿でもない 羽根付きはその反省ができる希有なゆっくり その他の野良はおおむね失敗をすぐ忘れて経験にすることができない馬鹿なゆっくり -- 2010-08-29 09 45 56 馬鹿というか、、後悔したから成長したからな羽根付き。 飼い主をゆっくりさせなかった時点で殺さなかっただけ偉いと思う。 -- 2010-08-20 21 55 16 羽根つきを捨てた人間は馬鹿だ、そう思うだろう? -- 2010-08-05 01 20 44 羽根つきもうゆっくりじゃないだろ。 -- 2010-07-24 16 16 15 ズボン食いちぎられた人間さんは優しいよね ゴミが身勝手な逆上をしなかったらたぶんそれ以上危害を加えなかっただろうね -- 2010-07-23 20 49 15 A あわれなありすね。せっかくとかいはなこーでぃねーとをしてあげたのにすてられるなんて… M やっぱりにんげんさんはゆっくりできないんだぜ。ありすにあやまるんだぜ! -- 2010-07-16 01 31 03 羽付きがゆっくりらしからぬ良いゆっくりだと言う事は解った そしてゴミ一家マジで救えNEEEE -- 2010-07-12 02 46 38 ゴミが数個掃除された 珍しくもないいつもの光景です これが日常 -- 2010-07-12 00 59 25 面白かった。 -- 2010-06-21 01 59 16
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前 翌日、親れいむは家族の中で一番早くおきた。黒い布は取り払われている。 周りには家族がいつものように寝転がっている、ように見えた。 「ゆ!ゆ!ゆああああああああああああああ!!!」 ゆっくり家族が寝転がっている中心には茶色い染みと子まりさの亡がら。親れいむの予想は当たってしまった。 親れいむ以外のゆっくり家族全員はその悲鳴に目が覚め始めた。 「ゆ、なにおかーしゃ・・・・あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」 「まりしゃがあああああああ!!!」「れいむのいもうとがああああああああ!!!!」 「だれなの!だれが食べたの!まりさの赤ちゃん誰が食べたのおお!!!」 子供達の叫びがまりさの一言でぴたりと止まり、そこから犯人探しが始まった。 「れいむじゃないよ!れいむがおねーちゃんを食べれるわけが無いよ!」 「ま、まりさは自分の妹を食べるなんて酷いことをしないよぉ!」 「れいむも!」「まりさも!」「ま、まりさだって!」「れいむもたべない!」 「おとーさん達じゃない!?おとーさん達なら体も大きいからまりさ達を食べることなんて・・・」 「やべでえええええええええええ!!!!」 親れいむが叫んだ。辺りがシンと静まり返る。 「みんなであんなにゆっくりしようって言ってたのにぃ!!なんでみんなそんなこと言うのぉ!! だれが犯人かなんて知りたくない!れいむの子供はみんな大事なれいむの子供だよ!!!」 「ゆうぅ・・ゆううぅ・・・!おがーしゃあん!!!」 「まりしゃがわるかったよぉぉぉ!!!」「ごめんねー!!ごめんねー!!!」 「いいんだよおおおお!!みんなゆっくりしようねええええええ!!!」 その日、男は食べ物を持ってこなかったがビデオも持ってこなかった。 みんなお腹は減っていた、だがゆっくり家族は久しぶりにみんなでゆっくりしたのだ。 夜、いつも通り黒い布が箱を覆っていく。 「おかーしゃん、いつになったらご飯食べれるんだろうね・・・」 「ゆっ!明日またおにーさんにお願いしてみるよ!今日はもうゆっくり寝ようね!」 子供を励ましたものの親れいむは内心不安だった。昨日同様、あのビデオを見せられるのではないだろうか。 例えそうだとしてもいつまでもこのままではいられない。子供達の為にも食べ物を得なければいけないのだ。 親れいむの決心はこの前のモノよりも強く硬いモノとなっていた。 翌朝 親れいむは嗅ぎ慣れた甘い匂いで目を覚ました。 横にいたはずの子れいむは目の前でゴミになって散乱していた。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」 「!!!おかーしゃんだいじょう・・ひいいいいいいいいいいいい!!!!」 「おねえええええええええぢゃあああああああああああああん!!!」 「おおおおおねえぢゃんがしんだおねえぢゃんがしんだおねえちゃんがああああああああ」 「おかーさんどういうこどぉ!!なんでおねーだんがじんでるのぉ!!!」 その理由は親れいむの方が知りたい。昨夜自分が小さな希望を与えてたはずの子供はどこに消えたのか。 どこにどこにどこにどこにどこにどこ・・・ 子供達の口元が茶色い。まりさの口元も茶色い。そして自分の口元は 甘い。 「そそそそそそそそそそそんなああああああああああああああああああああああああ」 「ゆっ?なんかお口の周りが甘いよ?」「ほんとだ!あまいあまい!」 「お~いし~い!」「なんだろうこれ、わからないけどおいしいよ!」 「だめえええええええ!!!それなめちゃだめええええええええええええ!!!!」 自分達が無意識の内に子供を食べてしまったのか?いいや信じたくない。だがそれ以外に考えられない。 だが子供達に伝えるにはあまりにも酷だ、教えられるわけが無い。できるはずが無い。 「れいむうううううううう!!!まりさと子供達がその子を食べちゃったんだよきっとおおおおおお!!!」 今まで黙っていたまりさが叫んだ。なぜ、何故今ここでそれを言ったのか。 「・・なに?なにそれ?」 「え・・・どういうこと?どういうこどおおおおおおおおお!!!?」 「れいむたちがおねえぢゃんだべちゃっだのおおおおおお!!!?」 「この甘いのって・・・おげ!!?おげえええええええええええええ」 「いやあああああああああああ!!!!おねええええだあああああああああああああああああ」 あの日、同族食いビデオを見た日を思い出させる狂気がそこに広がっていた。 それはあの日同様押さえられない混沌、加えて今回は親れいむもその混沌に飲み込まれているのだ。 止められる物は誰もいなかった。 その日ゆっくり家族は誰一人ゆっくりしなかった。皆一様に互いから遠ざかり、叫び続け、ただ叫び続けて夜を迎えた。 黒い布が覆われ始める。 「ゆぅうう!!やめでえええ!まっくらにしないでえ!!!」 「おにーさんお願い!ゆっぐりさせでええええ!!」 「いやあああああくらいのいやああああああああ!!!!」 一点の光も無い完璧な暗闇。ゆっくり家族の誰もが眠るまで体を震わせていた。 それから一週間、夜が明けると家族の一員が一匹減るという状況が続いた。 その度に家族全員の口には餡子がこびりついていた。 そのため一日一日心がヤスリで削られる様に精神を疲労させられたが、体の調子は徐々に良くなっていった。 家族を食べるという行為は信じたくなかったが皮肉なことにその体調の回復が何よりの証拠だった。 残るゆっくりは四匹、ゆっくり両親と子ゆっくり二匹。 もう既に自分達が家族を食べているということを認めているのか、誰が誰を恐れるということは無かった。 部屋の中心でぼうっと天井を見上げてゆっくりする一家。 「おかーしゃあん」 「ゆっ?なぁに?」 「なんでれいむはこんなところにいるの?なんでお外でかけっこできないの?なんで虫さんをたべれないの? お友達のありすはどこ?ぱちゅりーは?みょんは?ちぇんは?お空をとんでるこわいこわいれみりゃはどこ?」 「ゆぅぅ・・・・・・」 「なんでゆっくりご飯食べれないの?なんでゆっくりおねんねできないの?なんでゆっくりお姉ちゃん達と遊べないの?」 「ゆぅ・・ゆぅう・・・・」 「なんで?なんで?なんで?なんで?な・・なんでぇぇぇ・・・!」 「うぐっ・・・!うぐぅっ・・・・・!!」 なんでだろうか。それは親れいむも知りたい。なぜゆっくりできずにここで家族を食べているのか。 だが分からなかった。男が自分達を捕まえ何もせずにいることを。 まりさはあの日からほとんど喋っていない。もう精神がすり切れてしまったのか。 いや、きっとまだ大丈夫なはずだ。そうだ、今日こそは家族の一匹も死なせはしない。 久しぶりの決意、今度こそ砕いてたまるものか。 「まりさ」 「ゆぅ?なぁにれいむ?」 「今日の夜二人で見張りをしようよ。れいむ達と子供達がお互いを食べない様に。」 その言葉の一言一言はゆっくりとは思えない程の意思が込められている。 「もう、家族でお腹いっぱいにはなりたくないよ!」 「ゆぅ、わかったよ!まりさといっしょに家族を救おうねぇ!」 久しぶりの夫婦の会話。親れいむはその言いようの無い懐かしさの様なものに涙が出そうになった。 夜がきた。黒い布が箱に覆いかぶされる。 親れいむの作戦はこうだ。二匹の片方が警備をし、片方がその間に眠るという単純なものだ。 この作戦を成功させる為に四匹は隅に固まって寝ることになった。 暗闇の中では視認できないため動きを敏感に感じ取るしかないからだ、と親れいむの提案。 かくしてゆっくり家族の家族生命を賭けた夜番が始まった。 「ゆっ!じゃあまずれいむが先だよ!まりさはゆっくりねててね!」 「わぁかったよれいむ!ゆっくりねてるよぉ!」 「おかーしゃんがんばってね!」「まりしゃたちもがんばるからね!」 暗闇の中で励まし合う一家。相変わらず周りはその声しか聞こえない。 「ゆぅう!今日はだれもたべないよ!」 家族に体をくっつけてひたすら暗闇に耐える親れいむ。正直暗闇で意識を保ち続けるのはきつい。 「ゆうぅ・・・ゆうぅ・・・」「ゆぅぅん・・・」 子供達の寝息が聞こえてくる。これがあるからこそ正常でいられるのだ。この声が無かったら・・・親れいむに怖気が走った。 一体何時間経っただろうか。もう三日も起きている様な気分だ。 親れいむはもうそろそろまりさと代わってもいいのではないかと思いまりさを起こそうとした。 「まりさ、交代の時間だよぉ。まりさ~どこ~」 暗闇でまりさを手探りで探す親れいむ。そこであることに気づいた。 そういえば何故自分達はこの暗闇の中で子供達を食べることができたのだろうか。 相手の位置が分からない真っ暗闇で互いの位置を把握できるわけが無い。 つまり家族の一員を食べる方法は一つ、黒い布が払われてからだ。 となるとこの夜番は全くの見当違いだったことになる。 「ま、まりさ!おきて!はなしがあるの!」 すぐに代替案を考えなくては。このままでは疲弊したまま朝を迎えてしまうかもしれない。 そんな焦る親れいむに落ち着いた声がかけられた。 「れいむ・・・そこなんだね」 「ゆっ?まり・・あがぁ!?」 親れいむの後頭部への衝撃、この衝撃には覚えがある。この衝撃はあの日・・・あの時・・・ 親れいむが目を覚ました時、辺りはもう黒い布が取り払われ明るくなっていた。 「まりさ!まりさはどこ!?れいむの子供は!?」 辺りを見回す親れいむの目に入ったまりさの後頭部。せわしなく動いているそれに親れいむは緊張した。 「ま、まりさ?なにをしてるの?」 まりさに近づく親れいむ。その足取りはとてもゆっくりしている。 「まりさ、ねえなにをしてるの?ねえ、まり・・まりさあああああああああああああああ」 予感は当たった。 まりさの口には子れいむと子まりさが目を白くして震えていた。 「お゛お゛お゛お゛お゛があ゛あ゛あ゛しゃしゃしゃしゃしゃしゃ」 「ゆゆゆゆゆゆっぐりでぎぎぎぎぎぎ」 子供をくわえているまりさの眼は既に親のものではない。 いつからこんな眼をしていたのだろうか。それは初めて自分の子供を食したあの日からなのだろう。 「まりざあああああああああ!!!なんでごどお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛」 「ゆふふふぅ。おなかすいてたのぉ。おなかがぁ。」 「れいむ達に子供達を食べさせていたのもまりさだったんだねえええ!!!」 「そうだよぉ!死んじゃったら食べれなくなっちゃうからねぇ!」 「まりざあああああ!!こどもをおおおお!!!こどもだぢをかえぜえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!!」 親れいむはその命や魂、全てをかけてまりさに突っ込んでいく。だがまりさはそれを物ともせずにかわす。 あの日から毎日最も食事を楽しんでいたのはまりさだ。そのおこぼれをもらっていた親れいむが体力的に勝てるわけが無かった。 「ゆべぇっ!!!」 思い切り壁にぶつかった親れいむはその衝撃で方向感覚を失った。 まりさが向かってくる。それは分かったがどこから来るのか分からない。勘に頼って右へとはねる親れいむ。 「ゆぎぃいい!!?」 まりさの体当たりは見事にクリーンヒットした。それもそうだ、親れいむはまりさの突進方向へと自ら向かっていったのだから。 そこからは初日と同じ、一方的なストピングが始まった。 だが今日の攻撃と初日の攻撃は全く質が違っている。一つは一対一のタイマンであること。 そしてもう一つは殺し合っている相手が愛し合っていた物同士だということだ。 10分もすると箱の中の声はまりさの息づかい一つとなっていた。 13匹いたゆっくりは今ここでたった一匹となったのだ。 頃合いを見計らって男が入ってくる。 家族崩壊の元凶である人間だがまりさにとってはもうどうでもよかった。 今はただここから出てゆっくりしたい、それだけがまりさの望みだった。 「おにーさんおねがい!ここから出してゆっくりさせて!」 男はたんたんと箱の中を片付けていく。茶色い染みを拭き、ゆっくりの残骸集める。 男は箱の中をゆっくり家族が来る前の状態に戻そうとしているようだった。 「おにーさんお願い!まりさおそとにでたいの!」 まりさは必死に男に願い出たが未だに男はその声を聞こうともしてない。 彼は一体この箱の中に何を入れたと思っているのだろうか。 「おにーさん!むししないでぇ!!きいてよぉ!!!」 集めたゴミと一緒に男は無言で箱を出て行く。当然まりさは箱の中だ。 「おにーさんだしてぇ!!ここからだしてよぉ!!お家かえるぅ!!!!」 まりさを無視したまま男は何かを手に取った。それははっきりと見覚えのある物、黒い大きな布だ。 「まっておにーさん!くらいのはいやあ!!!ひとりでくらいのはいやあ!!だしでええええええ!!!!」 まりさは暗闇の中で男を憎んでいた。 自分の家族を食べさせられたからではない、自分をこんな暗闇の中に閉じ込めてゆっくりさせてくれないことに怒りを感じていた。 むしろ同族の味を教えてくれたことには感謝すらしていた。自分の子供があんなにおいしい物だったとは。 ここから出ることになったら森に行き腹いっぱいゆっくりを食ってやろう。 れいむだけではない、ありす、ぱちゅりー、れみりゃはどんな味なのだろうか。考えるだけでもよだれがでそうだ。 箱に閉じ込められている間、まりさは同族の味への想像だけで腹を満たしていた。 閉じ込められて一週間が経つ時、突如箱の中から声がした。 「ゆぅううぅぅぅう!!!」 「うぎゅ!うべべべべべべべ」 「ゆぅううう!!おもいよおおおお!!!」 どこかで聞いたことがある様な声。その声とほぼ同時に箱にかかっていた黒い布が取り払われる。 まりさの目の前にはゆっくり家族がずらっと並んでいた。 「ゆ・・・ぐぎいい・・・」 まりさは喜んでいた。久しぶりの食事が同族とはなんと豪勢な。 「ぎぎ・・・ゆっくりくわせろおおおおおお!!!」 勢いよく子供にかぶりつこうとするまりさの目の前にその家族の両親が立ちふさがった。 「子供達は食べさせないよ!」 「そんなまりさとはゆっくりできないよ!!」 まりさに渾身の体当たりをかます親まりさ。 一週間食事をとっていないまりさはその最初の一撃で地面にへたってしまった。 そこにすかさずストピングの嵐をかけるゆっくり家族。 「れいむ達を食べようとするからこんな目に遭うんだよ!ゆっくり理解してね!」 食欲はあれど体力は無い。まりさは力なくただその攻撃を受けるだけだった ゆっくり家族の攻撃が終わると外で様子を見ていた男がぼろぼろのまりさを連れ出した。 彼はまりさを抱え込んで初めて口を開き囁いた。 「あれがお前が捨てた家族の姿だ。」 まりさの脳裏を子供達とのれいむとの思い出が駆け巡りその光景が目の前の家族に重なった。 まりさは涙を流した。流すしかなかった。 思い出よりも食事をとったまりさにとっては、目の前の家族が自分達と同じ末路を辿らないことを泣きながら祈るしかなかったのだ。 だが男が考えていることはゆっくり家族の末路などでは無かった。 今回の家族は一体何本のビデオテープを見ることになるのか、ただそれだけを考えて今日も男はテープをセットする。 このSSに感想を付ける
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おかされいむ 19KB 観察 実験・改造 れいぱー 自然界 都会 ぺにまむ 「餡子ンペ09」3.改造「無双」 ※独自設定垂れ流し。 ※注意!ぺにまむすっきり大量。本当に大量。 ※餡子ンペ出展。 ※四十八手あき様の絵より多大なインスパイアをいただきました。この場を借りてお礼申し上げます。 「ふぅ…。」 丘を登り終えると、お兄さんは汗を拭いて一息ついた。 研究一辺倒で篭りがちの彼には、ゆるい上り坂でもちょっときつい。 「さあて、ここにいるかな…。」 近くの村で彼が聞いたところ、小規模ながらここに群れがあるらしい。 その中に、私の目当てのゆっくりがいるといいのだが。お兄さんはそんなことを考えていた。 「おかされいむ」 必殺引篭り人 お兄さんが休んでいると、一匹のゆっくりれいむが通りかかった。 「ゆっくりしていってね!」 そのれいむに彼が声をかけると、 「…ゆ、ゆっくりしていってね!」 驚きながらも返事を返した。 「ちょっと聞きたいことがあるんだ。何もしないから話をさせてくれないか?」 「ゆっ!にんげんさん、おはなしってなに?」 彼には驚きだった。野生種だから警戒心が強いかと思っていたのだ。 「実はすごく母性の強いゆっくりを探しているんだ。」 「ゆー!それなられいむがそうだよ!れいむはむれのなかでいちばん『ぼせい』がつよいよ!」 れいむ種は母性(笑)が売りのゆっくりだ。まあそう答えるだろうな、とお兄さんは感じた。 「ただ強いだけじゃダメなんだ。すご~く強い、もうお母さんになるしかないっ!ってくらいの 強さじゃないと。」 「れいむはもうおかあさんになるしかないっ!くらいつよいぼせいだよ! むれのなかじゃ、れいむのぼせいにあやかりたいってゆっくりがいっぱいなんだから!」 ウソつけ。 お兄さんはつい本音を言いそうになった。が、ここはぐっとこらえてもう一度確認する。 「本当かい?じゃあ、すごく美ゆっくりなゆっくりまりさが 『れいむの赤ちゃんを産みたいんだぜ!』 とか言ったられいむはどうする?」 「ゆゆっ!?そんなのゆっくりしてないよ!あかちゃんをうむのはれいむのやくめだよ!」 「そのまりさがまむまむを開いて 『れいむのぺにぺにでおそらにとばしてほしんだぜ!』 って言ってきたら?」 口にしたら、さすがに鳥肌がたった。寒気のする発言をしてしまった。お兄さんは後悔する。 しかしれいむの返答はさらにおぞましかった。 「ゆーっ!そんなのまりさじゃないよ!まりさは、まりさはぺにぺにをぎんぎんにして れいむにおそいかかって、それでれいむのばーじんなひみつのはなぞののまむまむと いっせいいちだいのおおしょうぶを…。」 ごめんなさい。それ以上聞きたくありません。お兄さんは意識を強制パージしてしまう。 その後、れいむが5分以上も必死に訴え続けていたのだが、彼の意識は完全に現実から切り離されて おり、何も聞いていなかった。 5分後。 「…はっ!?そ、そうなのかー。すごくぼせいがつよいのかー。」 つい棒読みになってしまうお兄さん。なんだか変な口調になっていた。 「ゆゆゆ!!やっとわかってくれたの!?ゆっくりりかいしてね!」 れいむは必死だ。…そう、彼の求めているのは、こういうゆっくりなのだ。 「話を聞かせてくれてありがとう。お礼にこのあまあまをあげるよ。」 お兄さんはケースから一粒のお菓子を取り出した。 「あまあま!?ほしいよ!れいむ、あまあまたべたいよ!」 「じゃあ口を開けて。」 あーん、と開けた大口に放り込む。ぱああ、と喜びの顔になるれいむ。 彼はさらにケースから何粒か取り出して口に放り込んだ。そのたびにうれしそうな顔をする。 しかし、その顔もすぐに変わった。まぶたを重そうにしているれいむにさらにお菓子を食べさせると、 あっというまに眠ってしまう。 そう、どんなゆっくりも眠ってしまう魔法のお菓子。その名をラムネという。 お兄さんは眠り込んだゆっくりれいむをリュックサックに入れると、その場を後にした。 研究所に戻った彼は、さっそくゆっくりれいむの処置にかかった。 傍らには大量の栄養剤を投与し、さらに電気あんまを仕込んだ床の上で振動を与え続けている ゆっくりありすがいる。実はこのありす、れいぱーなのだ。 今このありすの頭の中には、ほかのゆっくりと『とかいはなあい』を交わすことしかない。 完全なるれいぱー状態だ。 お兄さんの研究は、このれいぱーの性質を逆転させられないか、というものである。 れいぱーありすの体液をほかのゆっくりに投与すれば、確かにそいつはれいぱーになる。 これは当然。では逆は? つまり、『犯されまくりたい』という状態、ニンフォマニア(女子色情症)なゆっくりは作れない のか、ということだ。 れいぱーありすの体液では『犯したい』という状態にしかならない。振動だけでは『すっきり』 すればすぐに元に戻ってしまう。 れいぱーのごとく無限に続く発情、それを実現させるにはどうすればいいか。 まずは無限の発情、これはれいぱーの体液を使う。 次に『犯されたい』という受け状態をどう確保するか、であるがこれには『母性(笑)』を使う ことにした。母性とはメスの気質が根底にある。より強力な母性を持つものは、それだけメス、 つまり『受けたい』という力が強いはずである。そのためにこのゆっくりれいむを捕まえたのだ。 (↓ここから下は気色悪いので読み飛ばしてくださって結構です↓) お兄さんはありすから体液を注射器で大量に取り出した。大量出餡にあたる行為だが、栄養剤の おかげでありすはぴんぴんしている。 次にこの体液を2つに分け、片方にラー油を混ぜる。下準備はこれで完了だ。 眠っているれいむにさらに数個のラムネを追加する。寝ていてももぐもぐと口を動かして食べる ほど、ゆっくりは甘味好きである。 れいむを振動盤にのせると、すぐにあごの下あたりにまむまむが見え始めた。 まずはれいぱーの体液をガラス棒にたっぷりと取り、まむまむに突っ込む。まむまむの内側に 大量の体液をしっかりと塗りこめていく。 その体液は不思議とよくなじむ。まむまむの内側はしっとりもちもちに変化していくばかりか、 体液をどんどんと吸い込みさらに妖しくてらてらと光っていく。 次に、まむまむの奥底にラー油添加の体液を落とす。数本のガラス棒でまむまむを開けば後は その中に落とすだけでいい。これで、いくらすっきりしてもラー油効果でにんっしんっは しない。 れいぱーの体液はなぜかすごく高性能で、痛みを感じさせない成分がある。 これとまぜることでラー油による痛みをれいむに感じさせずにひにん!が完了する。 あとはおでこのあたりにラー油添加体液をぬる。これで植物型にんっしんっもひにん!完了だ。 最後に体液をオレンジジュースで薄めたものをれいむの体のあちこちに注射しておいた。 仕込みは万全だ。 (↑ここまで。要するにれいむはすっごく改造されちゃいました。↑) 研究お兄さんは先ほどゆっくりれいむと出会った丘に戻った。いまだ眠り続けるれいむを草むらに 投げ込むとすぐに研究所に引き返す。 れいむにはリボンに高性能小型カメラ&マイクを仕込んである。これで研究所にいながられいむの 様子が観察できるわけだ。 そして研究お兄さんが見たもの。それはこのれいむの、世にもおぞましい転落のゆん生だった。 「ゆぴー…、ゆぴー…、…ゆ…?ゆっくりしていってねっ!」 元気に目覚めると、そこはいつもの丘だった。話していた人間もいない。 「ゆー?にんげんさん、かえっちゃったの?れいむ、ゆっくりねむっちゃったんだね!」 ついうっかり、などと考えているに違いない。眠らされて体を改造されたというのにのんきな事である。 そこに群れの仲間のまりさが通りかかった。 (ゆっ!あれはまりさ!…ゆー、まりさは本当に美ゆっくりだね!れいむ、およめさんになりたいっ!) などということを考えているのだが、口からもれた言葉は、 「まりさはびまりさだね!れいむ、まむまむがうずいてたまらないよ!」 大変に下品な内容だった。どういう餡子脳変換だろうか。もしかするとれいぱーの体液が中枢餡に 影響したのかもしれない。モニターを見つめる研究お兄さんは思った。 「ゆっ!れいむ!ゆっくりしていってね!」 「まりさ!ゆっくりしていってね!…それと、れいむですっきりしていってね!」 発言がストレートすぎる。 「ゆゆゆぅ!?れいむはまりさとすっきりしたいの!?」 「そうだよ!もうれいむのまむまむ、えくすぷろーじょんしそうだよ!」 「じゃあまりさのぺにぺにでますたーすぱーくしようね!」 聞くに堪えないんですけど…。自分でやっておいてなんだけど、もう監視カメラの音声映像を止めたい 気分だ。研究お兄さんはしかめっ面をしていた。 彼の気持ちなど当然のごとく無視し、2匹はあっという間にすっきりをし始めた。 「ゆっ、ゆっ…!れいむのまむまむ、きゅんきゅんしめつけてくるね!」 「いいよぉ…!まりさのぺにぺにがれーばてぃんさんだよぉ!」 「そろそろ…、いくよ!」 「れいむも…!」 「「すすすすすっきりー!!」」 さあ、ちゃんとひにんっ!はできているのか?ぐぐいっ、とお兄さんがモニターに近づく。 さすがにカメラはれいむのおなかを映せないため確認できない。ただ、画面の端を確認すると 頭から茎は生えていないようだ。画面下のれいむの肌はツヤツヤもちもち、さらにしっとり しているように見えた。 「ゆゆん…、れいむのまむまむはさいこうだよぉ。まりさついがんばっちゃった!」 「ゆーん、れいむもだいすきなまりさとすっきりできてしあわせー!だよ。ふたりであかちゃん そだてようね。」 「ゆっ!そうだよ。あかちゃんはげんきなの?」 そういってれいむを見る。しかしそのおなかは大きくなっていない。頭にも何も生えていない。 「れ、れいむ…?ぽんぽん、おおきくなってないよ…?あたまにもくきさんがはえてこないよ…?」 「ゆふー、ゆふー…。なにいってるのまりさ?れいむはまりさのあかちゃんをにんっしんっ…、 ゆゆゆゆ!?!?」 体に何も変化がない。まりさが落胆したのも当然だ。野生種にとって、赤ゆっくりは最上のゆっくり できる贈り物。好きな相手が赤ゆっくりを産めないとなれば、 「ゆっ!!れいむはにんっしんっ!できないだめゆっくりなんだね!もうれいむなんていらないよ!」 こうである。まりさはれいむを見限り、あっという間に群れへ帰っていった。 「ゆーっ!まってまりさ!れいむは、れいむはにんっしんっ!できるよ!」 れいむの声がこだました。 大好きだったまりさに捨てられ、落ち込んだれいむ。仕方なく群れに帰っていった。 そう、今まさに地獄と化そうとしている群れに。 「ゆー…、ゆっくりただいまだよ…。」 そう挨拶をしながら群れの広場に入る。そこには…。 「わ゛がら゛な゛い゛よ゛ー!」 「ごん゛な゛の゛どがい゛ばじゃな゛い゛わ゛!」 逃げ惑う群れの仲間達。それを追いかけるのは 「まちなさい!ありすがさいこうのあいをあげるわ!」 「こっちのありすはとかいはね!ありすのしこうのゆっくりをそそぎこんであげる!」 れいぱーありす達だった。群れはれいぱーに襲われていたのだ。 「ゆゆゆーっ!?」 れいむはあまりの出来事に驚き、すっきりの疲れもあって動けなくなってしまった。 そこにれいぱーが襲い掛かる! 「ゆ~ん!なんてとかいはなれいむなの!?」 「まあ、こんなにまむまむをくぱぁっとさせて!」 「ありすたちをさそってるのねぇぇええ!?」 どうやられいぱーの体液をたっぷりととりこんだまむまむは、ゆっくりを誘う力があるらしい。 てらてらと光り、ぬめぬめとうねるその部分は、火が害虫を誘うがごとくゆっくりをいやらしい気分に させて引き寄せる。 (い、いやだよ…、れいむはれいぱーなんてだいきらいだよ…。) そう思うものの、れいむの餡子の奥がなぜかうずく。 (ど、どうしたの…?れいむ、れいぱーのことなんてだいきらいなのに…、きもちわるいはずなのに…。 どうしてこんなに惹かれてるの!?) なお、この思いが口にもれるとこうなる。 「ゆー、れいぱーはすごくゆっくりとすっきりできそうだよ!さっきのまりさみたいなそーろーじゃ たのしめないよ。れいむはれいぱーとすっきりしたいよ!」 すごくストレートな発言に変換されていた。 もちろんありす達はその言葉に興奮も頂点だ。 「むほおお!なんてとかいはなの!いいわ、ありすがごくじょうのすっきりをあげる!」 「ありすにあいされてれいむはしあわせものよぉぉおおお!」 「いっぱいあいをそそぎこんであげるわぁぁぁ!」 一気にれいむに襲い掛かる。 「いいよっ!れいむですっきりして!れいむはいっぱいありすとすっきりしたいよ!」 この異常な状況で気がふれてしまったのか、それとも餡子の奥底から沸き起こる情欲に身をまかせて しまったのか。 れいむは素直にれいぱーを受け入れた。 「みんなっ!あそこでいやらしくゆっくりしているれいむがいるわ!」 「なんてとかいはなの!あんなにゆっぽりとぬれているまむまむははじめてだわ!」 群れの仲間を追い回していたほかのれいぱー達も、れいむに引き寄せられていく。 れいむを中心に、すべてのれいぱーが集まった。交代でれいむのまむまむをギンギンのぺにぺに で貫き、それをまっているありす達はれいむの頬といわず全身をすりすりで攻め上げていた。 「むほおお!すぐにありすのあかちゃんをはらませてあげるわあああ!」 「さあ、いっぱいありすのあかちゃんをうんでねぇぇぇ!」 ちなみに研究お兄さんはこの映像をみてあまりのおぞましさに吐き気を催しトイレに駆け込んでいた。 れいむ vs れいぱーありす軍団。恐ろしくもおぞましい勝負の結果は。 れいむの圧勝であった。 「ゆっ…、も、もうすっきりー!できないわ…。」 「ぜつりんすぎる…。こんなのとかいはじゃないわ…。」 「これいじょうはありすのあいがぶろーくんよ…。」 「なんでこれだけあいしてあげたのにあかちゃんができないの…。」 れいぱーありす達はすべてのすっきり能力を使い果たし、ヨボヨボになっていた。 れいむはというと。 「まだまだたりないよ!ありすたちはそーろーだね!」 とても元気であった。これにはモニター前の研究お兄さんも唖然としている。 (注射した体液がおかしな作用をしているのか?それともれいむの母性(笑)との相互作用の 結果だろうか…。なんにせよ、面白いデータが取れたな。) 元気どころかれいむはさらにお肌ツヤツヤ、しっとりもちもちとなり、健康そのものであった。 (どうやらありす達に注ぎ込まれた愛、じゃなくて精子餡が栄養分になってるようだな。 れいむはひにんっ!済みの個体。赤ゆっくり用に高栄養の精子餡が、赤ゆっくりができない ために母体の栄養になってしまっているのか。) 研究お兄さんからは見えないが、れいむのまむまむはさらに妖しく光っていた。小さな穴ではあるが、 ゆっくりが見れば一目でわかる。恐るべき誘引力をもったまむまむとなってしまった。 れいぱーありす達がれいむによって追い払われると、群れの全員がれいむを取り囲んだ。 「すごいわれいむ!あのれいぱーたちにかっちゃうなんて、すごくとかいはよ!」 「わかるよー!れいむはきゅうせいしゅなんだねー!」 「むきゅっ!ありがとう、れいむ!おかげでむれはすくわれたわ!あなたはむれのえいゆうよ!」 そんな感謝の言葉も、今のれいむには届かなかった。 (ゆぅ…。もっといっぱいすっきりしたいよ…。…れいむ、どうなっちゃったの?まえはこんな いんらんなことかんがえなかったのに…。) そんなことを考えていた。しかし口から漏れたつぶやきは、 「あのありすはそーろーだったよ…。あしたからつぎのえものをさがさなきゃ…。」 なんとも素直な言葉だった。 次の日。群れに2度目の災厄が襲い掛かる。 (…ど、どうしよう…。れいむ、すごくへんだよ…。あさからまむまむがじゅんじゅんするよ…。 こんなところ、ほかのゆっくりにみられたら…) 心の中では一応、以前のれいむとして考えている。 「おはようだぜ、れいむ!きのうはすごいかつやく…。」 だがゆっくりを前にすると、口が勝手にしゃべりだす。 「いいからさっさとぺにぺにだしてね!れいむのまむまむはじゅんびばんたんだよ!」 「なにをいって…、ゆ、ゆぎゃぁぁぁ!?」 「おはようれいむ!すごくとかいはなあさね!きのうはほんとうに…。」 「なにむだなあいさつしてるの?ばかなの?しぬの?」 「え、れいむあなたなにを…。い、いやぁぁぁ!?とかいはー!?」 「おはようなんだよ、れいむ!むれのえいゆうはとってもはやおきなんだねー、わかるよー。」 「ばかなまんじゅうどもをせいてきないみでくいたいだけだよ。」 「!?!?わ、わがらないよー!?ら、らんじゃまぁぁぁー!!」 出会うゆっくりは皆、れいむの餌食となっていった。恐るべきはそのまむまむ。妖しく光を反射 するソコは見るゆっくりすべてをギンギンのぺにぺににさせる最終兵器。 「むきゅー…。れいむ、わるいけどむれからでていってほしいの…。」 「どぼじでぞんなごどいうのぉぉぉ!?」 どうしても何も、群れのゆっくりのほとんどを『喰って』しまっているのだ。 番がいるゆっくりには強度の不和を、独り身のゆっくりには『すっきりへの恐怖』を。 れいぱーが襲ってきた以上に恐怖を撒き散らしているれいむを、群れの長であるぱちゅりーは 寛大にも追放処分で済ませようというのだ。 結局、群れのゆっくり達の怒号もあり、れいむは追放されてしまった。 普通のゆっくりであれば群れから距離を置き、森の中で自活すれば済む事も、今のれいむには完璧に 無理であった。なにせあのれいぱー群を一人で受けきったのだ。もうすっきりー無しの生活など 考えられない。むしろすっきりーこそが生活なのだ。 森の中にはいられない。れいむは森を出て街を目指した。 「…ゆゆっ!?な、なんていやらしいゆっくりなんだぜ!」 街のはずれ。そこで出会った野良ゆっくりまりさはれいむを一目見てとりこになってしまった。 しかしそこは街ゆっくりとしてのプライドがある。つい罵るような口調になってしまう。 (ゆー、このまりさはきたないよ…。) 「ゆ!まりささまをみてほれそうになってるのぜ?いいのぜ、ほれて!」 (あめさんがふったあとにおそとへでても、このまりさほどきたなくならないよ…。) 心の中で反発しても、 「まりさはそーろーまりさなの?そうじゃないなら、れいむのここでしょうめいしてね!」 もみ上げで自分のまむまむを指し示す。心と体の乖離は進む一方だ。 「ゆゆゆぅ!?まりささまをばかにするんじゃないんだぜ!てんごくにうちあげてやるんだぜ!」 そういってれいむに襲い掛かる。 「ゆっゆっゆっ!どうなんだぜぇ!?すぐにすっきりー!させてやるんだぜぇぇ!」 「どうしたの!?もっとはげしくできないの!それじゃほかのまりさとおなじだよ!」 ちなみに心の中ではこう思っている。 (こんなげすなまりさにおかされるなんて…!?でもくやしいっ…かんじちゃう…、ゆっ!ゆっ!) 悲劇のヒロインに酔っていた。ある意味では心と体は乖離していないのかもしれない。 そんなれいむの葛藤(?)も知らず、まりさはれいむに襲い掛かる。 れいむはれいむでもみ上げを器用に使い、まむまむをくぱぁっとさせていた。 「ゆっ!ゆっ!ど、どうなんだぜぇ!まりささまのびっぐぺにぺにですぐにすっきりー!させて やるんだぜぇ!」 「ゆっ、ゆぁん!な、なかなかだね!でもまだだよ!」 ちなみに研究お兄さんはもうすっきりー!の様子は見ないようにしている。対れいぱー無双の際、 あまりの気色悪さに吐いてしまったためだ。 「ゆっ!そろそろとどめなんだぜ…!ゆゆゆぅぅ…、すっきりー!」 「すっきりー!」 「…ゆはぁ、ゆはぁ…。ど、どうなんだぜぇぇ…。まりささまにほれたんだぜ!?」 「…ゆー!こんなんじゃたりないよ!」 れいむはまだまだ元気だった。自分にのしかかったままのまりさをお腹でぶるぶると震わせ、ぺにぺに をもう一度復活させる。 「な、なにするんだぜ!?」 「こうするんだよっ!」 れいむのモチモチお腹がボヨンとまりさを打ち上げる。 「ゆー!おそらをとんでるみたいなんだぜー!」 そして落ちてきたまりさをまむまむで受け止める! 「ゆっ!これくらいじゃないとれいむはまんぞくできないよっ!もういちどっ!」 「ゆー、おそらを…」×10回 「これでとどめだよっ!ゆっ!!」 「「すっきりー!!」」 れいむの対れいぱー奥義『すっきりすぱーく』が炸裂した。本来はれいぱーありすをうまく誘導し、 すっきりさせる際に地面に打ちつけるものだが、れいむはこれを純粋にすっきりのために使っている。 「ゆゆーっ!?」 まりさが大量に精子餡をれいむに放出した。改造版すっきりすぱーくの効用がこれだ。 まりさが急激にしおれていく。それに比例してれいむはツヤツヤのモチモチ、性欲全快の顔つきだ。 「ゆっ!なかなかだったよまりさ!」 「…ぜはぁ、ぜはぁ…。も、もうすっきりーなんてごめんなのぜ…。」 しおしおになってしまったまりさにお義理の礼を言うと、れいむはこれからのすっきりー!性活に 胸を躍らせながら街の中へと跳ねて行った。 その後れいむは街のゆっくりを一匹残らず『喰って』いった。研究お兄さんもさすがにこれ以上は 無意味と考え、モニターを切ってしまう。 「ふぅ、結局あまり有用なデータは取れなかったな…。れいぱーがある種の個体数調整にかかわって いることは確かだが、逆れいぱーには何の意味もなかったか…。ま、自然界に逆れいぱーが いないのが何よりの証拠かもな…。」 しかしお兄さんの考えは間違っていた。短いスパンで見ればただキモチワルイだけだが、長期で見た 場合に逆れいぱーは異なった影響をゆっくりの集団に与えたのだ。 「ねえまりさ!そろそろとかいはなあかちゃん…、つくらない?」 森の群れで番になった若妻ありすが言う。しかしその言葉にまりさは。 「…ゆ、ゆわぁぁぁ!?!?ずっぎりはごわいよぉぉぉ!!」 逆れいぱーれいむに喰われたときのことがトラウマとなり、まりさは『すっきり恐怖症』になっていた のである。 街も同様にすっきりを異常に怖がるゆっくりであふれかえってしまった。 こうして1匹のゆっくりにより、森の群れと街の野良ゆっくり達は赤ゆを作れなくなり、その個体数 を減らしていった。 図らずも研究お兄さんは手間のかからないゆっくりの根絶方法を作り出したわけだ。 街の野良ゆっくりがれいむを恐れて逃げ出すようになって数週間。れいむは『すっきり禁断症状』に 悩まされていた。 そしてれいむは禁断の方法に手を染める…。 「ゆゆうううううう!!ぞごの美お兄さんんんんん!! でいぶでずっぎりじでぐだざいいいいいいいい!!」 れいむはもみ上げをしきりにまむまむへと突っ込む。ジュボジュボと妖しい汁を噴出させて 誘うれいむ。 「いやらしい雌饅頭のまむまむをお兄さんのぺにぺにでめちゃくちゃに虐待してくださいいいいい!! でいぶを、でいぶをはやくおぞらにどばじでぇぇぇ!!!」 そう、れいむは人間を誘っているのだ。それも浮浪者達を。 「おうおう、このオナホは元気がいいなぁ!」 「ああ、なかなかのモノだったぞ!」 「おいおい、ゲテモノ喰いにもほどってもんがあるだろ!」 「いやいやいや!試してみろって!なかなか従順だし、なにより感触は最高だぜ! しかもあったけーしな!」 「…、確かに最初は気色悪かったが、よくよく見りゃなかなかのモノっぽいな…。」 「なっ!試してみろって!」 「はやく!はやく雌饅頭をめちゃくちゃにしてくだざいいいいい!!! もうでいぶはどうなっでもいいでずがらぁぁぁ!! ここを、ここをぶちこわしてほしいんでずううう!!」 浮浪者たちに囲まれ、れいむはどこまでも幸せだった。 …どうしたんだろう俺。こんなもの書いて、なんか変なものでも溜まっているんだろうか…? 批判は甘んじて受けます。 次回からは短編、直接虐待と言葉攻めの2本を考えております。 できたらその次に希少種しあわせー!物を書いてみたい。 過去作品 ふたば系ゆっくりいじめ 111 効率化の道 ふたば系ゆっくりいじめ 147 陰口 ふたば系ゆっくりいじめ 177 人間の畑だと説得してみよう ふたば系ゆっくりいじめ 182 どすすぱーくをうつよ! ふたば系ゆっくりいじめ 216 子まりさの反乱 ふたば系ゆっくりいじめ 248 ゆっくりできない理由 ふたば系ゆっくりいじめ 387 れいむはよげんしゃ ふたば系ゆっくりいじめ 464 ゆ身売買 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 性的な意味でが、今年の流行語大賞だね -- 2013-04-02 10 05 30 このれいむほしい 一緒にすっきりしたい このれいむで部屋を埋めつくして 毎日すっきりー!! ってしたいよ!!!! んほおおおおおおおぉぉぉ!!!!! -- 2013-01-10 18 05 44 このれいむキモ過ぎる。 ・・・・・・ふぅ。 -- 2012-07-31 14 59 11 これはひどいw…性的な意味で -- 2012-04-03 23 59 23 ちょ、ヤバッ、オェェェェェェェッ、ウェ -- 2012-03-27 01 30 24 浮浪者と聞いて 『私が僧衣を脱ぐ日』を思い出した -- 2011-11-24 20 04 20 モルダーあなた疲れてるのよ…性的な意味で -- 2011-10-18 23 11 26 気持ち悪いわッ!! つうか不死身かよこのれいむwwww -- 2011-08-16 17 07 50 吐きそう・・・ -- 2011-02-14 00 39 07 …これは…実現すれば売れるぞ!! -- 2010-12-14 05 11 55 いやちょっとキモくて駄目だわ -- 2010-11-26 07 12 44 良いアイディアだ。感動的だな…性的な意味で -- 2010-10-13 17 56 42 これはひどい。性的な意味で。 -- 2010-09-16 18 52 38 続きが欲しいわ。 性的な意味で。 -- 2010-09-16 11 36 58 おもしrかったわ。性的な意味で。 -- 2010-08-15 22 13 29 こういうの好きだわ。性的な意味で。 -- 2010-08-12 02 22 48
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「あら、これが紫が言っていたお饅頭ね」 その日、西行寺幽々子は一人で魔法使いの森にやってきていた。 少し前に幻想郷に現れたゆっくりというものを見る為である。 妖夢を連れては、何かと小言が多くゆっくりゆっくりを見る事も出来ない。 白玉楼、それも中庭だけでなく白玉楼階段の方まで手入れをしておくよう言ったので、 しばらくは幽々子がいない事に気がつかないだろう。 「ねぇ、あなた」 「ゆ?」 「あなたが・・・ゆっくり?」 丸みを帯びた生首、あの白黒の魔法使いに似ていると言っては怒りそうだが、 どことなく似ているゆっくり。名前も『まりさ』と言うらしい。 「まりさはまりさだよ」 「ふぅん」 『まりさはまりさだよ』一人称を使えないって紫が言っていたのは本当だった。 妖怪とも妖精とも付かないから、自分の領分かと思ったがそれも違うようだ。 完全な自立人形のようなものでもない。この動く饅頭は限りなく脆い。 魂というものが妖怪や人間と違い、極単純なものであり、それが器と言うには余りに脆弱な皮で覆われている。 人間ならば、皮や骨、肉があり、中にある臓器と言うものが複雑に絡まり合う事でその強度を保っているが、 これは、ゆっくりは。 「おいで・・・」 幽々子がそっと手招きをする。 ゆっくりまりさはゆっくりした手の動きに誘われ、ぽよんと一歩跳ねる。 「もっと、こちらへ」 もう一歩、もう一歩、ゆっくりまりさは森の中で暮らしてきたから人間を知らない。 ましてや、亡霊などと言うものは想像もつかない。説明されても理解できない。 生者にとってあまりに危険な幽々子の力を、まりさは理解しないまま歩み寄る。 一歩、一歩、まるで地獄の淵に吸い込まれるように。それでいて桜の花びらが散るように。 「さぁ、いきましょう」 まりさは着地に失敗する。普段通り跳ねたはずだが、足ではなく顔から着地してしまった。 運悪く地面には石があり、その上をずりっと滑ってしまったせいで、顔の皮が破れ、 右の目頭から上唇にかけて大きな傷が付いてしまったが、 まりさは痛がる事も泣き叫ぶ事もない。着地に失敗する前、先ほど飛んだ瞬間からもう死んでいる。 「もう?軽いのね」 蓬莱人の魂が持ち上げられぬ鋼の山とすれば、まるで吐息で飛ぶ羽毛。 死んだまりさの亡骸をしばらく珍しそうに見ていると、何匹か他のゆっくりもやってきた。 とっさに幽々子は木の陰に隠れる。どういう反応を示すのだろう。 「ゆっ!まりさ?!」 死んでいるまりさに駆け寄ってくる。 どれもこれも幻想郷に住む者にどこか似ている。 霊夢、アリス、パチュリー。何でもれいむ、ありす、ぱちゅりーと名前まで同じらしい。 「むきゅー!まりざぁー、どうじでぇじんじゃっだのぉお?!」 その中の、ぱちゅりーがまりさに頬ずりしながら泣き叫ぶ。 泣く事もできるの。人間の顔と同じギミックがあるのかしら、 しかし、これは。幽々子は思わず笑ってしまう。 先ほどのまりさが羽毛ならば、このぱちゅりーというのはもっと軽い綿毛、 いや形容できるものがすぐに見つからない。 口元を隠していた扇子でそっと、風を送ってやる。 「まりざぁああ、ぱぢゅりーをおいでいが」 死んだ。軽い、本当に玩具みたいな命。 また笑いが込み上げてくる。木の裏にせっかく隠れたのにこれでは見つかってしまう。 ぷっ、くふふふ・・・。 「ゆ、だれかいるの?!」 ああ、見つかってしまった。気づいたのはゆっくりれいむだ。 あの巫女もこれほど機敏に動けば、月がおかしくなった事ももっと早く解決できただろうに。 「見つかちゃった」 「ゆ?ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていっていいわよ」 れいむとありすがそう言う、しかし、もう一匹言うはずのぱちゅりーが何も言わない。 れいむ達はそこではじめてぱちゅりーの異常に気付く。 遅い遅い、軽いのに遅いのね。ホント、ゆっくりしてるわ。 「ぱ、ぱちゅりー?」 「れいむ、ぱちゅりーしんでるわ!」 「ゆーぅ!!ほんとだ。ゆっくりできないよ」 れいむとありすが騒ぎだす。静かな森の中で二匹が大声を出して、うるさい。 幽々子は扇子を畳み、れいむ、ありすのいる方向に向ける。 そして、二匹を一線に切るようにして宙を薙ぐ。 再び森は静かになる。と思ったが、 「ゆっくりが騒いでいると思って来てみたら、亡霊がいるなんて」 「ふふ、人形遣いさんは魔法使いと違って森で過ごす事が多いのかしら、ここに異変が起こるとでも?」 「ただ人間が迷い込んだのかと思っただけよ」 アリス・マーガトロイド、他人には無関心なのに、この森には執着するのはあの魔法使いが住む森だからだろうか、 この森の動植物全て、死に誘ってやれば、この人形遣いは本気で。 「で、それは何?」 幽々子の思考をアリスの言葉が止める。指さした先には4匹のゆっくりの亡骸。 「ああ、冥界ってゆっくりがいないの、だから、ここで試したの。これが生きているかどうか」 人間だった頃に聞けば、怖かっただろう。アリスは噛みしめる様に頷く。 「紫が言うの、もしかしたら人里に被害が出るかもしれないって。でも、これなら紫の心配も無駄に終わりそうね」 そこへ、ゆっくりがまたやってくる。 今度はまりさとれいむ、それに小さいのまで。子ども、それならおそらくこのグループは家族だ。 「ゆ、このあたりでぱちゅりーのこえがしたよ」 「あ、にんげんちゃんだ」「ゆっきゅりちていってね」「ゆっきゅりできりゅひと?」「まりちゃとあちょぼー」 「おねーさん、ぱちゅりーたちをみなかった?ゆっくりおしえてね」 スッと、その家族の方へ扇子を向け、アリスに目をやる。 知りたくもない。見たくもない。とばかりにアリスは後ろを向き今来た道を帰って行く。 あの人形遣いも別に味方じゃない。どうやら、本当に人間が迷い込んだと思っただけらしい。 ならば、別に止める事もない。 「遊んであげる、おいで」 一匹の子まりさが幽々子方へ寄ってくる。 幽々子の手招きはゆっくりしていて、分別の付かない、 ゆっくりしたい欲求が強く、それにより周りの見えなくなる子どもには効果は絶大だ。 「ゆっくりできりゅおねーしゃんだぁー」 親に安全かどうかも確かめず、子まりさは駆けだす。 「ゆ?まって、おちびちゃん!」 親まりさが呼び止める。その声に子まりさは振り向く。 「どーちたの?」 「おねーさんはゆっくりできるひと?」 その問いかけに幽々子は笑顔で答える。しかし、これは肯定とも否定とも取れる曖昧な返事だった。 それにこっちには仲間がいるはずだが、さきほどから見当たらない。 この人間は危ないかもしれない。親まりさは子まりさを引き留めようとする。 「おちびちゃん、ままのところでゆっくりしようね!」 「遊んであげるわ、おいで」 普段なら親まりさの言う事を聞かないなんて事はなかった。 しかし、ゆっくりにとってゆっくりできるという事は何事にも代えがたい幸せなのだ。 「遊びましょ、手の鳴る方へ」 ゆっくりと幽々子は手を叩き、パンパンと鳴らす。 すると、子まりさは迷いながらも幽々子の方へ行こうとしてしまう。 「ゆっ!おちびちゃん、ダメだよ。ゆっくりできないよ」 親まりさは急いで飛び出す、子まりさの背中を銜え、引っ張る。 他の子たちや親れいむも、一緒に子まりさの事を必死で呼びとめる。 「ふふ、少し重くなったわね」 幽々子はどこからともなく手毬を取り出し、あたふたする家族の前でポンポンとつき始める。 そして、聞きなれない手毬歌を歌ってやる。黄昏の奥にある黄泉の国へと人を誘う歌、 たぁそがれーのと始まる歌のテンポは呪術めいており、ゆるやかで、子まりさだけでなく他の子たちまで幽々子の元へ誘う。 それまで必死に子まりさを呼んでいた、子れいむや他の子まりさは急に黙り込むと、 ふらふらと幽々子の元に行ってしまおうとする。親れいむは必死に二匹を引っ張るが、 子まりさが上手く親れいむを避け、幽々子の元へ進んでいってしまう。 親達は今自分が捕まえている子どもを留め置くのがやっとで、子まりさまで手が回らない。 とうとう子まりさは幽々子の目の前までやってくると、 コロンと横になり動かなくなった。動かなくなったし、もう動く事がなくなった。 それまで生きていた自分達の可愛い子どもは冷たい亡骸になってしまった。 しかし、親達に悲しんでいる暇はない。まだ歌は続いている。まだ子どもは幽々子の元へ行こうとしている。 あっちに行ってはゆっくりできないのは明らかだ。 親まりさはグイグイと子まりさを口で銜え引っ張るが、生まれて間もない子の皮が強い力に耐えられるわけがない。 子まりさ自身、すでに正常な状態ではなく『いたい』と自分の状況を伝える事も出来ない。 だから、当然、破れる。 「ゆぎぃい・・・」 最期、そう呟いた子まりさは身体が真っ二つになった。 親まりさは本人の中では相当強い力を出していたのだろう、後ろへひっくり返る。 「ゆ?おちびちゃん?」 自分のすぐ傍には後頭部だけが落ちていた、前半分はまだ半分残った足を使い、 ゆっくりゆっくり、幽々子の元を目指している。しかし、あまりに大きな傷、ずりずりとしばらく動くと。 さきほどの子まりさと同じく動かなくなった。 親れいむは必死に子れいむを止めている為、何が起こったのか分かっていないが、 親まりさは自分の目の前で可愛い子どもを殺されたのだ。 怒り心頭に発する。親まりさは半狂乱になりながら幽々子の方へ突っ込んでくる。 まりさは強いんだ。こんあ奴やっつけておチビちゃん達の仇を取るんだ。 そして、子れいむを救って家族で仲良くゆっくり暮らすんだ。 ボトッ、親まりさは不思議な感覚に襲われていた。 今さっきまで自分が目指していた方向とは全く逆の方に自分が進んでいる。 そして、あれほど込み上げていた力が今はどんどん抜けて行く。 「まりさぁあ、ゆっくりしてぇー!!」 自分の大好きなれいむの声がする。自分はどうしたんだろう。 お腹の辺りが焼けるように熱い。起き上がって敵の場所を確認する。 れいむがここにいるという事は子れいむは? 危ない。敵の方へ向かっていってしまっている。どうにかして助けなくては、 「まりさ、だいじょうぶ?ゆっくりしていってね、ゆっくりしていってね」 泣き叫ぶれいむの声がだんだん遠くなっていく。 それはきっと自分が敵に向かって行っているからだ。 その証拠にあれほど遠かった敵がすぐ傍にいるじゃないか、こんなにも傍に。 一発の弾は親まりさのお腹にぽっかりと穴を空けていた。 そして、親れいむのすぐ傍、幽々子から離れた位置で死んだ。 子れいむも止める者がいなくなり、あっさりと動かなくなった。 「少し重くはなったけど、それでも葉の一片。これのどこが危ないというのかしら」 ふわり、と幽々子は浮き上がり、扇子をいっぱいまで広げる。 「死符、ギャストリドリーム」 その日、色鮮やかな蝶の群れだか桜の花びらだかが魔法の森の中で見られるという異変があった。 珍しいものだ。捕まえてやろう。そう意気込んでやってきた三妖精達であったが、 どこにもその姿を見る事は出来なかった。 そればかりか、いつも見かけるはずのゆっくりの姿までなかったのだ。 「あんなのが本当に厄介者になるの?」 白玉楼の中庭、枯山水を眺めながら幽々子は紫に尋ねる。 昨日の異変を知らぬ紫ではない。 返事を考えあぐねている紫に幽々子は畳みかける。 「あの月へ帰らなかった人間に何を言われたかは知らないけど」 そっと紫の手を握る。 「ここでならあなたの力になれるわ」 ~あとがき~ お久しぶりです。118です。私の書くSSはぬるいじめばかりで本当に申し訳ないです。今回は幽々子様です。 幽々子と紫と永琳は本当に美しいです。おい、ババアって言った奴出て来いよ!! 次回は都会派てんこの続編ウサ、てんこが4tトラックにひかれて死ぬウサ、全然ウソなんてついてないウサ。 wikiのジャンルものの所に都会派きめぇ丸シリーズを作ってもらい恐縮です。 え、永琳実験シリーズ?あれはキャラでまたいじゃってるんで・・・今度、実験シリーズ書いた時、あとがきにまとめておくね。 この歳になって彼女がいない事を怒られました。私と付き合いたいって言う幽々子、紫、永琳似の女の人いたら、是非メール・・・、 いらねぇよ、そんなもん!! byギブミーホンモノ118
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■品種改良415号報告書4■ 野生種といった改良種でない既存のゆっくりを母体に選び、妊娠前から母体に投薬をおこなうことで、 次世代のゆっくりの知能強化等を図る本実験415号計画の途中経過について記す。 コストパフォーマンスと管理の点から鑑みて、本計画に使用する薬品はA薬を採用することになった。 以後の実験はA薬のみでおこなう。 注意していただきたいのは、B薬は決してA薬に劣るものではないこと。良品であり、むしろ強化という面ではA薬を遥かに凌ぐ。 (とはいえ、母体への投薬によって赤ん坊の知能が向上しているにも関わらず、舌足らずな喋りである点はA薬B薬ともに共通であり、関係者は首をひねるばかりだ) 知能強化はもとより効果は身体強化にもおよぶ。 (御存知のかとは思うが、投薬された母体のゆっくりの能力向上は一切存在しない) (415号実験での母体は全て植物型出産である。ニューボーンが小型であり多産であった方が投薬の効果を確認しやすいためだ) 効き目が強いためか、結果が表に出るのも早く、目覚めたばかりの赤ん坊の時点でその効果が明らかにみられるのだ。 ひどい話になると、生後15分の赤ん坊ゆっくり達に指導される親ゆっくり――というケースも誕生する。 実験施設の餌の採り方を赤ん坊から教わったり、子供より先に体力の限界が訪れ動けないとぐずる親。果たして面倒をみてもらっているのはどちらなのか。 基本的にゆっくりは純粋なモノであるため、投薬による能力差の逆転が発生しても彼ら親子の関係は良好である。 子は親を慕い、親も子に妬みを抱くことはない。ただ、ゆっくりという種特有の愚かさから、親が事故を起こすことは多々ある。 なお、ゆっくりに“慕う”“妬む”、それ以前に感情が存在するのか? という問題は本件とは別であるため考慮しない。 B薬の問題点について軽く記す。 (詳細なB薬の報告書は担当者が提出済みであるため、そちらを参照されたし) B薬の問題点は“一代限り”であるということ。 薬によって生まれた有能な子世代の能力を、孫世代以下はまったく受け継がない。 何度か実験を繰り返したが、孫世代の知能・身体能力の全ては親世代のそれである。 毎度毎度の実験で、頭の良い子世代が、能力的に劣る親世代・孫世代を不思議がるのはもう笑えなくなってきた。 何故受け継がれないのかは依然不明であるが、さすがはゆっくりブレインと言しか言いようがなく、研究員一同、苦笑いするしかない。 (笑えないのに苦笑いなのか、という意見は却下させていただく) これでは意味がない。我々が欲するのは永続的な改良種である。 能力に向上があったとしても、次の世代にそれを残せなくては無意味であり、たとえ向上がわずかであっても次世代に受け継がれる方を良しとする。 本研究の目的に適さず、なおコストがかさむため、以降の415号実験にはB薬は使用されない。 繰り返すがB薬は良品である。他の実験でB薬が日の目をみることを、研究者の一人として望まずにはいられない。 これらの理由により。本日13:00を持って、品種改良415号B薬被検体は廃棄処分となる。 (415号実験での母体は全て植物型出産である) 他の部署が実験用ゆっくりとして、品種改良415号B薬被検体の提出を要望した場合、供与して良い。 また外部に持ち出さず研究所内部に限るが、関係者による品種改良415号B薬被検体の使用が、昨日許可された。 各人存分に楽しんでいただきたい。ただし、書類は提出すること。私の分も残しておくこと。この二つを守られたし。 ■――――以上――――■ 「すーや……すーや……すっきりー!!!」 黒髪に赤いリボン、少女の顔をデフォルメしてデザインされたような饅頭。通称ゆっくり。 その一種であるゆっくりれいむは実に幸せそうな顔で目を覚ました。 「ゆゆ? へんなきがするよ! でもしあわせー!!!」 直径15cm前後の成体れいむが立つのは、直径5cm幅の円柱の上。 足場の狭さから身動きがとれない場所ではあるが、固定された彼女が気にすることはない。 生まれ落ちた頃より、とんだりはねたりとは縁のなかった彼女だ。 今更あわてることではなく、動き回れなくとも、いつだって美味しい食べ物は向こうからやってきた。だから、しあわせー!!! 「……しあわせー? ゆっ! そうだったよ! れいむはあかちゃんができてしあわせなんだよ!」 生体れいむは親れいむ。昨日の朝にお母さんになったばかり。しあわせれいむだ。 頭部に蔦を生やし、葉(の様なもの)を茂らせ、赤ちゃんゆっくりを実らしたゆっくりの姿は……。 見ただけでしあわせそうだな、と思わせる要素を多段に含んでいるのも確かだ。 頭上に実る赤ちゃんゆっくり達を見上げるためか、それとも「思い出したれいむ偉い」と胸をはっているのか、ふんぞり返る様な動作の親れいむ。 その所作で親れいむの下腹部に付けられた薄いプレートが姿を見せた。 【実験No.46B 母体(親子廃棄)】 「ゆーゆー♪ あーかちゃん♪ おかーさんとゆっくーりしようねー♪」 2~3cmサイズのちいさなちいさな可愛い赤ちゃん。 ごきげん笑顔で歌を歌う親れいむ。しあわせでしあわせで仕方がない。 早く蔦から赤ちゃんが切り離されて、ぽてちんと地面に生まれ落ちないものか。 親れいむの視界に映る赤ちゃんは、れいむが2種、まりさが1種。 見える範囲で3匹の赤ちゃん。だったら「もっといっぱいいるよ!」と勝手なビジョンを思い描いている。 それは正しい。確かに赤ちゃんは4匹以上。 ただそれが真っ当な想像力によるものではなく、ゆっくりブレインしあわせブレイン。 こうあればいいという勝手な願望にしかすぎないのだ。 周りを見ずに、己の都合のいい事だけしか頭にない。これが普通のゆっくりである。 「……ゅ」 「……ゆ?」 親れいむの頭上で声が聞こえた。 「ゆー?」 何事かと思い、親れいむが首を傾げる(様な動作をする)。 動きにあわせて、葉と葉が重なりあい、ガサガサと音を立てた。 それが合図であったのか、 「ゅ!」 「ゅぅ……ゅぅ……」 「……ゅ! ゆゆっ!」 蔦に実った赤ちゃんゆっくりの何匹かが声を出し始め、その内の1匹が目を開いた。 「ゆっくちー!」 世界への目覚めの挨拶。 一番最初に目を開いた赤ちゃんれいむは、元気よく叫んだ。 おそらく彼女がこの姉妹の長女になるのであろう。 挨拶をすませニコニコとごきげん赤ちゃんれいむ。 「ゆ! れいみゅのおかーしゃんはどこかにゃ?」 蔦に繋がったままであるため、軽く身をひねる程度ではあるが、 母親を視界にとらえよう、見つけようと赤ちゃんはきょろきょろと周りを探す。 「おかーしゃん?」 「ゆゆ! ひょっとしてれいむのあかちゃん!? あかちゃんなの!?」 「ゆー! おかーしゃんはしたにいるんちゃね!」 この時点でようやく親れいむは、赤ちゃんれいむが目覚めたことに気がついた。 ワンテンポ早く、赤ちゃんれいむは母親の位置を把握し喜ぶ。 「おかーしゃん! れいみゅだよ! いっちょにゆっくちしよーね!」 「ゆゆー!? ゆゆゆゆ! ゆっくりしようね!!!」 本来、植物型出産の赤ちゃんは、蔦から切り離され、地面に落ちた衝撃で目覚め、言葉を発する。 そのプロセスと違い、蔦に下がった状態で既に挨拶をはじめた赤ちゃんれいむ。 そういう理由もあり、事態をまだ把握し切れていない親れいむだが、そんな事は些細なこと。 赤ちゃんが目覚め、自分に声をかけてきてくれた事が何よりの喜び。 きゃっきゃと会話を楽しむ2匹の声に反応し、他の赤ちゃん達も目覚めだした。 「ゆーゆっくちー!」 「おひゃよーおねーしゃん」 「ゆゆ! おねぼーしゃん」 「まりしゃだよー」 「まりしゃもまりしゃだよー」 「れーみゅもいるよー!」 「みんにゃゆっくちちてねー」 『ゆっくちー!!!』 皆仲良し赤ちゃんゆっくり姉妹。 「ゆーん! あかちゃんたちゆっくりしてるのー?」 「ゆゆっ! おかーしゃんだよ! みんなあいしゃつしよーね?」 『おかーしゃーん!!!』 「ゆゆー!」 親れいむは、ゆーんと感動で瞳をうるうるさせている。 自分の赤ちゃんはなんとゆっくりした子供達なんだろう。 「ひーひゅーみーよー……ゆ! おかーしゃん!」 「ゆ?」 「れいみゅちゃちがよん! まりしゃちゃちがに! ろくしまい!!」 長女の赤ちゃんれいむが親れいむに姉妹の数を報告する。 親れいむの赤ちゃんは、れいむ種だけでなく、金髪に黒の三角帽子がトレードマークのまりさ種がいるようだ。 れいむが4匹、まりさが2匹、合計6匹。 本来は30を超える大姉妹達であったのだが…… この家族は投薬の効果を高めるため、今の数まで間引きされている。 もちろんそんな事実を親れいむも姉妹達も知るよしもない。 ついでにいえば、親れいむに6という数字の概念はない。 「ゆゆー! いっぱいいるんだね! れいむはうれしいよ! しあわせー!!!」 そのため、純粋に赤ちゃんの誕生を祝うのみである。 「そうちゃよ! いっぴゃいいるよ!」 『いっぴゃいいっぴゃい! ちあわちぇー!!!』 「ゆーん! すごくゆっくりしたあかちゃんだね!」 親れいむはうれしくてしかたがなかった。 だからこそ早く赤ちゃん全員の顔をみたくてみたくてしかたがなかった。 その雰囲気を、赤ちゃんゆっくりは感じとっていた。 顔をみたいのはこちらも同じこと。 早く蔦から離れ、愛する母と正式に対面して、「ゆっくちしちぇいちぇね!!!」と言ってあげたい。 先ほどから、一匹たりともとそう叫んでいないのは、無意識からの行為。 真にゆっくりできる場所は母の傍。蔦に繋がったここではないのだ。 「おかーしゃん! れいみゅがいくよ!」 一番最初に親れいむの元へと顔を見せたがったのは、親れいむの真上に実ったれいむだった。 この赤ちゃんれいむは、蔦の中心部に実っていたため、親れいむの声も聞き辛く、 葉に視界を邪魔されて景色を楽しむこともできずに寂しい思いをしていたのだ。 主張のために、ぷるぷると身を震わす。一緒に揺れるリボンには―― 【れ-4】 ――と、書かれた小さいタグが付いている。 タグは姉妹全てが付けていたが、彼女達は飾り程度にしか認識していない。 れいむもまりさも関係ない、仲良し姉妹のおそろい飾りだと。 「ゆーじゅるいよー」 「ゆ! そんにゃこといっちゃ……め!」 「ゆー! れいみゅはすねただけちゃよまりしゃおねーしゃん」 「わかっちぇるよ! みんにゃにゃかよしねー?」 『ねー?』 「じゃあいっておいちぇ!」 ゆっくり姉妹は仲良し姉妹。 みんなわかっていたのだ。彼女が寂しいことも、最初にいかせてあげるべきだとも。 姉妹に祝福され、赤ちゃんれいむは再度、身を震わせる。 今度は蔦から自分を切り離すためのものだ。 「ありがちょー! ゆっくちいくよ!」 『ゆっくちゆっくち!!!』 「ゆ……ゆ……ゆっくちー!」 プチンと軽い音とともに、赤ちゃんれいむの頭は開放感を得た。 今まであった愛する母との繋がりを失いはしたが、赤ちゃんれいむに悲しさはない。 いわば儀式の様なものである。古い繋がりを捨て、新しい親子の繋がりを得るのだ。 これからのことを思い、笑顔の赤ちゃんれいむは落ちていく。 ぽてちんと、親れいむの額で跳ねてワンクッション。 「ゆゆ~ん♪」 「ゆー! れいみゅのいみょーとおしょらをとんでるみたい!」 「おかーしゃんがゆっくちしゃせてくれちゃんだね!」 「ゆっくちおちちゃらじめんしゃんでいちゃいもんね!」 「おきゃーしゃんありがちょー!」 「まりしゃちゃちのおかーしゃんはゆっくちしてるね!」 赤ちゃんれいむはしあわせを感じていた。 優しいお母さん。お母さんの顔はどんな顔なんだろう。 背を向け、母の額から跳ねて落ちる赤ちゃんれいむは、楽しみでしょうがなかった。 お母さんに言う言葉は決めている。「ゆっくりしていってね!!!」だ。 その次はどうしよう。嬉しすぎてその次は考えていなかった。 言いたいこともしたいこともたくさんある。そうだ。綺麗に着地できるかな。 続く姉妹の手本になればいいな。上手くできたらお母さんは褒めてくれるかな。 次々と考えが浮かんでくる。赤ちゃんれいむの目はしあわせに輝いていた。 「ゆ~ん♪ 」 「…………ゆ?」 なにやらおかしい。 いつまでたっても、姉妹の「ゆっくちしちぇいっちぇね!!!」が聞こえない。 流石にゆっくりしすぎではないだろうか? 赤ちゃんゆっくり姉妹は各々首をひねった。 「おかーしゃんれいみゅは?」 「ゆ! まだー? れいむのかわいいあかちゃんまだなのー?」 挨拶が聞こえない事を疑問に思った長女れいむが、親れいむに声をかけたが…… 返ってきたのは催促の声。 姉妹達の中で不安が高まっていく。 のん気な母の声に感情を動かされながら、おそるおそる長女れいむは再度訊ねた。 「おかーしゃん……れいみゅのいみょーちょのれいみゅは……いにゃいの?」 「まだだよ! れいむのあかちゃんゆっくりしすぎだね! あかちゃんにあいたいよ!」 『ゅ゛ーっ!?』 異常だ。 先に落ちた姉妹は、怪我をして声を出せないわけではなく、“そこにいない”。 赤ちゃんゆっくり姉妹は驚愕に身を震わせた。 互いに目をあわせ、頷きあう。 “お母さんはまだ何も知らない。心配させない様にまだ黙っておこう!” 一緒の母から生まれた姉妹。思うことはみな同じだ。 そう誓い、現状を把握すべく、姉妹達はきょろきょろと動ける範囲で身を動かす。 生まれたばかりという理由もあり、家族に会えた喜びに浸って周りが見えていなかった。 先にこうしておくべきだと、もう少し注意をしておくべきだったのだと。 幼さにあわぬ考え。 しかし、生まれ持った知能の高さ故に、姉妹にとってそれは当然のこととして認識されている。 「ゆゆっ! おねーしゃんじめんしゃんがとーいよ!?」 「ほんちょ! どうじぢぇぇぇぇぇぇ!?」 「おかーしゃんのいるびゃしょはせまいにょぉぉぉ!?」 「まっちぇね! まりしゃもみゆかりゃまっちぇね!!」 「なんぢぇー!? どーいうこちょー!?」 そして、その知能の高さ故に、彼女達は自分が置かれた事態を把握し、恐怖に泣き叫んだ。 泣き叫びながらも、親れいむに心配をかけないようにと、全員がなるべく声を押し殺していたことは特筆に価する。 「ゆ? あかちゃんたちにぎやかだね! おかあさんをなかまはずれにしないでね!」 「ゆゆっ!? おかーしゃんちょっとまっちぇちぇね!」 「ゆ? ゆっくりまつよ!!!」 親れいむに待ってとお願いし、赤ちゃんゆっくり姉妹は状況を整理することにした。 幸い、親れいむはゆっくり待ってくれている。今は。 姉妹全員が得た情報を集めると、だいたいこういうことがわかった。 ●お母さんは何か長くて高いものに乗っていること。 ●おそらくお母さんの座っている場所は狭くて、他の皆は乗れないだろうということ。 (親ゆっくりが固定されているのは、幅5cm・長さ1.5mの棒の上である) ●そのため、自分達は地面さんからとても遠くて高いところにいること。 ●地面さんは色んな種類の綺麗な色だということ。 ●この高さから落ちるとどうなるの? ●……ゆっくりできないんじゃないかな。 「ゆゆゆっ! だいじょーびゅだよ!」 「まりしゃ!?」 「ほら! おかーしゃんとおなじくりゃいのたかしゃにもじめんしゃんがありゅよ!」 よく見れば、親れいむから離れた位置に、同じ高さの地面がみえる。 今いる場所からそこまでの距離は、親れいむ1.5匹~2匹分の幅だろうか。 「おかーしゃんがぴょんしちぇくれれびゃみんにゃたすかるよ!」 「おかーしゃんならいけりゅね! おかーしゃんここかりゃむきょーにぴょんしちぇね!」 「おきゃーしゃんぴょん!」 「ぴょん!」 「ゆ? ぴょんってなーに?」 『ゆ゛ぅぅぅぅぅう!?』 成体ゆっくり2匹分の幅。 自分達では無理だろうが、大きなお母さんなら跳び越えられる! そんな姉妹の希望は即座に打ち砕かれた。 5cm幅の足場での跳躍。難しいかもしれないが、一般的なゆっくりなら可能であったかもしれない。 が、この親ゆっくりは、生まれ落ちた時には既に、運動能力を削がれていた。 主な生活場所は1匹用の水槽。たまにみる仲間も同様、運動能力を削がれた個体。 動けずとも、餌は研究員が食べさせてくれた。 最初から運動はできず、運動という行為を見聞きすることもなく知らず、動けずとも不満はない。 まったく動けないわけでもない。暇なときは上下左右に体を揺らしたり、軽く身をひねる。たのしい。 そうやって、ずっとゆっくりしてきたのだ。これまでも、そしてこれからも。 「ゆっゆぅぅぅぅぅぃぃぃっ!! おかーしゃんごめんにぇぇぇ!! みんにゃごめんにぇぇぇ!!」 「ゆ? ゆ? あかちゃんなんであやまるのー?」 親ゆっくりに“ぴょん”の説明をしている途中で、赤ちゃんまりさは気付いてしまった。 理由はわからないが、母親が運動をおこなえないこと。それを理解できないことに。 だから、自分の不用意な発言が、母を傷つけ、みなに余計な希望を持たせたと、赤ちゃんまりさは思った。泣いた。 「まりしゃなきゃないちぇね!」 「……まりしゃ?」 泣く赤ちゃんまりさをなだめたのは、もう1匹の赤ちゃんまりさ。 ちょうど、親れいむの左右に実った赤ちゃんまりさ2匹は、互いの顔を合わせたことがない。 6姉妹の中でまりさ種は2匹だけ。 他の姉妹も大好きだったが、同じまりさ種同士の仲間意識がなかったといえば嘘になる。 その顔も知らない、言葉を交わすだけの姉妹が、自分を励ましてくれている。 「ないちゃらおかーしゃんもみんにゃもきゃなしーよ?」 「そうちゃよ! れいみゅちゃちもきゃなしーよ!」 「みんにゃ……」 雨降って地固まる。 結果として姉妹・家族の結束を強くする出来事となった。 見方を変えれば選択肢のひとつが減って、尻に火がついたといったところだが。 「まりしゃはまりしゃでしょ! しみゃいのいきおいににゃるんちゃよ!」 「……ゆ、まりしゃ……ありがちょー」 「まりしゃなきやんぢゃね! まりしゃしゅごいね!」 「ゆー! まりしゃはしゃっきもたくしゃんのことをおしぇーてくれちゃね!」 「でみょむりしにゃいちぇね!」 励ました方の赤ちゃんまりさは、親れいむの左外側に伸びた蔦の一本に生っていた。 その環境と持ち前の行動力で、限界ぎりぎりまで身をひねって、周りの情報を集めていたのだ。 現に姉妹が手に入れた情報の多くは、彼女からもたらされたものが多い。 長女れいむは、そんな勇敢な妹まりさを誇りに思っていたが、同時に危うくも思っていた。 蔦から切り離されるとき―― それは赤ちゃんが落ちても大丈夫なぐらい成長した結果、その自重で落ちる。 あるいは(ある程度成長しているという前提がつくが)、外敵に襲われた場合、 刺激によって目覚めた赤ちゃんが、体を揺すって自力で蔦との繋がりを切って逃げる。 あとは成体ゆっくりが切り離してくれる場合だが、前の二例ともに蔦が離れやすくなっている。 今の姉妹は、生まれ落ちる準備ができているため、蔦は動き回れば切り離されやすく、例え動かなくとも自然に切り離される。 後者の理由で赤ちゃん達は急いで対策を立てる必要があり、前者の理由で長女れいむはまりさの行動を心配していた。 今もまた、まりさは体をひねって下界を見下ろそうとしていた。先に落ちたれいむの姿を探しているのだろう。 「ゆー! みゅりじゃないよ! みんにゃのためにゃらまりしゃにちょっちぇ――」 プチンと音が聞こえた気がした。 「――ゆ?」 音と一緒にまりさの体が軽くなった気もした。先ほどまで見えなかった景色が目に入ってくる。 姉妹達が見つけたかったものが……見えた。 「れいみゅおねーしゃん――」 ――まりしゃのいみょーとのれいみゅいたよ? このまま落ちると姉妹がどうなるのか。 先に落ちた赤ちゃんれいむがどうなったのか。 これから自分がどうなってしまうのか。 赤ちゃんまりさは、ゆっくりと理解し……姉妹の視界から消えた。 「…………」 「…………」 「…………」 「……まりしゃーっ!?」 「まりしゃおねぇーしゃぁぁぁぁん!?」 「ゆー!? ゆー!? まりしゃがどうしちゃの!? まりしゃのしみゃいのまりしゃどうしちゃのー!?」 自分の見えぬ場所で何が起こったのか? 泣く自分を慰めてくれた姉妹が何故、泣き出したのか? 赤ちゃんまりさはわからなかった。わからなかったからこそ不安でたまらなかった。 もう一匹のまりさが、まりさがどうなってしまったのか? 「……ゆっぐ……ゆっぐ」 「……おちちゃった。れいみゅのいみょーとのまりしゃ……おちちゃった」 長女れいむが嗚咽を堪え、幼いなりに努めて冷静に、残った赤ちゃんまりさに事実を告げた。 姉妹がどうなったのかを伝えられた。……が、頭がついてこない。 それでもゆっくりと、ゆっくりブレインにその意味が染みこんでくる。 ……顔をみたことのない、もう1匹のまりさとはもう二度と会えない。 理解がおよんだとき、色んな感情が堰をきって流れ出そうになる。 「……ゅ……ゅぁ……っ……ゅぁ」 「りゃめ! にゃいちゃりゃめ! おかーしゃんがかなしみゅよ!」 「……ゆっぐ!」 そうだ。親れいむを悲しませてはならない。 皆で誓った。先ほど母を悲しませてしまった時、あのまりさが止めてくれた。 ここで自分が泣けば、尊いその行為を無駄になる。残された赤ちゃんまりさは、堪えた。 無駄にしないために。あの姉妹の行為を無駄にしないために。 その思いは残された姉妹も一緒。ゆっくりするよ!!! 心は一つ。 と、赤ちゃんゆっくり達はイベント満載であったが、頭上のドラマを知らぬ親ゆっくりは暇であった。 いつまでたっても、赤ちゃんが顔を見せてくれない。 待っててと言われたが、まりさと聞いて視線を上にやれば、目に見える赤ちゃんは2匹。 「ゆ~? そういえばまりさがいないよ~? どこーまりさどこー?」 のん気なことを言う。 母の言葉に子供達は震えていた。言えるはずがない。 母を思って押し黙る赤ちゃん達であったが、親からすれば返事がないだけのこと。 待てといわれ相手にされない。 親れいむは待っていてもよかった。ずっと1匹でゆっくりしていてもよかった。……いつもなら。 しかし今は話が違う。赤ちゃんが生まれ、親れいむは1匹ではなくなった。 一緒にゆっくりしたい。その欲求を満たしたいのだ。 「れいむのあかちゃんゆっくりしすぎだよ? ゆゆ! そうだ! おかあさんがゆっくりおろしてあげるね!」 待ちきれなくなった親れいむは、名案とばかりに体を揺らす。 あわせて揺れる頭上の蔦、葉、赤ちゃんゆっくり。 ガサガサと葉がすれる音はリズムカル。 「ゆっゆゆー♪ あーかちゃんゆっくりおーちてーきーてね♪」 歌い出すぐらいごきげんになる名案。親ゆっくりにとってはそうかもしれない。 が、赤ちゃん達にとっては名案でもなんでもなく、死を早める行為に他ならない。 「ゆ! ゆぅぅぅぅっん!?」 「やめちぇね! おかーしゃんゆっくちやめちぇね!?」 「おきゃーしゃぁぁぁんっ!?」 「れーみゅちゃちがゆっくちできにゃくなっちゃうにょぉぉぉ!!」 「ゆ! わかったよ! ゆっくりやめるよ!」 親れいむは愚鈍ではあったが素直で聞き分けはよかった。 この点は感謝してもよく、幸運であったともいえる。 それで事前の愚行がなかったことになるわけではないが。 間違いなく、今の揺れで赤ちゃんと蔦を繋ぐ接点は脆くなっただろうから。 元より残された時間はわずかだった。赤ちゃん達の時間は更に削がれた。 「ゆっゆっゆっ……!」 「……ゆふー」 急がねばならないのはわかっている。考えねばならないのもそう。 しかし幼い生命にとって、今をなんとか生き延びたこの瞬間から、 脳裏にちらついた死の恐怖を遠ざけ平静になろうとする時間を誰が責められようか? 恐怖は転じて生への執着でもある。落ち着きを取り戻す中、生きようとする意志が、1匹の赤ちゃんに閃きをもたらす。 その1匹は、しばし真剣な顔で前後の揺れに身を任していた。 冷静になった状態で揺れを体感し、自分の考えを実行する。 「ゆっ!」 「……ゆ! ゆっくちしてきちゃよ! ……れいみゅ?」 「ゆっ!」 声をかけられた赤ちゃんれいむは、揺れ幅の頂点で力み、自ら体を動かして勢いをつけ揺れ幅を広くしていく。 親れいむの正面付近に生る長女れいむから、親れいむの右横よりやや後ろに生る、この赤ちゃんれいむの姿はみえない。 何やら力んだ声が聞こえてくる。 長女れいむは、残った方の赤ちゃんまりさ――親の右側に生った子に声をかけた。 「まりしゃ! まりしゃにゃられいみゅがなにしちぇりゅかわかりゅ?」 「ゆ! まりしゃにょうしりょのれいみゅはびゅんびゅんいっちぇりゅ!」 びゅんびゅん? なんのことだろうと不思議に思ったが、その答えは本人から語られた。 親ゆっくりが揺らした事をヒントに、振り子運動の力を借りて、向こうまで飛べないかと。 「ゆゆっ!」 なるほど。ひょっとするといけるかもしれない。 「でもあぶにゃいよ! ぷっちんしておちちゃうかみょしれにゃいよ!?」 「しょーだよ!」 「ぢぇも! こにょみゃみゃだとおちちゃうよ!」 何もしないままでも落ちて、ゆっくりできなくなる。それは皆にもわかっていたことだ。 状況を打破できる術があるのなら、たとえリスクを抱えてもやるべきこと。 特に長女れいむは、そのことを痛いほど感じていた。責任感があった。 ほんの十数秒早く目を開けただけの僅かな差。それだけではあったが、それが長女としての意識を芽生えさせた。 ゆっくりにしてみれば、それだけで十分。 「ゆ! わかっちゃよ! じゃあおねーしゃんがしゃきにとぶよ!」 まずは自分が飛ぶ。危険なことを先に妹にやらせるわけにはいかない。 自分が飛んでいる間に、他の姉妹が別のアイデアを練ってくれるかも知れない。 「だめりゃよおねーしゃん! れいみゅがしゃき!」 「……ゆっ!?」 「れいみゅがしゃき! おねーしゃんはおねーしゃん! みんにゃのしょびゃにいちぇね!」 赤ちゃんれいむの振り子の動きが、速く大きくなっていたこともある。蔦がもう持たないかもしれない。 そんな理由もあったが、今口にしたことが一番の理由。姉妹の精神的柱になっていて欲しい。 大きく動く右側の赤ちゃんが、蔦から離れるのも時間の問題だということもあり、長女れいむは困ったが納得した。 もうこの赤ちゃんれいむは飛ぶしかないのだ。 「そりょそりょいくにょ……!」 前、後。前、後。前、後。前、後。前……。 勢いは十分。よく見ていてね、と姉妹に言う。次に飛ぶ姉妹の参考になるだろうから。 もし失敗しても、とは言わなかった。 この回で飛ぼう。決意が鈍らないうちに。 ……後。勢いを利用して前に出る。いける、いくしかない。ゆっくりするために。 そのためには、前方の頂点に達するより先にやらなければならないことがある。 加速を得た赤ちゃんれいむは、勢いの力を借り頭部に力を入れて――蔦を切り離した。 「ゆぅぅぅぅぅぅぅっ!!」 宙を舞う。 蔦という枷から解き放たれ、より前へ。 「ゆゆっ!? ゆーっ!」 赤ちゃんまりさはみた。背後にいた姉妹の背中を、勇気ある姉妹の姿をみた。 「がんばっちぇ!」 「ゆ! れいむのあかちゃん? あかちゃんとんでるの!?」 「れーみゅのおねーしゃんおしょりゃをちょんぢぇるにょ!」 「いきぇぇぇぇ!」 長女れいむと、その傍にいる赤ちゃんれいむが激を飛ばす。 お母さんが自分の姿を見てくれている。 「ゆゆーん! ゆぅぅぅぅーん!!」 飛んでいた。皆の思いに支えられ、何物にも邪魔されることなく飛んでいた。 目指す場所が近づいてくる。いや、自分が近づいているのだ。着地するために。自由を得るために。 壁が近くなる、もうすぐだ。……壁? 赤ちゃんれいむは気付いてしまった。高度が落ちているのだ。 「――ゆびゅっ!」 失敗は激突によって告げられ。失敗の結果は落下。 2cm……いや1cm高ければ、運命は変わっていたかもしれない。 だが最初のチャレンジャーの挑戦はもう終わり。もう二度と挑むことも、ゆっくりすることもない。 また1匹、姉妹がゆっくりできなくなってしまった。信じたくはない。が、赤ちゃんれいむがぶつかった場所には染み。 皮肉な話だが、それが赤ちゃんれいむの生きていた証となっている。“生きていた”、だ。 「ゆ~? れいむのあかちゃんどっかいっちゃたよ?」 赤ちゃんがどこにいったのか、不思議そうな母れいむ。 もうここにいない姉妹を思って、残った赤ちゃんゆっくりは泣きたかった。 「ゆ! でもいいよ! れいむはゆっくりまつよ! つぎはだれ!? れいむにおかおをみせてねあかちゃん!!!」 子供とゆっくりしたくてたまらない、そんな母の和やかな声が、赤ちゃん達の悲しさと申し訳なささを増加させる。 残るは3匹。その内の1匹、全姉妹の中で最後に目覚めた末っ子れいむの、感情は決壊寸前。 「まりしゃがいくよ!」 「……ゆ?」 外に流れ出してしまいそうな、末の子の感情を押しとどめたのは、まりさであった。 まりさがやるんだ。体を前後に振り、飛ぶための加速を得ながら、まりさは思う。 もう1匹のまりさは、自分を励まし皆を元気付けた。 飛んだれいむは、先に行くことと意思をみせた。 勇気あるものの行為は、皆の勇気をも奮い立たせる。誰かが笑えば皆も笑える。 まりさはそれがまりさの生き方なのだと、ゆっくりまりさのあるべき姿なのだと、そう心で理解した。 「……ゅ……まりしゃおねーしゃん……」 「まりしゃ!」 「ゆん! ゆん! ゆ……っん! あんしんちちぇね! まりしゃのかりぇーなちょーやくにおどりょいちぇね!」 誰も泣かせない。だから自分も泣かない。不敵に笑う。皆が笑える先を作るために。 泣き虫まりさはもういない。先に行ったまりさを見たとき、皆が誇りを抱き、先に進もうと思える、そんな背を持つゆっくりになるんだ! スポンという音が聞こえた気がした。すぽん、かもしれない。 結論だけいえば、決意をしてからのまりさは最期まで泣かなかった。二度と泣くことはなかった。 「…………」 「…………」 あまりにも唐突。残された赤ちゃん達は、流れるように起こった事象に、泣き出すことも叫ぶこともなく、ただ呆然とする。 理解が追いついてこない。いや、少し時間を置き何があったのかの理解はできた。理解したくないだけだ。 だが現実はそれを許さない。目の前では、蔦にぶら下がった黒いとんがり帽子が揺れている。 振り子運動を繰り返すのは帽子のみ。視界から帽子が消え、また戻ってくる度に、帽子の下にまりさがいるのではと――そんなことはなかった。 残る姉妹は2匹。 長女れいむと末っ子れいむ。6匹いた姉妹の中で、一番近い距離にいた姉妹だ。 「れいみゅ……」 長女れいむは悩む。 自分は飛ぶ気でいる。姉妹の行為を無駄にしないために、残された者の務めとしてゆっくりする未来を勝ち取るために。 妹を残して飛ぶのは気が引ける。もし自分が失敗すれば、末の妹だけ残していくことになる。 母も残っているが、自分以外の姉妹がいなくなってしまったという悲しさに、彼女は耐えられるのだろうか。 現に今も、小さく揺れる黒い帽子を眺めたまま動かない。や、無言で小刻みにぷるぷると震えている。 ゆっくり達は知るよしもなかったが、長女れいむが最初に目覚めた事から、年長者の責任に目覚めたのと同じ様に―― 末っ子は最後に目覚めたことと、長女れいむがそばにいたことで、他の姉妹より精神が幼く、他者にやや依存する傾向があった。 そんな理由を長女は知らないが、妹が残されることに耐えられるとは思わなかった。 ならば自分が横で見守り、励まし、助言を送りながら、妹を先に飛ばせるべきか? 否、先に飛んでねといえば、彼女は泣くだろう。落ちていった姉妹の恐怖がこびりついている。 ならば同時に飛ぶべきか? 否、自分にあったタイミングで飛ぶべきだ。下手に相手にあわせて距離が足りなければ意味がない。失敗は許されないのだ。 ならば答えはひとつしかない。 「れいみゅ……ゆっくちきいちぇね……おねーしゃんがしゃきにとぶよ」 「――ゆゆっ!?」 末の妹の意識が、長女の言葉で現実に引き戻される。同時、妹の浮かぶ表情は驚愕。そして悲嘆。 「れーみゅをおいちぇかないぢぇぇぇぇ! いっしょにゆっくちしよーよーっ!?」 「……れいみゅ」 できることならそうしたかった。 あるいは別の方法を一緒に考えてもよかった。 ……今なら、2匹だけになった今ならとれる方法もある。 皆がいたときは言い出すことはできなかった方法。偶然にも残った2匹は、母の正面側に実った姉妹。 狙いをすまして落ち、母に舌で受け止めてもらい口の中に避難する。向こう側に飛ぶよりも安全な方法だ。 「だいじょうぶだよあかちゃん! おかあさんがいっしょだよ!」 「ほりゃ、おかーしゃんがいるよ? だかりゃあんしんちちぇね?」 安心できる声。お母さんの声に、長女れいむの不安も薄らいでいく気がする。 お母さんはきっと受け止めてくれるよ、れいむ。疑いはない。 けれど長女れいむは飛ぶことを選ぶ。先に進むべきだと、それが残されたものが受け継いでいくことだと思うから。 「れいむ……とぶのがこわかっちゃりゃ……おかーさんにうけとめちぇもらうんぢゃよ?」 「ゆっぐ……ゆっぐ……ゆっぐ……」 妹は聡い子だ。返事はなかったが理解してくれているだろう。 前に飛ぶために、加速を得るために、長女れいむは体を動かす。 お母さん――れいむ達を産んでくれて、うれしかったよ。 れいむ――長女である自分が浮かれていないで周囲注意をくばっていれば、あんなことにならなかった。ごめんね。 まりさ――本当は自分がしなければいけなかったのに、皆を引っ張っていってくれた。ありがとう。 れいむ――皆が見た背中はとても頼もしかったよ。勇気がでたよ。がんばるね。 まりさ――泣かなくなったね。自分だけじゃなく、妹の涙を止れる子になったね。つよいね。 れいむ――お姉ちゃんが飛んだら、れいむは泣きやんでくれるかな? 感情を込め、力を得る。喜びも悲しみも、立ち止まるためではなく、巡り巡って、前にただ前に進むための糧となる。 速く速く、強く強く、前へ前へ。 こんな状況でなければ楽しかったのだろう。だが笑う。快と長女れいむは笑う。 生きるために、妹に何かを残すために。 皆! 一度でいいから力を貸してね! 不出来なお姉ちゃんが、立派なお姉ちゃんとしてやり遂げるために! れいむは飛んだ。 高くより高く。 前へより前へ。 目指す場所へ、ぐんぐん近づいていく。高台より更に高く、長女れいむは宙を飛んでいる。 身を任すではなく、意志によりれいむは風になった。進むべき風に。留まることのない風に。 次は着地だ。飛ぶ時間は思うより短い、早々に心の準備を決め。衝撃に備える。 高さは十分だった。が、着地の構えによる動きのせいか、若干軌道が変わった。着地地点が僅かだが、台の端にずれる。 このままでは、着地の際にバランスが崩れ、落ちてしまう―― 「――ゆんっ! ぐぅっ!」 前へ。 体重と勢いを前半身にかけ、進むことの意志を押し通す。 鈍痛が幼いれいむの体を支配しようとする。否。ここで痛みに飲まれることも流されることも、否。 ここまで来た。ならば前へ。前へと意志を通す。落ちるわけにはいかない。 はねる。 勢いそのままに、地面に叩きつけられた衝撃が全身に駆け巡る。 前へ進むことを選んだ結果、直前で受身を放棄した結果がこれだ。痛みはあれど、後悔はない。 始めて触れる地面さんは固かった。それでも、触れれることが喜ばしかった。 ころがる。 れいむの体は台の外ではなく、内へ。 姉妹達の想いを胸に長女れいむは到達を成し遂げたのだ。 やったよ皆。やったよお母さん。やったよれいむ。れいむはやったよ。 地面さんは痛かった。でも、お母さんは柔らかいに違いない。妹と一緒にふかふかー、ゆっくりー!!! するんだ。 そうだ! 早くお母さんにれいむの無事な姿をみせてあげよう。れいむもお母さんのお顔をちゃんとみたい。 早く妹にもお姉ちゃんは大丈夫だよって言わなきゃ。妹を早く安心させて、ゆっくりさせてあげなきゃ。 ――泣きやんでくれたかな? れいむは妹の涙を止めてあげられたかな? 痛みが引き始めたれいむが、目を開けて見たものは、母の顔でも妹の笑顔でもなかった。妹の泣き顔でもなかった。 遠い遠い地面だった。 「ゆ~~~? れいむのあかちゃんきえちゃったよ?」 母れいむは、今度こそ自分の赤ちゃんを見失うことはないと思っていた。 今回飛んだ子は、視線をあげれば見える位置。頭上でぷらぷら動き出したときから、しっかりと目を離さなかった。 飛んで自分から離れた場所に乗るのもきちんと見た。のに忽然と消えたのだ。不思議だ。 だけど母れいむは楽しかった。初めてなる母親というのは新しいできごとばかり。 赤ちゃんは飛ぶ。赤ちゃんは消える。自分にはできないことだ。 母れいむも赤ちゃんだった頃があったはずだが、そんな経験は無い。でも、きっとできたに違いない。 「ゆ? ゆゆゆゆゆっ!?」 急に髪が痛くなった。少し重い気がする。 今までなかったことだ。これも母親になったからに違いない。赤ちゃん達ができたときも頭の上が重くなった。似ている。 「ゆーん……れいむどんどんおかあさんになっていくよー」 だらしのない笑みを浮かべる母れいむ。しあわせー。 これからはもっとしあわせーだ。母れいむは1匹だけではない、家族がいる。どんどん新しい発見と喜びがあるだろう。 赤ちゃんに色んなことを教えてあげよう。ごはんは美味しいよ。みんなで食べたらもっと美味しいかな。 「……ゆ? だれかよんだ?」 考え事の途中、赤ちゃんに呼ばれた気がして、母れいむは頭上の赤ちゃん達に訊ねた。返事はない。 気になったが、何度もしつこく訊ねるような事はしない。にんげんさんに教わった。れいむはいい子だからそれを守れる。 ああ、そうだ。そのことも赤ちゃん達に教えてあげないと。にんげんさん達にも可愛い赤ちゃんをみせてあげないと。 楽しい未来に想像をめぐらせる。母れいむが好きな遊びだ。にんげんさんは忙しいから、母れいむはこの遊びに興じることが多かった。 でも、もう1匹じゃない。早く赤ちゃん達と皆でゆっくりしたいな。母れいむは楽しみで仕方がなかった。 いつの間にか、髪の重みは消えていた。 ■点数発表 +0点:れいむ4、まりさ1、まりさ2 +1点:れいむ1 +2点:無 +3点:れいむ2 +10点:無 -2点:れいむ3 昼までに各自が選んだ3匹の得点合計合計をすましておきます 2位までが集めた参加費を使って食堂でタダ飯喰ってください シャレで作ったマイナスゾーンに落ちたれいむが勝敗を分けた わりと飛ぶもんですね飛びすぎたせいで暫定1位からビリ辛い このSSに感想を付ける